ヨーロッパの留学生が集まる地中海のリゾート地、 マルタ共和国で英語を学ぶ

今回、読者特派員を体験してくれる小菅順子さんは、航空業界で働く会社員。普段の仕事でも外国人と話す機会が多く、留学してみたいと思っていたところ、この企画を知り応募。  

ヨーロッパ好きの彼女には、マルタ留学を経験した友人がいるそうで、興味深く話を聞くうち“留学するならマルタ”の気持ちが高まっていったと話す。  

海外旅行が趣味で、時間をつくっては毎年いろんな国へ出かけて視野を広げている小菅さん。  

近い将来、マルタ留学を実現させるためにも 「ぜひこのチャンスを生かしたい!」と力強く語ってくれた彼女に、あこがれの地マルタでの留学生活をレポートしてもらおう。  

あこがれの地マルタへ。期待と緊張のフライト

海から見るマルタは圧巻。高い城壁が印象的な首都ヴァレッタは、街がまるごと世界遺産となっている

マルタへは直行便がないため、まずは日本からドイツのミュンヘンへ行き、そこからマルタ航空に乗り換えて約13時間の長旅。機内では、マルタについての本を読んだり、これからの1週間のことを想像したり……、リラックスして過ごしました。ヨーロッパが好きなので、乗り換えも他の国を感じることのできる、お得な時間に思えたほど。ほんの少し緊張もしましたが、マルタが近づくにつれて期待のほうが大きくなっていきました。  

マルタは話に聞いていたとおり、海と街が美しい島というのが第一印象。また、マルタ人は明るく、よく笑う親切な人たちで、店に入ればみんなが気軽に声をかけてくれます。着いたばかりだと説明すると「HAPPY STAY!」と歓迎してくれて感激しました。  

淡路島の半分の土地に世界遺産が3つも！

ヴァレッタの中心にある聖ヨハネ大聖堂。豪華な内装や天井画の美しさに圧倒されてしまう

  マルタの首都ヴァレッタは、聖ヨハネ騎士団が作った要塞都市で、街そのものが世界遺産だそう。しかも、島には古代神殿が点在し、そのうちのいくつかも世界遺産というから驚く。古い建物をそのまま残している街並みや、365もある教会など、長く留学するなら見て回りたいと思う見所がたくさんありました。  

ほかにマルタで目についたものが、マルタのバス。電車のないマルタではいちばん便利な乗り物で、黄色のボディが印象的でとてもかわいかったです。もうひとつは街のあちこちで見かけたサボテン。実をサラダにしたり、加工してお酒にしたりするようでした。  

映画「となりのトトロ」に登場する“ねこバス”のモデルになったと言われる、かわいいマルタのバス

地中海で英語を学ぶ注目の留学先マルタ

受付にて学校のスタッフと一緒に。みんな親切で明るく、授業が終われば先生と飲みに行くことも

  語学学校初日の今日は、マークシートとスピーキングのテストを受けました。一緒に受けた新入生は30人くらいで、アジア圏から来たのは私ひとり。半分くらいは10代の人たちで、9割がヨーロッパからの留学生。なかでも飛行機で3時間で来られるドイツ人が多かったです。  

私のクラスは6人で、マルタ人の先生でした。授業は英文法が中心で、ホワイトボードを使いながら先生が説明をして、その後理解できているかどうか、いくつか質問をされます。わかっていても指されれば緊張したり、動揺したり……。でも積極的に声を出すことも大切な練習と思い、少ないボキャブラリーを駆使してがんばりました。先生も生徒の間を歩いて一人ひとりに話しかけるなど、発音や会話の間違いも細かく教えてくれるので勉強になりました。隣の席の人とのディスカッションでは、よりスムーズに会話ができたと思います。  

授業が終わった後は、クラスメイトや先生、学校のスタッフ総出でパブへ行きました。マルタは治安がいいので、比較的夜遅くまでパブで飲んだり、クラブで踊ったり、ナイトライフを楽しむことができるみたい。  

今回学んだESE（ヨーロピアン・スクール・オブ・イングリッシュ）には、いろいろな寮があり、好みによって選ぶことができます。私が泊まったのは、アパートメントタイプでキッチンも完備されたホテルのような寮でした。ベランダからは海が一望できて、朝のキラキラ輝く海もキレイな夜景も、部屋に居ながら眺めることができて癒やされました。  

入校時にクラス分けのテストがあり、自分に合った環境で学べる。私のクラスは、6人と少人数でアットホームな雰囲気

学校の1階にあるカフェ。朝食はここでセルフサービスで取る。ちょっと時間をつぶしたいときやコーヒーが飲みたいとき、待ち合わせにも便利

ホテルのような寮の中でも、いちばんのお気に入りはベランダからのこの景色

リゾート地ならではの貴重なアクティビティを体験

美しいマルタの海でダイビングを堪能。コミノ島はダイバーに人気の島だそう

  滞在期間中体験してみたかったのが、乗馬とダイビング。日本でも馬に乗ったことはあるけれど海外でははじめて。またがってみると想像以上の高さに緊張しましたが、気だてのいい子だったので、私の手綱さばきでもきちんと歩いてくれました。はちみつ色の石壁と草原の緑、森に埋もれるように建つ古い民家など、まるで絵本のような風景に大感動！  

ダイビングはフィリピンで免許を取っていたので、マルタの海に潜るのが楽しみでした。驚いたことにマルタでは、熱帯魚だけでなく、なんと難破船も見ることができました。今でこそマルタはリゾート地ですが、実は、あちこちに争いの場だったことを思い出させる名残りが……。難破船もそのひとつで、ダイビングは人気のアクティビティでした。  

日本で乗馬をしたことはあったけれど、海外では今回がはじめて。馬の背から見る風景はのどかで、肌に感じる風もやさしい

おいしい料理とおしゃべり。共有した時間が最高の思い出

クラスメイトとカフェへ。恋愛や仕事の話で盛り上がる。学校を離れたおしゃべりは楽しい

  なるべく会話をするように心がけ、ランチやディナーには友人を誘って毎日おしゃべり。一緒にマルタ料理のウサギのパスタを食べに行ったウェンディには、漢字で“宇縁出伊”と当て字を書いてあげたら、とっても喜んでくれました。  

今回、オランダ、スペイン、ドイツ人などの友人ができて、改めて考え方や文化の違いを感じました。留学には語学習得のほかに他国を知る、興味を持つといった交流があって、それこそ大きな学びかもしれないと思いました。この数日間は、毎日いろんなことを考えて、いろんなことを吸収して、とても貴重な体験ができました。  

素朴な味のマルタパンは、サンドイッチが最高。“Kinney”（キニー）は、ビターオレンジ風味（?）のマルタのソフトドリンク