ベテラン留学カウンセラーの親子カウンセリング!ー親子の距離感と海外留学

公開:2019-10-17 更新:2019/10/17

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親子関係が良好でないことが原因で、世間ではさまざまな問題が起こっているようです。
幼児虐待、家庭内暴力等々に関するニュースもテレビや新聞でしばしば報道されています。このような事件までに発展しないにしろ、親子関係が良好でないことに悩んでいる保護者や子どもは昭和の時代と比べてかなり増えてきているのではないでしょうか。その原因が一体どこにあるのか、答えを見つけるのはもちろん、容易ではありません。

しかし、留学カウンセラーとして30年、中学生や高校生の正規留学に携わってきたアルファ留学アカデミーの永野さんは、親と子の距離感が、そうした問題と密接なつながりを持っていることに気が付きました。

子供の成長に追いつけない親

子育て経験者ならどなたでも実感としておわかりのように、子どもは日々成長します。いや、一瞬一瞬成長すると言っても過言ではないかもしれません。成長の速度はとても早く、ほとんどの親はその速度に追いついて行けないようです。具体的に言いますと、子どもはすでに幼児から少年に成長しているのに、親はいつまでも幼児の頃の記憶を持ったまま子どもの世話を焼こうとします。そうすると、「そんな事、もう自分でできるよ」などと拒否される、というような事です。

適度な距離感

ご家庭にはそれぞれの教育方針があることでしょうから、一概にどの程度の距離感が良いと論ずることは難しいと思います。しかし、『アメリカインディアンの子育て四訓』は、子どもの年齢と親子の距離感に関して恐らくどなたにとってもとても参考になると思いますので、ご紹介します。

乳児はしっかり肌を離すな

言語能力が未発達な乳児にとって、親の存在は肌を通して直に伝わってくる温もりであり、その温もりを親の愛情と認識するものと思われます。その意味でこの段階のお子さんにはスキンシップが何より大切なのです。そして、この時期に十分なスキンシップを味わうことができた子どもは、すくすくと成育していくものですが、何らかの事情でスキンシップを十分与えられなかった子どもはその後の成育過程でさまざまな問題を抱えていくことが多いようです。

幼児は肌を離せ、手を離すな

子どもの成長はとても早く、その成長段階に応じて親子の距離を変えていかなければなりません。いくらスキンシップが大切だとはいえ、いつまでも抱きしめていたのでは子どもは息苦しくなり、かえって成長を妨げることになりかねません。ですので、この段階になったら、敢えて肌を離すことも必要なのでしょう。しかし、肌は離しても時々は手をしっかりと握るようにすると、子どもは安心して成長を続けていけるようです。しかし、まだ自立できたとは言えない段階なので、交通量の多い交差点など危険な場所では手を離さないようにして子どもを守る必要があります。

少年は手を離せ、目を離すな

子どもが小学生から中学生になると、その行動範囲はぐっと広がりますので、更にのびのびと成長させるためには、手を離して自由に行動させる必要があります。しかし、できるだけ目を離さないで遠くから見守ることをしないと、完全に自立できている段階ではないので、思わぬ事故に巻き込まれないとも限りません。

青年は目を離せ、心を離すな

子どもが思春期になると、行動範囲や交友関係は飛躍的に広がります。そしていよいよ自立する一歩手前の段階であるわけです。通常なら物理的に目を離さざるを得なくなるのですが、世の中にはいつまでも子離れができずに、子どもの行動を逐一監視しようとする親がいます。つまりいつまでも目を離そうとしないのです。これは子どもの自主性や自立心の芽生えにとって有害で、子どもはいつまでたっても自分の意志で行動する事ができなくなります。自分の意志で行動しないと、その行動に責任を取る気持ちが育たないので、このまま成長すると無責任な大人になってしまいます。ですから、子どもが思春期になったら、親は意識的に目を離すようにすべきなのです。
ただし、目を離しても心は離さない、ということが大切です。どんなに遠くに離れていても親は自分の事を気にかけてくれている、という確信を持てれば子どもは安心して己の道を進んでいけるからです。

 

高校留学は、上記の指標でいえば、4の段階に相当します。そして、留学生活を順調に送っている人と、さまざまな問題を抱えている人を比較すると、見事に4の指標、つまり「青年は目を離せ心を離すな」ができているかどうかが分かれ道になっています。
例えば、「最近うちの子どもから何の連絡もないんですけど、どうなっていますか」というような問い合わせを保護者から時々頂くことがありますが、このような場合大抵その子どもさんの留学生活は順調です。これは親が子どもから目を離している例です。
近年インターネットの発達によって、世界のどこにいても簡単に連絡を取り合う事ができるようになりました。昭和の頃と比べると大変便利で良い時代になりました。これは一見良いことのように思えますが、中には留学中の子どもさんとほぼ毎日、極端なケースでは数時間おきに連絡を取り合っているという保護者もいらっしゃいます。親からすれば、子どもの様子が確認できて安心でしょうが、留学生活で問題を抱えているのは、このような家庭の子供さんが断然多いのです。

本来留学とは、「青年は目を離せ、心を離すな」を実行するとても良い機会のはずです。子どもの成長を願うなら、まずは思い切って目を離すことで子どもに信頼されているという実感を与え、自分の行動に責任を持たせるように仕向けてみることをお勧めします。そして、これが思春期の子供と親との適度な距離感なのではないでしょうか。

この記事を書いた人

アルファ留学アカデミー代表。高校留学の専門コンサルタントとして30年。のべ500人を超える生徒さんと保護者の皆様を支えた確かな経験と知識、最後までとことん面倒を見る情熱、そして一人ひとりを大切に思うまごころは誰にも負けません。

Official Website:https://anokuni.com/agent/alf/

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