公開:2016-04-09 更新:2019/06/13
いよいよあこがれの留学を決意!その前に、日本でどんな準備をしておきべき?
カリスマ英語講師として大人気の安河内先生が、留学前に効率よく英語を上達させるコツを伝授。
ポイントをしっかりおさえて、留学を成功させよう!
私は海外で勉強することには大賛成なんです。海外に行くこと自体が英語の勉強に刺激を与え、モチベーションを高めてくれますから。
ただ勘違いしないでほしいのは、外国に行けば英語が話せるようになるとは限らないからです。日本で何もしなくても、留学さえすれば英語を話せるようになると考えている人は多いのですが、それは大間違い!
実は留学が成功するかどうかは、どれだけ留学前に勉強をしたかにかかっているのです。
日本での勉強も海外での勉強も、すべては留学前につながっています。留学前に普段の生活に中で英語を勉強しておくと、それまで積み上げた英語学習と海外での実践が相乗効果を起こして英語力がグンと上がります。
逆に普段何も勉強しない人は、英語を勉強するコツがつかめないから、海外に何カ月いてもなかなか上達しない。
一生懸命お金を貯めて留学したのに、たいして話せるようにはならなかった・・・という残念な結果にならないために、出発前にしっかり勉強してほしいですね。
出発まで1カ月を切り、留学する日が間近に迫ってくると慌てて旅行表現を勉強する人がいますが、それは現地に行ってからでも大丈夫。それよりも、文法を勉強しておくことをおすすめします。よく「日本人は英文法ばかり勉強するから英語が話せない」と言われますが、私に言わせれば、「文法を知らずに英語を話せるはずがない」ですよ。いくら海外でネイティブスピーカーと知り合っても、be動詞や疑問文、否定文など文法の仕組みがわからないまま会話が続きますか?ネイティブの人でも文法はきちんと教えられないでしょうし、英語の文法の教科書を読むのはとても難しい。現地で最も勉強しにくいのが文法だと思いますから、ぜひ出発前に復習しておいてください。
具体的には中学生から高校1年で習うような基本的な文法をおさらいしておくといいですね。それくらいの文法がわかってないと、海外に行っても空回りすると思いますし、逆にわかっていれば「だからこういう形でしゃべっているんだ」「だからこういう文章が書いてあるんだ」と理解できて英語の上達が早くなります。
また、基本的な文法用語も覚えておくといいでしょう。subject(主語)、verb(動詞)、adjective(形容詞)、noun(名詞)など、ごく基本的な品詞名だけでOKです。
出発まで3ヵ月前など、少し時間に余裕のある人は、文法にプラスして表現や英単語を覚えるといいですね。私は「シンプルパターン」と呼んでいますが、英会話で使い回しのきく基本パターンを覚えて、あとはそのパターンに違う単語をどんどん入れ替えて練習しておくんです。なんといっても、英会話で重要なのは反射神経。基本パターンを覚えて、そこに名詞でも動詞でもいいからどんどん入れ替えて表現のバリエーションを蓄えておくと、会話をする際に条件反射的に言葉がスラっと出てくるようになります。
単語は、中学で習うものをすべて覚えておくだけでも日常会話のほとんどをカバーできます。高校受験用の英単語集を利用すれば効率よく勉強できると思いますよ。
表現については、日本にいる間にやらなくてもいいと思いますよ。「こういう表現をすると失礼だ」「こんな言い方をすると笑われる」なんて、日本人って行く前にそういうことばかり気にしますけど、そんなことは出発前に心配しなくてよし!そういう使い分けを学ぶために留学するんですから。
例えば向こうで「How do you do?」というと「へ?」という顔をされると思います。そのときに「そうか、友達同士ではHow do you do?じゃなくて、Nice to meet you.と言うんだな」と覚えればいい。笑われたらどうしようなんて気にする前に、日本でたくさんの表現を詰め込んでおいて、現地でどう使うかを学んでほしいですね。
出発まである程度の時間がある人は勉強が中だるみしがちなので、TOEICやTOEFL、英検などの資格試験を目標にして勉強するといいでしょう。アメリカ人が監修した実用的な英語が出てきますから、試験勉強がそのまま留学準備になると考えていいと思います。具体的な目標があると、試験のために英単語も必死に覚えますから、励みになりますよ。出発前と帰国後に受験すれば成長のバロメーターにもなります。
例えばTOEICだと、ビジネスに使える英単語が勉強できて一石二鳥。またセンター試験や英検の問題集は、海外に行ったときにそのまま使える実用英会話的な問題が多いので、問題集を解くだけでも十分勉強になります。
英語ができるようになるには、毎日同じ英語を繰り返し聴いて音読することが重要です。よく参考書を買っても、最後までやり切らない人って多いですよね。大切なのは、これという教材を決めて暗記するほど何度もリピートすること。リスニングも、ただぼんやり聴いているだけじゃ身に付きません。音を聞きながら目で単語をなぞって、丁寧に聞くことがポイント。音と文字が一致することで、聞き取れるようになってきます。
では実際にどんな教材を使えばいいかという点ですが、肝心なのは何を使うかではなく、飽きずに繰り返しできるかどうか。その意味では、お気に入りの映画や音楽を教材に使うのは大変有効です。ただ映画やドラマの場合、サスペンスやホラーを繰り返し見るのはきついですし、英語の難易度も高いので、コメディか子ども向けのアニメがいいでしょう。私はよく「となりのトトロ」をおすすめしています。DVDに英語字幕と英語音声がついていますから、内容もわかりやすいし教材にはピッタリです。
映画は英語の台本を手に入れて、台本を読みながら見たり、お気に入りのセリフを書きとめたりするといいですね。音楽なら歌詞カードをなぞりながら曲を聴いたり、歌ったりするといいでしょう。また、リスニング力を上げるためには発音記号を覚えることも大切です。日本人には難しい音の聞き分けも、発音記号を目安に「この音のときは下の位置がどうなっているか」を覚えれば、正しい発音や聞き取りができるようになってきますよ。
留学先で、ホームステイを経験する人も多いと思いますが、私がアメリカのホストファミリーからよく聞くのは「日本人は何もしない」ということなんです。掃除や洗濯をしないし、食事の支度も手伝わずにただ待っているだけなので、すごく困ってしまうという話がとても多い。むこうでは何でも自分でやるのが当たり前という文化ですから、ホストファミリーに世話をしてもらうのではなく、家の一室を借りて一人暮らしをするんだという気持ちでホームステイに行かないと、言葉以前の問題でトラブルになることがありますから気をつけてください。
日常生活をスムーズにするために、家の中にあるモノの名前は覚えておいた方がいいですね。例えば英語で掃除機を何と言うか、わかりますか?答えは、vacum-cleaner。ほかにも冷蔵庫をはじめとする家電や調理器具など、日ごろ使いそうなモノの単語は意外と見落としがちなので、出発前にしっかり確認しておきましょう。
当たり前の話ですが、留学先は英語を話せて当然の環境。ですから、英語がうまくても誰も相手にしてくれません。話がおもしろい、特技があるなど、英語以外に何か得意なものがないと、会話に入れず仲間はずれになってしまうことも。結局は日本同士でつるんでしまい、英語が話せないまま帰国する原因になってしまいます。そうならないためにも、映画や音楽など何でもいいので、ネイティブの人と会話がはずみそうな共通の話題をいくつか探しておきましょう。
また、日本文化について説明できるようになっておくのも大事ですね。留学先で日本人が聞かれる質問の99.9%は日本のことです。例えば「日本の総理大臣はどうやって選ぶの?」「神社と寺の違いは?」などと聞かれたときに、堂々と答えられる人は相手に尊敬されます。逆に答えられないと、どうして自分の国のこともわからず外国に留学しているのかと思われて、恥ずかしい思いをするかもしれません。英語でちゃんと説明できるよう準備しておくことをおすすめします。
その際、相手酔って意見を変えるのはまずいですよね。ある人には「クジラは食べていいんだ」と言い、別の人には「やっぱりクジラは食べちゃダメだ」と言うような。思想がない人というのは軽蔑されますから、「クジラが減っているときは食べない方がいいけど、足りているなら文化の違いを考えて捕獲してもいいじゃないか」とはっきり言えば、向こうの人も「文化の違いだね」と受け止めてくれる。自国の文化に対して意見を持っておくことは留学にあたって非常に大切なことだと思いますね。
海外への留学は、英語を学ぼうというモチベーションが上がる大きな転機なります。海外を旅して損することは絶対にありません。どうぞ、思い切って旅に出てください。そして、せっかく行くなら英語力が上がるほうがいいですよね。後悔しないためにも、事前の準備を怠らずにがんばってほしいと思います。
①中学から高1までの基礎文法を復習する
②英語は反射神経。音読を何度も繰り返す
③リスニングは文字と音を一致させる
④TOEICや英検などの試験を受ける
⑤発音記号を覚えて音を聞き分ける
①BOOK 安河内先生の「シンプルパターン英会話」
英会話力アップのカギは音読と反射神経。会話の基本フレーズを覚え、それに単語を入れ替えて繰り返し音読することでスラスラと言葉が出てくるように。
②WORD BOOK
日常会話はもちろん、映画やドラマのセリフでも一番使われる頻度が高いのは中学レベルの英単語。中学生向けの英単語集に収録されている語彙をマスターしておけば、現地での会話に困らない。
③DVD
映画や英語字幕&英語音声で繰り返し見て、セリフを書きだしてみよう。「フルハウス」など、現地の生活習慣がわかるホームドラマも準備に有効。
④SCRIPT
洋画の英語台本は書店で扱っているので、大好きな作品の台本を手にいてて、読みながら繰り返し映画を見てみよう。セリフを暗記するくらい何度も見ることで、英会話の反射神経が身に付く。
⑤GAME
「ニンテンドーDSソフト『えいご漬け』をやった生徒はTOEICなどのスコアが上がる」と安河内先生のお墨付き。
⑥COMIC
マンガは今や世界共通言語。現地で話題作りになるうえ、日常表現が勉強ができるので、好きな漫画の英訳版を読むのも会話力アップの近道に。難解な作品よりも、できるだけわかりやすい作品を選ぼう。
取材協力:安河内哲也さん あの国でこれがやりたい Vol.39 掲載
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