公開:2020-03-30 更新:2020/04/07
インドのお祭りホーリー祭の様子
世界中がコロナウイルスの猛威にさらされ、いつもの春と同じようには過ごせていない2020年ですが、本来であれば、世界中でこんなにも楽しいお祭りが開催されているのです。今年に限って言えば、実際には中止や延期になってしまったものばかりですが、ぜひ事態が終息したら行ってみたいと思ってもらえるよう、3月のお祭りをご紹介します。
メキシコでは春分の日にはマヤ文明で築かれたピラミッドを訪れます。南アメリカにはマヤ文明の時代に建てられたピラミッドが多く残っていますが、メキシコにあるチチェン・イツァ(Chichen Itza)のピラミッドでは毎年春分と秋分の日にある神秘的なことが起こります。それを見るために世界中から人が集まるのです。
それは「ククルカンの降臨」と呼ばれ、マヤ文明と太陽のコラボレーションによって見ることができる現象です。ククルカンとは、羽毛をまとった蛇神のことです。それが年に2度晴れた日限定で、天から地へと降臨します。上の写真の階段の下に、蛇の頭があるのが分かると思います。この蛇の頭と太陽の光が作り出すものが、天からククルカンが地上に降りてきたように見えるのです。秋分よりも春分の方がお天気が良い日が多いようで、ククルカンがみられるのも春分の方が多いようです。晴れていても雲に太陽が遮られると見えなくなってしまうので、約45分の特別なショーを見るために世界中から多くの人がその日を目指して訪れます。
新年を迎えるとき、多くの国ではお祭り騒ぎでみんなでお祝いをします。しかしヒンドゥー教のお正月は違います。このお正月をインドネシアのバリ島では、カカ(Caka)と呼び6日間お祝いをします。そしてその3日目はニュピ(Nyepi)と呼ばれ、1日中静かに過ごさなくてはならない日になっています。3月の第3週に行われるカカの期間中、島民はその年が良い1年になるよう、たくさんのパレードをして祈願します。
ニュピは沈黙を意味する言葉で、この日は一人ひとりが自分の1年間を振り返り、反省するために1日家から出てはいけない決まりになっています。この決まりはとても厳しく、島民であるヒンドゥー教徒だけではなく、観光客などを含むバリ島にいる全ての人がこのルールを守らなくてはいけません。家から出ず、また家の中にいても外に音が漏れないよう静かに過ごさなければいけません。さらに、電気も消して過ごさなければいけないため、どうしても電気をつけなければいけない場合には、外に光が漏れないようにします。
バリ島中を警察官が巡回しているため、観光客もこのルールを守らなければいけません。そのため島中のホテルでは、観光客や外国人にこのことを知らせています。この日のバリ島は、まるで誰も住んでいない島のように感じます。
ニュピが終わると、またパレードやパーティーで残りのお正月を祝うため、島中が賑やかになります。
※2020 ニュピは、日本時間の3月25日水曜日6:00〜3月26日木曜日6:00までです。
スペイン、バレンシア州の春分には大迫力のお祭りが行われます。ラス・ファジャス(Las Fallas)と呼ばれる火祭りで、毎年3月の中旬に行われます。2016年にはユネスコの無形文化遺産になりました。
ラス・ファジャスはスペインを代表する国際的に知られたお祭りの一つで、「ファジャ」という段ボールでできた巨大な張子人形のコンテストが行われ、ざまざまな部門に分かれた人形が街中に飾られます。人形のコンテストのお祭りがなぜ「火祭り」と呼ばれるのでしょう。それは、コンテストで優秀賞に選ばれた人形以外は全て燃やされてしまうからです。
毎年数百を超える人形が作られ、たった一つが残るのです。1位になったものは美術館に展示されます。お祭り期間中には花火大会や大きなパーティーも開かれ、毎日花火があがります
※2020年度のFallasは中止されました。
インドで3月に行われるホーリー祭は国内外からとても人気のあるお祭りです。ヒンズー暦の第11月の満月の日に行われます。インドやネパールなどのヒンドゥー教の国で行われていた祭りで、その起源には諸説ありますが、もともとは春の訪れを祝い、五穀豊穣を願うものでした。それに、家に来る悪霊を追い払う魔よけとして互いに粉や水をかけあう儀式の要素が加わって始まったとされています。
インドに残るカースト制度をはじめとした階級差別が全て取り払われ、この日は職業やお金持ちや貧しい人など関係なく「Happy Holi!」と言って楽しむ、国民全てが平等に楽しめる日だと言われています。
カラーパウダーや色水などをかけ合うことで有名なこのお祭り。当日投げ合うカラフルな粉がお祭り前には売られますが、そのほとんどが科学的に作られたものです。昔はオーガニックな素材でしたが、カラーバリエーションが増えるにつれ、ほぼ科学的に作られた色の粉になってしまったようです。
粉の色には意味があり、
赤ー愛
青ークリシュナの色(ヒンドゥー教のイケメンとされる神様。青色の肌で描かれることが多い。)
黄色ーターメリック
緑ー新しい芽吹きと春の訪れ(幸福を意味する)
この様にそれぞれに意味を持つ粉を、投げる相手によって色を変えたりするようです。しかしお祭りが始まると参加者のテンションは高く、すれ違う人すれ違う人に向け「Happy Holi!」と叫んで粉を投げるので、あまり色の意味を考えて投げることはないかもしれませんね。ホーリー祭はインド各地で開催され、みんながカラフルになります。
また、「愛の祭」とも呼ばれており、恋人と過ごすイベントでもあるようです。
※2020年度のHoliは中止されました。
ドイツには世界的に有名なビールのお祭り、「オクトーバーフェスト」が9月から10月にかけてあります。行きたいけれどいつもその時期は忙しくて無理!という方、実は3月にもビールのお祭りがあるんです。ドイツ語でStarkbierzeit(シュタルクビアフェスト)といい、英語ではstrong beer festivalと言い、直訳すると「強いビールのお祭り」です。お祭りの内容は、名前の通り。アルコール度数が高いビールを飲む!という、シンプルなものです。ビールを水のように飲むドイツ人にとっては、アルコール度数の高いビールを飲んで酔うのが楽しいのかもしれませんね。アルコール度数は、日本で一般的に飲まれているものが5%ですが、このお祭りでは7.5%以上のビールが飲まれています。
1751年から毎年3月に開催されているこのお祭りは、もともとは修道士が、お肉を食べたりお酒を飲んだりすることを禁止する「四旬節(復活祭の46日前)」の前に、力を蓄えておこうということではじまったものなのだそうです。開催日はキリスト教の受難節の日程に合わせて毎年変わります。
オクトバーフェストと比べるとその規模も参加者の数も小さくなりますが、強いビールが好きな方の人にはおススメです。特に女性には規模が小さい分、治安の面でも安心感があるのでおススメです。しかし、オクトーバーフェストの様に、さまざまな種類のビールが1箇所で飲めるということではなく、各ビールの醸造場で開催されていたりするので、飲みたい銘柄のビールがどこで飲めるか、事前に調べておく必要があります。また、外国の観光客も少ないので、注文時に使うドイツ語くらいは学んでから言った方がよいでしょう。
※2020年度のストロングビールフェスティバルは延期されました。
この記事を書いた人
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