一生忘れられない最高の思い出

修学旅行で経験した異文化体験と、留学経験者の多い外語大学に進学したことで留学を決意。1カ月バンクーバーで語学学校へ通い、その後バンフのホテルでインターンシップ中。

将来海外で生活できるか見極めるための留学

留学を意識し始めたのは、高校の修学旅行でカナダへ行ったときです。ホームステイや異文化交流を経験し違う文化、を目の当たりにしたことが大きいと思います。その後、進学した外国語大学でたくさんの留学経験がある人に出会い、憧れだった留学を、憧れで終わらせず実際にしようとワーキングホリデーに。将来海外で働き住むことが夢なので、単純に留学するのではなく、カナダに住んでいる人と同じような気持ちで生活することを心掛けています。

語学学校には１カ月しか通いませんでしたが、授業でホームレスについて学んだことは印象的でした。バンクーバーの町には至るところにホームレスがいて町の人は普通に会話をしています。そしてお金を分けてあげたり物をあげたりします。日本で育った僕には同じことができませんでしたが、そんな心の寂しい人になってはいけないということを学びました。語学以外にも留学では多くのことが学べます。

バンフでのインターンシップ生活で自信がついた

エージェントを通して見つけたインターンシップ先はリゾート地バンフにあるホテルのハウスキーパーの仕事です。パンフに来て始まった寮生活ではすべて自分でやらなければいけませんでした。ルームメイトがいたり自分のほかに11人のハウスメイトがいたり、初めてのことが多くて新鮮でした。しかし、いいことばかりではなく、ハウスメイトがいつもリビングで、爆音で音楽を流していることや、パーティをしていることが多く、リビングから１番近い部屋だったので困りました。耐えられないときは静かにしてほしいと伝えましたが、特に喧嘩することなく解決できたのでよかったです。

仕事場では、英語を聞き取れないことが多く、初めはみんなについていくことで精いっぱいでした。慣れてくると余裕も出て、初めてチップを貰った時には海外で働いているということを特に実感し、達成感も感じました。この経験を通して、将来海外で働くことになっても躊躇せず英語で仕事ができる自信がつきましたね。ハウスキーパーから始まった仕事も、現在はハウスマンになることができこの点も自信がついた一つの理由です。ハウスマンになると、一人で決められた時間内でしっかりと働きます。ホテル内を自由に行き来でき他の従業員と連携した仕事もあります。たとえば、「フロントから○○号室にトイレットペーパー持って行って」など、簡単に言うと小間使いですが、英語を使う機会がとても多く、できる仕事が増え、任されることに喜びも感じます。

豊かな自然の中でのハイキングは素晴らしかった

休日は夏は山に行ったり、近くの川にみんなで行ったり、観光したりしました。冬は雪が多いのでショッピングが多くなっていますね。カナダに来てはじめてハイキングを体験しました。日本にいるときにはハイキングのイメージはシニア世代のもの、しんどいだけのもの、でした。しかし実際に経験すると、登りきったときにとてつもない満足感がありました。そしてカナダは自然が豊かということもあり、動物もたくさん見られ雄大な自然を肌で感じることができました。

「空気を読む」という文化はないのでしっかりと自己主張を

日本人は場の雰囲気を考え、流されてしまうことが多いですが、海外の人は年齢に関係なくしっかりと自分の意見を伝えます。本当に感情が豊かです。たとえば、南米から来た人は晴れた日には元気がありませ
ん。天気に左右されるほど心が豊かなのです。日本にいたら気づけなかったことなので、これだけでも留学してよかったと思います。

留学先でやりたいことを想像しよう

私にとって留学とは、一生忘れられない最高の思い出です。海外に行くことで外から見た日本や、世界の「今」が見えます。日本と海外の文化の比較や家族や友人の大切さにも改めて気づくことができ、どれだけ日本が恵まれているかも実感しました。留学を迷う人がいたら、その不安を探すより、留学先でやりたいことを想像するといい。そこに向かって行動すれば何とかなると思います。

ハウスキーパーとハウスマンの違い（佐々木さんの勤務するホテルの場合）

● ハウスキーパー
出勤するとマネージャーから1日のリストを渡され、それに沿って2人1組で仕事を行う。仕事内容は客室のベッドメイクや清掃などで、宿泊の場合7分、チェックアウトの場合14分で終わらせていく。定時はあるが、リストの仕事が終われば退社できる。

● ハウスマン
勤務時間が決まっており、8:00～16:00までの8時間勤務。仕事は1人で行い、ベッドメイクやハウスキーパーを手伝うほか、廊下やエントランスの清掃、ごみの回収など。さらに、トランシーバーと館内ほぼすべての鍵が渡され、フロント、メンテナンス、キッチンなどホテル従業員全員と関わる機会がある。