公開:2016-11-24 更新:2019/09/19
社会人の留学でまず考えなければいけないのは、何を得るために留学するのか、という具体的な目的です。これまで積み重ねてきたキャリアを中断して、一生懸命働いて貯めた資金で留学するわけですから、「行ってよかった」と思えるような充実した留学体験にしたいもの。そのためには目的を明確化し、その目的達成するにはどんな留学スタイルがいいのかを考えてみましょう。逆に言えば、留学生活の具体的なイメージを持っておくほど、留学がもたらす効果は大きくなるということです。
例えば語学力アップが目的としても、到達目標が日常会話レベルのTOEIC650点なのか、それともビジネス英語レベルの800~900点をねらいたいのかによって、留学先や滞在期間は大きく変わってきます。650点なら短期間の語学留学でも十分ねらえるが、800点以上なら長期留学を見積もっておく必要が出てきます。目標を具体的なスコアなどで「見える化」すると、目標に見合った留学先や滞在期間を割り出しやすくなります。
また「現地で働いてみたい」という人は留学プランを検討する前に取得するビザを考えておく必要があります。例えば、語学留学など学生ビザを取得すると、たっぷり勉強できる代わりに現地での労働時間が制限されてしまいます。一方、ワーキングホリデービザは現地で働くことはできますが、逆に語学学校などで学べる就学時間が限られてしまうますことになります。ビザによってできることが変わってくるため、勉強と就業体験のどちらかを目的にするか、よく考えてからビザを選びましょう。
ワーホリビザで渡航した人の中にはアルバイトだけでは語学力が伸びず、現地で学生ビザを取り直して学校に入る人もいます。現地で生活してみて初めて見えてくることもあるので、途中変更も一つの方法だけど、出発前にできるだけ目的を絞っておけば、ムダなく効果を上げられるのでおススメです。
目標が明確になったら、次はプランニング。長年憧れ続けた留学も、いざ現地に行ってみればあっという間に過ぎてしまうものです。目の前のことに一生懸命になっているうちに気づけば帰国日・・・なんてことになりかねないです。そうならないためにも、どんなスケジュールで過ごすのか出発前に考えておくことが大切です。
まず確認しておきたいのは自分の語学レベルと、持っているスキル。語学レベルが初級の人と中級の人では、当然ながらスタート時の実力に差があります。初級レベルからスタートするなら、中級レベルの人より2~3ヵ月は長めに語学研修の時間を確保しておきたいですね。そこまで留学期間をとれないという人は、日本である程度レベルアップしてから出発する方法も考えておくといいでしょう。
現地で働くのが目的という人にも語学力は必要です。言葉ができなければアルバイト先やインターン先で希望する仕事をさせてもらえなかったり、雑用や日本人客を相手にする仕事ばかり・・・ということも。現地の人に接客したり、企業でしっかり働きたいなら、語学学校に通って語学力をアップさせる機関を考えておきましょう。学校によっては語学研修の仕上げとしてインターンができるコースもあります。
6ヵ月語学学校に通ってから企業でインターンをする、3ヵ月語学学校に行ってからアルバイトをする、語学研修後に1ヵ月海外ボランティア体験するなど、留学期間中のスケジュールは人それぞれ。目標から逆算して、どんなふうに時間を使うのかプランニングしてみましょう。
社会人が留学するにあたって最も気にするのは、帰国後の再就職でしょう。なかには「再就職できるか不安だから、留学する勇気がでない」という人も少なくないのです。留学は一生の財産になりえる貴重な体験です。それを就職への不安からあきらめてしまうのはもったいないです。
大切なことは、再就職を意識しながらプランを立てることです。帰国後の転職活動では「どうして留学したのか、なぜその留学先を選んだのか」といった質問が必ず上ります。その際に具体的な理由や体験をきちんと説明できるか、有利になる体験や資格を得ているかが、就職を勝ち取るカギになります。キャリアアップやキャリアチェンジをねらうなら、なおさらですね。業種や職種がはっきりしている時は、どんな資格やスキルがあればいいか、必要なものをできるだけ具体的にイメージして、それから取得できるプランを立てましょう。また、その業界の知識を身につけ、インターンで働くなどの努力も必要です。就職したい職業が決まっていない場合は、今の仕事にどんなスキルや資格を加えたら選択肢が広がるのか考えてみるといいでしょう。
語学力を生かしてキャリアチェンジを考えるなら、覚悟して留学に臨むことをおススメします。最近は「言葉は後からついてくる」と語学力より経験を優先する企業も多数あります。同じ語学力なら経験のある人材を採用する傾向が強いため、未経験の業界で働きたいならハードなカリキュラムで語学スキルを最大限にアップしておく必要があります。
また、社会人だからこそできることも考えてみましょう。社会人の場合は、自分のキャリアにプラスになる勉強をすることもできるし、自分のいた業界が海外ではどうなのか、働いてみて比較するのもおもしろいですね。滞在中に人脈を広げることもできますので、学生とは違う留学を計画してみましょう。
留学はしたいけど、今の仕事を辞めて海外に飛び出すのは、社会人にとっては大きな決断ですね。また、留学はしたいけど、どこが自分に合った留学先なのかわからない人もいることでしょう。そこで本格的な留学を決める前に、短期間のプチ留学を体験してみるというのはいかがでしょうか。
1週間から参加できるプログラムなら、社会人でも休暇を利用していくことができるので、会社を辞めるのが不安という人でも安心です。短期間ながら、現地で語学研修を受けて海外生活体験も味わえます。実際に過ごすことで、留学でやりたいことを再確認できたり、新たな課題を見つけられるかもしれませんね。留学先の国や都市が決まらない人にとっても、行き先選びのヒントになりです。現地に行って少し勉強してみてから、留学を決めても遅くはありません。後悔しないために、納得できるまで吟味しましょう。
資格やスキルは求めず、海外で見聞を広めたり外国文化に触れたりして人生経験を積みたいという人は、ワーキングホリデーがおススメ。ワーキングホリデービザは取得できる年齢や渡航先などの制限はあるものの、1~2年と長期滞在できる上に、現地でのが魅力です。資金に不安のある人でも、手軽に海外生活体験ができると人気があります。現地で語学研修とアルバイトを組み合わせれば、語学力アップと就業体験を両方かなえられておトクですね。ただし「海外にいればペラペラになる」というのは大間違い。語学力を確実に上げたいなら語学学校で真剣に学ぶなどして努力しない限り、日常会話レベルが精一杯と肝に銘じておきましょう。また海外ボランティアやファームステイもひとつの方法ですが、帰国後にやりたい職業が決まってる人は、仕事にプラスになる分野かどうかを見極めましょう。
最近は転職や社内の査定でも、TOEICや英検といった検定試験のスコアが求められるケースが増えました。また将来的に大学や大学院への留学を視野に入れる人にとっても、入学するには指定のスコアをクリアする必要があります。とにかく検定試験のスコアを確実にアップさせたい!という人は語学学校の試験対策コースがおススメです。語学学校では大学進学に向けたTOEFLやIELTS、ケンブリッジ英検などの試験対策・大学進学準備コースを設けているのが一般的。なかには日本人に人気の高いTOEIC対策コースを設けている学校もあるのでチェックしてみましょう。留学生のなかには語学学校の一般英語コースと試験対策コースにダブルで通う人も。勉強は大変になるけれど、英語力とテストスコアを両方手に入れたいなら、頑張る価値が大いにありますね。
ビジネスで通用する英語力を身につけたい人は、語学学校とインターンシップを組み合わせたプランもおススメ。最近では語学学校でもビジネス英語を学んだ後、仕上げとしてインターンができるコースがあります。語学研修で培った語学力をインターン先で発揮することで、より効果的に語学力をアップさせることができると好評です。ただし語学力に応じてインターン先や職種も変わってくるので、語学力はできるだけあげておきたいですね。大学付属に語学学校の中には語学研修に加えて、大学の講義を一般学生と一般学生と一緒に受けられたり、語学研修の最後に企業インターンを経験できるコースもあります。またカナダやオーストラリアなどの語学学校では、近年需要が増えてきている児童英語教師の育成コースも人気です。日本の幼稚園児や小学生に英語を教える勉強ができ、現地の幼稚園などで実地研修も行われます。
海外で働きたい、特定の分野で就業経験を積みたいという人には、現地のホテルや一般企業で就業研修が受けられるインターンシップがあります。特に語学研修と企業インターンがセットになっているプログラムが人気です。語学学校と違ってインターンは仕事の場。実践的なスキルや語学力が求められるため厳しい環境ではありますが、その分驚くほど語学力がアップしたという体験者も多いのです。サービス業で海外研修を積みたい人はホテルやクルーズ船でのインターンがおススメです。日本人だけでなく外国人のお客様をケアする機会が多く、英語力が身につくという声も多く聞きます。また専門スキルや経験がある人なら、ワーホリビザを利用して働く方法もあります。国によっては就ける仕事が制限される場合もあるが、ITやアパレル、デザイン、マッサージ系は実力と語学力次第で働ける可能性があります。
デザインやIT、会計、貿易、美容、通訳・翻訳、マッサージなど特定分野の専門知識を身につけたい、資格やスキルを身につけて”手に職系”の転職をしたいという人は、専門学校へ留学する道があります。特に海外でしか学べない専門スキルを身につければ、異業種での転職でもおおきな強みになります。第一線で活躍する有名講師による直接指導や実地研修など、専門学校でしかできないカリキュラムも多く、即戦力を身につけたい人におススメです。ただし一般学生と一緒に授業を受けるため、語学レベルによっては語学研修が必要になる場合もあります。学校などの教育機関では学べない専門スキルを学びたい人は、工房やアトリエで陶芸や手芸、工芸、フラワーアレンジメントなどで学ぶ方法も。ある程度語学力が必要ですが、教室によっては英語(英語圏以外は国の場合)や日本語の通訳が付く場合もあります。
海外の学位を取りたい人や、日本では学べない専門知識を得たい人は、大学や大学院で留学する方法があります。留学先はアメリカやイギリスなど英語圏が中心となるが、中には通訳・翻訳の国家試験が取得できる多彩なコースがあります。現地の一般生徒と授業を受けるためハイレベルな語学力が求められますが、各大学には語学学校を併設している場合が多く、まずは語学研修を受けて一定レベルに達したところで大学に進むのが一般的です。海外の大学は宿題が多く、勉強はかなりハードだが、ディベートやリサーチ、プレゼンといったビジネススキルが自然と身に付くメリットもあります。また日本の学位があれば、一部の単位が免除されて留学期間が短縮できる場合も。国によっては在学中にバイトはほとんどできないので、学費と生活費が賄える十分な資金力は不可欠です。
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