感謝祭、ガイコツのパレード?ランタンが宙を舞う。世界の11月のお祭り

公開:2019-11-15 更新:2019/11/15

11月のお祭りトップ画像

 

ハロウィンが終わると、日本ではクリスマスや年末年始まで特に大きなイベントがないため、お店や街はクリスマスのデコレーションで飾られ、関連商品が並びます。しかし世界には11月に開催されるお祭りがあります。では、どんなお祭りがあるのでしょう。

グアテマラ / 凧祭り

11月はカトリック教会にとって「死者の月」です。11月1日は祝日の一つ「諸聖人の日」。そして11月2日は「死者の日」となっています。グアテマラでも祝われ、特に死者の日に行われるスンパンゴ市の巨大な凧を空に揚げてお祝いするはとても有名です。

この凧揚げ祭りはスペインで行われる凧揚げの伝統に由来し、1900年頃に始まったと言われています。スンパンゴ市で揚げられる凧は、大きいものは高さ20メートル近くにもなる大凧です。広場のようなところで地面と垂直に立てられた大きな凧の他に、たくさんの空を飛ぶ凧を見ることができます。
Festival de Barriletes Gigantes(巨大な凧)のお祭りと呼ばれるこのお祭りは、現在では凧の大きさやデザイン、飛行時間を競う大会となり、多くの人が楽しみにするお祭となりました。参加者たちは、お祭り当日の約5か月前から凧を作り始めているそうです。そのデザインには環境問題や平和を願う、または人権を大切にしようなどのメッセージが込められています。
もともとこの巨大な凧のお祭りは、亡くなった人々、死者を偲ぶためのものです。そのため、お墓参りを済ませてから、このお祭りを見に行くというのが、スンパンゴ市民の過ごし方のようです。また、グアテマラ市から30分ほどのところにあるので、多くの観光客も毎年訪れます。

メキシコ / ディア・デ・ロス・ムエルトス(死者の日)

メキシコ死者の日画像1

 

メキシコでは亡くなった人を偲ぶ11月1日、2日が「死者の日」がとても大きなイベントとしてお祝いされています。たくさんの国民や観光客がガイコツのペイントをしてパレードの参加したりします。数年前に公開されたディズニー映画、「リメンバー・ミー」でご存知の人も多いのではないでしょうか。
死んだ人を偲ぶ人聞くと、なんだか暗いお祭りを想像しますよね?しかしこのお祭りは、楽しく「死者を想う」お祭り。死者のシンボルであるガイコツもとてもカラフルに装飾され、人々もガイコツのフェイスペイントをしたりメキシコの伝統的な衣装を着飾って、大いにこのお祭りを楽しみます。

メキシコ全土でお祝いされるこのお祭りですが、死者の日を祝う習慣がなかったメキシコ北部では、伝統的というよりみんなで集まってパーティーをする感じでした。今ではメキシコシティでもパレードなどが行われ、人々は仮装して楽しんでいます。
伝統的な死者の日のお祝いを体験したいのであれば、南部の都市に行くことをおススメします。もともとスペインにより植民地とされていた時以前からあるお祭りなので、先住民が多く暮らすミチョアカン州やオアハカ州などでとくに盛大に祝われることが多いようです。

 

メキシコ死者の日画像2

 

亡くなってからも家族やコミュニティーの一員だと考え、毎年11月1・2日には戻ってきて家族や仲間たちと過ごすと信じられています。そのため「死者の日」には、各家庭で祭壇を準備し、故人の写真や好きだったものをお備えします。祭壇は「Ofrenda(オフレンダ)」、「Altar(アルタール)」と呼ばれ、死者の日が近づくと街中で見かけるようになります。その祭壇の装飾として使われるのが、死者を導くと言われているマリーゴールドです。死者の日が近づくと、市場で大量に売られている様子を見ることができます。

イギリス / 焚き火のお祭り(ガイ・フォークス)

イギリスで11月5日に行われるのが、「焚き火祭り」「花火祭り」「Guy Fawkes Night(ガイ・フォークス)のお祭り」など、さまざまな呼び方がある花火大会のようなお祭りです。

1605年11月5日、ガイ・フォークスとカトリック教徒たちによって計画された、イギリス国王の暗殺計画。しかしその計画は誰かが匿名で政府にその計画を知らせることでバレてしまい、首謀者とされたガイ・フォークスは捕まり処刑されました。そして国民はこの暗殺の失敗を祝うよう教育されました。そのため毎年11月5日に、ガイ・フォークスに見立てた人形を街中で引きずりまわし、夜その人形を焼き捨てるという、ちょっと過激な習慣ができました。現在では人形に引き回しは行われず、夜にかがり火を焚いて、それを眺めながら食事をしたり、花火を見たりという習慣になって残っています。
11月のイギリスは日本よりも寒く、人々は香辛料の入ったマルドワインという温かい飲み物と、ジャケットポテトがよく食べられています。

タイ / ロイクラトン祭り

11月お祭り画像3

 

毎年陰暦の12月である10月〜11月頃に行われるのがこのお祭りです。タイの全土で開催されますが、特にバンコク、チェンマイ、スコタイで開催されるロイクラトン祭りが人気です。

農業の神様に感謝をし、水の女神コンカ―に祈りを捧げるこのお祭りは「水の祭典」とも呼ばれています。川の恵みへ感謝し、人のけがれを払うためにバナナの葉などで作られた灯篭(=クラトン)をろうそくや花、線香などで飾り、川に流し(=ロイ)感謝の気持ちを捧げるものです。タイ北部のスコータイが発祥の地ですが、チェンマイではイーペン祭りと呼ばれ、コムローイ、コムファイという紙のランタンを熱気球のように飛ばします。人々の願いが込められた灯籠やランタンが川や夜空へ浮かべられていく光景はとても美しく、荘厳で、多くの観光客を惹きつけています。 ディズニー映画「塔の上のラプンツェル」ではこのお祭りがモデルとなった有名な場面があります。2019年は11月13日に行われました。

アメリカ / サンクスギビングデー(感謝日)

11月お祭り画像5

 

日本ではハロウィン後にクリスマスの準備に入りますが、アメリカでは毎年11月の第4木曜日にとても大きなイベント、Thanksgiving Day(感謝祭)があります。1863年、リンカーン大統領の時代に祝日に制定されましたが、その際には11月の最終木曜日と宣言しました。しかしその後ルーズベルト大統領によって、今の11月の第4木曜日となりました。職場や学校はもちろん、政府機関など全てがお休みになります。
ちなみに同じ北米の国カナダでは、サンクスギビングデーは10月に行われます。

諸説ある起源ですが、最初にサンクスギビングデーが行われたのは1621年だと言われています。1620年にイギリスから、イギリス国教会の弾圧から逃れた清教徒102名がメイフラワー号に乗ってアメリカへ旅立ちました。66日の厳しいの航海の末マサチューセッツ州のプリマスに到着します。その年の厳しい寒さと病気によってその半数以上が亡くなってしまいました。
そんなイギリスからの移民を助けたのが先住民であるネイティブアメリカンです。彼らは食料を分け与え、農業の仕方を教えてアメリカで生き抜くすべを伝えたと言います。そして翌年1621年には多くの収穫ができ、移民たちは先住民を招待し、神の恵みに感謝して一緒に食事をしたというのが感謝祭の始まりのようです。

現在では、故郷へ帰って家族や友人たちと一緒に七面鳥やじゃがいも料理を食べ、デザートにはパンプキンパイが定番です。とにかくたくさんの食事を準備して、みんなで神様に感謝しながら食事をする休暇として定着しています。

 

パンプキンパイ

 

いかがでしたか?他の国ではビッグイベントであるクリスマスの前にもこんなに楽しいお祭りがあるのですね!留学先の国で素敵なお祭りが開催されていたらぜひ参加して下さい。そしてアメリカへ留学する場合には、ホームステイであればホストファミリーと一緒にサンクスギビングの食事を楽しめるでしょう。

 

この記事を書いた人

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