~編集長インタビュー~ 子供たちの人生の選択肢を増やしたい!

公開:2019-07-30 更新:2019/07/30

10,000本以上の動画が無料で見放題。動画学習、音読学習、マンツーマン英会話などを組み合わせてユニークな英語学習のプラットフォームを提供しているEnglishCentral。


「見る・学ぶ・話す・そしてオンライン英会話」という独特の学習サイクルで、多くの学習者から好評を得ているEnglishCentralの松村弘典社長に話を伺いました。

 

編集長インタビュー松村さん

 

 

教育現場で評価される本当に良いサービスを作る

 

天野: まずはEnglishCentralのサービスについて教えてください。

 

松村:EnglishCentralは、1万点以上ある英語学習動画が無料で見放題です。しかし、動画を見て学ぶだけではなく、動画を見た後に音声認識機能を使って話す練習ができ、さらにはオンラインのマンツーマン英会話で実際の会話をする。「見る・学ぶ・話す・GoLive」という弊社独自の学習サイクルで、学習者はゲームのように楽しみながら自発的に英語を学べる仕組みになっています。

 

天野:このユニークなサービスを始めるきっかけは?

 

松村:もともと私は音声認識ソフト会社で技術責任者をしていました。その会社の米国本社の役員だったアランと一緒にEnglishCentralを立ち上げたのですが、最初は音声認識技術を使ってどう英語を学べるのか?ということから始まりました。

なので、一番最初はYoutubeにアップされている動画を集めて、動画を見た後に発話してみる。というシンプルなサービスでスタートしました。これが意外と面白いと思っていただける方が多かったのですが、「面白い」だけでは安定した売上を生み出せる持続性のあるサービスとして成立しないことを懸念していました。

学習者がちゃんと英語が身に付くサービスにしようと、そこからたくさんの大学教授や教育関連の方々のコンサルティングや学会などで学ばせて頂き、実際のサービスを使ってもらってご意見を頂いたりということをとにかく繰り返していました。

そして、いかに教育現場でEnglishCentralを活用し、どのように英語が伸ばして行けるかを第二言語習得の観点からとことん調べたのです。

 

天野:ウェブのサービスなのにリアルな教育現場に張り付いて情報を得たその行動力は凄いですね。

 

松村: 教育現場を見ることで私自身たくさんの学びを得ました。例えば私が働いていた音声認識ソフトは、自動車のナビなどにも搭載されていたのですが、自動車業界などは自社独自の技術を隠して、他社と競争するような業界でした。しかし、先生達はEnglishCentralを使ってみて「これ良いね!〇〇先生も紹介するよ!」と、口コミでドンドン広めてくれたり、最初のうちは「何で自分の利益にもならないのにこんなに良くしてくれるんだ?!」と驚くばかりでした。良いものは良い、とちゃんと評価してくれる先生方の姿勢に感銘を受け、EnglishCentralもそれにしっかりと応えることが出来るサービスにしようと決めました。

 

グローバルに活躍するには英語がペラペラである必要はあるのか?

 

天野:教育現場でもアウトプットがより重視されてきているので、EnglishCentralの音声認識を使った発話レッスンや、マンツーマン英会話の仕組みは注目されている特徴の一つですよね。

 

松村: 確かにEnglishCentralは音読のプラットフォームとしての印象が強いと思いますが、本当の価値は「豊富な文脈を活用した単語学習プラットフォーム」にあると私は認識しています。

動画には日本語と英語の字幕が付いていて、字幕の英単語をクリックしてその場で意味を調べることもできるので、ただ動画を見るということではなく、見て学ぶことができるのです。

そして、冒頭でお話した通り「見る・学ぶ・話す・そしてオンライン英会話」という学習サイクルで学んだことを実際にアウトプットするところまで持って行きます。

 

天野:なぜ「音読」ではなく「単語学習」を重要視しているのでしょうか?

 

松村:英語学習者の方に聞くと、よく「単語を知らないから英語が話せない」という方が多くいます。

でも実際に語彙が足りないから英語が話せないのでしょうか?

私は高校卒業後にシンガポールの専門学校に2年通い、その後イギリスの大学に編入しました。

シンガポールでの原体験がすごく大きいと思うのですが、シンガポールは英語が公用語です。小さい商店のオジさんやオバさんも英語でビジネスをやっていますが、決して語彙力豊かというわけではありません。

例えば、「これできる?」「はい。できますよ」という会話が「Can?」「Can」という1単語だけで通じちゃってたりするんです 笑

この限られた実体験サンプルで第二言語習得を語るつもりはありませんが、限られた語彙力でもコミュニケーションを図ろうとする姿勢と自信は、「あ、これで伝わるんだ」「その言い方でいいんだ」という気づきを重ねながら受容語彙を発表語彙に発展させることで育ってゆくのではないかな、という仮説を持っています。

最初は1単語でもそこにもう1単語と少しずつ単語を組み合わせていくだけで各段にコミュニケーションのレベルがあがります。

 

EnglishCentralでは、学習者が必要な単語を学び、限られた語彙数から少しずつコミュニケーションがとれるようになって頂くためのプラットフォームなのです。

 

教育現場では生徒が”頭を使う”活動を増やすべき

 

天野:EnglishCentralは小中高の教育現場でも活用され始めているそうですね。

 

松村:宿題としてEnglishCentralを活用したり、クラス内で活用したり、自己学習で動画を見てから授業ではその動画の内容を自分の言葉でまとめる活動をしたり、学校によって使い方は様々です。

 

天野:英語教育は近年変化が激しいですが、今後教育現場はどう変わっていくと思われますか?

 

松村:まだまだ教育現場では、生徒自身が頭を使う活動が少ないと感じています。

EnglishCentralのようにオンラインサービスはドンドン充実していますが、どうしても、言われたことをやるという仕組みになっているので、生徒が自発的に学ぶ場面をもっと増やすべきです。

オンラインで学習できるサービスはたくさんあるので、例えば年齢で一律クラス分けをするのではなく、その子の習熟度に合わせて個々人のスピードに合った学びを提供するなど、ICTと先生方との役割分担でできることはたくさんあります。

生徒が英語を学びたいと思った時に当たり前のようにそこにEnglishCentralがあるというように、多くの方に愛されるサービスになれるように頑張ります。

 

取材:2019年7月11日

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