公開:2020-06-01 更新:2020/06/01
日本では梅雨の季節にあたる6月。北海道のYOSAKOIソーラン祭りをはじめとしたさまざまなお祭りが開催されます。今年に限っては新型コロナウイルスの影響で中止や延期となるものが多いですが、世界でもその国の歴史に根付いたお祭りや、その土地の特産品を使ったイベントなどが多くあります。いくつかご紹介したいと思います。
※2020年に開催されるイベントは延期もしくは中止されることが多いです。事前に確認してください。YOSAKOIソーラン祭りも中止が発表されています。
今年の「夏至」は北半球では6月21日(日)です。1年で最も日中の時間が長くなる「夏至」は、毎年日本でも多少ニュースなどで報道はされますが、日常生活においてそこまで国民が意識しているかと言うと、そうではありませんよね。しかし、北欧の国々では違うようです。スウェーデンでは、太陽が一日も昇らない極夜が12月~1月にかけてあり、そこから徐々に日照時間が長くなります。そして北部では6月、7月には白夜となり、首都のストックホルムでも夜の22時頃に夕日が沈み、朝4時頃に陽が昇ります。季節によって日照時間や気候が大きく変わるスウェーデンでは、夏至は国民が待ちに待った日なので、国民はみんなでお祝いします。
昔は毎年6月23日という決まった日に祝っていましたが、1953年に変更され、それ以来6月19日から26日の間で夏至に近い金曜日がミッドサマーイブとなりお祝いをするようになりました。夏至に最も近い土曜日と、その前日の2日間は祝日になっています。国内さまざまな場所で行われる夏至祭ですが、中でも湖や川に囲まれたダーラナ地方のが特に有名です。
お祭当日は、広場にみんなが集まり弦楽器やアコーディオンの演奏で始まります。お祭りの象徴である「メイポール」と呼ばれる、季節の草花で飾った白樺のポールを男たちの掛け声と、演奏に合わせてゆっくりと時間をかけて立てていきます。メイポールが完成すると、それを中心に大人も子どもも手をつないで輪になり、ダンスを踊ります。メイポールには、農作物などの収穫を祝い、また子孫繁栄を願うという思いが込められています。
お祭りのとき、少女たちは頭に花かんむりをのせています。季節の草花で手作りされたそれらは、お祭の前日に7-9種類ほどを摘んだもの。その花かんむりを枕の下に置いて寝ると、夢の中に結婚する男性が現れるという言い伝えもあり、少女たちにとっては楽しいイベントのひとつです。
そして、この夏至祭は毎年お天気があまり良くないことでも知られており、小降りの雨で肌寒いことを「ミッドサマーの天気」とも言います。お祭は、雨でも決行されます。万全の雨対策をして、人々はお祭りを楽しむのです。
6月29日に行われるワイン祭は、午前9時からの約1時間がもっとも盛り上がります。それは「ワインバトル(Batalla del Vino)」と呼ばれる、ワインの掛け合いが行われるからです。参加資格は白い服装で赤いスカーフを首に巻くこと。そして用意されるのはなんと13万リットルもの本物の赤ワインで、参加者たちはそれをひたすら掛け合います。水鉄砲を準備して参加する人たちもいて、開催されるたった1時間で参加者はワイン色に染まっていきます。
開催場所は、スペインワインの老舗エリアで世界的にも有名なラ・リオハ州。そこにある小さな町アロ。ワインバトル日の1週間前から「聖人ペドロを祝うお祭り週間」でもあるので、6月の中旬から子どもたち限定で行われるワインかけ祭りや、闘牛、コンサートなどさまざまなイベントがあります。
お祭りの起源は、アーロ村ととなり村の土地を巡る争いでした。その争いに対して裁判官が「村の境界線を決めるとともにアーロ村に対して守護聖人ペドロの日に村の旗を境界線に掲げること」と判決を出しました。それ以降アーロ村の住民は毎年6月29日に、教会へミサに行くとともに旗を掲げるようになったそうです。そして1710年頃から毎年恒例のミサ終了後になぜかワインをかけあうようになり、それが現在のお祭りに定着しました。なぜワインを掛け合うようになったのか、知りたいですね。
6月は「プライド月間」と呼ばれているのをご存知ですか?「同性愛者をはじめとした性的マイノリティー人たちの人権月間」となっているのです。アメリカでは、クリントン大統領が2000年に「6月を同性愛者のプライド月間」とし、9年後の2009年に、オバマ大統領がそれをさらに押し進め同月を「LGBTプライド月間」と宣言しました。今では他の多くの国にも広がっています。
近年、性的マイノリティーの人たちの同性婚やさまざまな権利が世界の国々で認められ始めていますが、6月はプライド月間ということもあり、特に性的マイノリティーの人たちに関する権利が発信されます。中でも6月最後の週末にアメリカ・ニューヨークで行われる「プライド・パレード(New York Pride March)」は、ニューヨークの夏の風物詩となっていて、毎年300万〜400万人もの観光客がニューヨークにやってきます。そのため宿泊先のホテルは高くなり、地下鉄も大混雑します。
例年正午にパレードが始まり、日没の20時頃に終わります。約3.2キロを歩くのですが、参加者も見物客も、年齢や性別、国籍を問わず、みんなが楽しそうにしているのがこのパレードのいいところ。目が合うと、誰もが「Happy Pride!」と声をかけあった理、ハイファイブをしたりします。企業もオープンバスなどに乗り込みチームで参加したります。以前は性的マイノリティーの人が多く働くファッション業界が多く参加していましたが、最近では金融業界や航空業界からも参加企業が増えています。
Photo by Luigi De Spiccins
イタリアでは各地で行われる花祭りですが、中でも1778年から続く「ジェンツァーノの花祭り」は有名です。ローマ近郊にある町・ジェンツァーノで年に一度開催される花祭り(インフィオラータ)で、キリスト聖体祭に行われる宗教行事で、教会への道に色とりどりの花びらで描かれた“絨毯”が敷き詰められます。この花の絨毯は、事前に行われたデザインコンペで勝ち残った団体によって2日かけて製作されます。完成前に町へ訪れると花絵の制作途中を観賞でき、また翌日には壮大な花絵をじっくり見てまわることができます。毎年一番の人気時期は花を飾っている最中だそうで、その製作過程もぜひ見てみたいものですね。そして完成すると、その中央をキリスト聖体の行列が通っていきます。かつては聖体の通る教会への道に、住民達が花や果物、野菜などを並べて装飾していましたが、それが次第に道を花で飾るようになり、1950年代後半以降からは現在のようなイベントへと変わっていきました。
200メートルにも及ぶその作品ですが、なかでも緩やかな傾斜が続くイタロ・ベラルディ通りが素晴らしく、毎年イタリア国外から集まる数十万人もの観光客の目を楽しませてくれます。フィナーレで子どもたちによって花々はまき蹴り散らされるので、どの瞬間も見逃せません。たった3日間で壊されてしまう花の絨毯を一度は見てみたいものです。
Photo by McKay Savage
リオデジャネイロのカーニバル、ボリビアのオルーロ・カーニバルと並んで南米三大祭と言われているのが、このペルーの「太陽のお祭:インティ・ライミ(Inti Raymi)」です。6月24日の冬至(ペルーは南半球にあるため)の日に、世界遺産の街として有名なクスコで行われるインカ帝国の祭り。「インティ」はケチュア語で「太陽」、「ライミ」は「お祭り」の意味で、農作物の豊作を太陽にお願いするものです。
世界中から観光客が訪れる人気のお祭りで、見どころは色とりどりのインカの民族衣装をまとう人々の踊り、そして音楽と街にはためくインカの旗です。
スペインの征服によってインカ帝国が崩壊した後には、太陽神を祀る行事は禁止されましたが、一部の人たちによって秘密裏に続けられてきました。そのおかげで、1944年に復活したこのお祭りは、年々その規模を拡大し、今ではこの祭りを見るために世界中から観光客がやってくるようになりました。高地で開催されるお祭りなので、高山病の心配があります。参加する場合には余裕を持ったスケジュールで行くようにしてください。
この記事を書いた人
「あの国で留学」の編集チームは全員が留学経験者。留学会社に勤務し実際に留学を希望する人のカウンセリングを行ったメンバーもいます。留学へ行きたいと希望する人の気持ちもわかり、実際に行った経験からどんな情報があったらいいかも熟知しています。留学を希望するすべての方に役立つ情報を発信していきます! |
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