僕が「ニュージーランドで仕事を見つけたから日本を離れる」と会社の同僚や友人たちに話したとき、「羊飼いになるの?」と何度言われたかわかりません。そのくらい「ニュージーランドといえば羊」というイメージがあります。
でも、実はニュージーランドは「世界で一番羊がたくさんいる国」ではありません。
なのに、どうしてこんなに「ニュージーランド=羊」というイメージが付いてしまったのでしょうか。
今回はそんなニュージーランドの羊にまつわる話です。
普段見かける羊はほとんどがメス
ニュージーランドの郊外を車で走っていると本当によく羊を見かけます。
特に春10月から11月にかけては子羊も見ることができるので、思わず車を停めて写真撮影をしている観光客がたくさんいます。
この普段、自分たちが見かける羊のほとんどがメスだって知ってましたか?オスの羊はほとんど見かけることがないんです。
それはなぜか。実は市場に出回っているラム肉のほとんどがオスの肉なんです。生まれてきた子羊はオスは繁殖用以外は子羊の段階で食肉にされ、メスは何年かに渡って子どもを産み、その間は毛が刈られて羊毛として販売、そして4-6年経つと皮はシープスキンに、その他の部分はドッグフードや飼料などにされてしまいます。
なぜ「羊の国」と言われるのか
最初に紹介したとおり、ニュージーランドは世界で一番羊が多い国ではありません。2012年の調査では、ニュージーランドには羊が3,000万頭いたそうです。それでも十分多いように思えるんですけど、一番羊が多い国は中国で1億9,000万頭もいました。ニュージーランドの6倍以上です。
では、どうしてニュージーランド=羊の国というイメージがついたのかというと、実はニュージーランドは「人口一人あたりの羊の数」が世界で断トツの1位なんです。
1位の中国は人口が多いので人口一人あたりの羊の保有数は0.14です。
ところがニュージーランドは人口450万人で羊が3,000万頭、つまり人口一人あたり6.7頭も羊がいる計算になります。
しかも、「ニュージーランド=羊の国」というイメージができたのはもっと前です。例えば1940年代、ニュージーランドには320万人の人たちが住んでいましたが、当時の羊の数は7,000万頭いました。つまり人口一人あたりの羊の数は21.9頭もいたんです。
今でも人口一人あたりの羊の数が多いのに21.9頭もいたら、「羊の国」というイメージが付くのも納得ですね。
ニュージーランドで羊を見るには
時々「ニュージーランドに行ったけど羊をまったく見なかった。本当に羊はたくさんいるのか?」といった声を聞きます。そういう方の話を聞くと滞在したのはオークランドやクイーンズタウン、クライストチャーチなどの街ばかりという方たちでした。
ニュージーランドで羊を見たい場合は、そういった街ではなく郊外に出ましょう。
車で郊外を走っていると羊をよく見かけます。ただ羊は広大な牧草地を移動しながら草を食べているので、「ここに行くとかならずいる」という場所はあまりありません。
なので、車であちこち走りながら探すしかないようです。
次回の予告
■次回は僕が住む街が
どうして「コーヒーの首都」と呼ばれるのか?を紹介したいと思います。コーヒー好きには必見の1話です。
お楽しみに。
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