早いに越したことはない?小中学生から留学する魅力

公開:2019-12-12 更新:2021/05/27

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子供は大人よりも柔軟性があり、新しいことへの順応性と学習能力も高いと一般的に言われており、実際に子供には早いうちからさまざまな体験をさせたいと考える親は多いですよね。
語学に関しては特にそれが言われており、まだ日本語も話さない幼い子供向けの英語教材DVDやCDが販売されているほどです。留学の場合には、親の留学についていく形で海外に行くことはあっても、自分が「留学」するのは早くても小学生、もしくは中学生からです。では、実際にその年齢の子供たちが親元を離れて留学することにはどんなメリットがあるのでしょうか。アルク留学センターの相島晃子さんにお話を伺いました。

低年齢で留学へ行くメリットは何ですか?

入学時に留学先で求められる英語力は学年が高くなるにつれあがります。そのため年齢が低ければ求められる英語力も低くなり、入学しやすいということになります。

注意すべきこと、保護者の心構えを教えてください。

長期に渡って保護者と離れて生活するという経験をするのが初めてのため、渡航後のホームシックは程度の違いこそあれど誰もが経験します。
いきなり長期の留学が不安だという場合にはサマースクールやウィンターキャンプ、または学期留学などを試してみてからの方が良いと思います。またどんなに小さい子であっても、留学そのものがご本人の意思であることも重要です。
また到着直後や長期のお休み後、学校へ戻った直後はホームシックになることが多いので、泣きながら保護者に電話をかけてくることもあります。そんな時、保護者も一緒になってオロオロするのはお子さんのホームシックを助長するだけなので、ここはでんと構え、動じずに話を聞き励まし続けることが重要だと思います。
また特に低年齢の留学の場合、渡航直後しばらくは保護者が学校近くのホテルに宿泊し、何かあったら駆けつけるという体制を取りたがる保護者がいます。これは却ってホームシックが長引き、その後の留学生活に決してプラスにはなりませんので、避けて頂くようこちらでもアドバイスしています。

保護者も一緒に渡航するのですか?

最初の入寮時は保護者が付き添う場合も多いです。しかし、二回目以降は子供単身で渡航していることがほとんどです。費用の面もあるかもしれませんが、年に数回学校の休暇があるため毎回付き添うとなると保護者にとっても負担(費用もそうですが、時間的な意味です)になると思います。例えばスイスの場合、ボーディングスクールの多くがジュネーブにありますが、日本からジュネーブまでは直行便が運航されていません。航空会社の中には「お子さま一人旅サービス(Unaccompanied Minor Service)」と呼ばれる、未成年の子どもが単身で飛行機に乗る際のサポートを航空会社が提供していますので、そのサービスを利用して単身で渡航しています。このサービスを利用すると乗り継ぎ地でサポートが受けられる他、荷物のピックアップや空港に出迎えるスタッフまで子供を引き渡してくれますので、安心です。

日本の中学校や高校に進学するのはスムーズにいきますか?

日本の中学・高校に帰国枠での受験を希望している場合、留学そのものが子ども単身のものではなく、保護者の駐在に付き添って渡航した場合のみ受験可能という学校もありますので、事前に確認が必要です。しかし、ほとんどの場合現地の高校を卒業して日本の大学を受験、もしくは海外の大学へ進学されます。

昨今多い問合せの一つとして、高校一年時の一年留学についてがあります。帰国後、在籍校の理系コースに進級する場合には、留学先でも生物を取らなければならない、など条件が付く場合がありますので、事前に細かい点まで確認しておくことが大切です。

小中学生の留学先としておススメの国はありますか?

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北米でボーディングスクールに入れる最少年齢は小学校高学年ですが実際に受け入れている学校は数校に限り、大半は9年生(中学3年生)からの受入れです。イギリスは7歳ぐらいから受け入れ可能なボーディンスクールはありますが、低年齢で寮に入るイギリス人はあまり多くなく、寮の中は週末は留学生だけになる、という学校が多いと聞きます。
その点スイスの場合5歳から入学できるボーディングスクールもあり、学校によっては日本人のスタッフや教師もいてサポート体制も整っているため保護者としては心強いと思います。日本でインターナショナル・スクールに通っていたなど英語力があるお子さんにはスイス以外の選択肢も現実的だと思いますが、どこの国も小学校高学年からの留学となると相応の英語力が求められるので、英語力が初級の場合にはスイスがおススメですね。

ただし低年齢で留学することがメリットだけかというと決してそうではありません。当然ながら日本語がまだ完璧でない時期に留学することで、留学して数年経つと日本語より英語でのコミュニケーションの方が楽になります。その際、保護者が日本語しかできないとなると親子での意思疎通が図りにくくなる、といったデメリットや、日本人なのに漢字が読めない・書けないということも起こり得ます。大切なのは留学によって何を得たいか、そして留学させることでどのような事が起こるのかを想像し取捨選択することだと思います。

小中留学される生徒さんたち共通点はありますか?

多くの場合がサマースクールなどの短期留学を体験し、さまざまな国の生徒と英語を使ってコミュニケーションを取れたことがきっかけで英語学習や留学に興味を持った生徒さんたちです。現在弊社でサポートしている正規留学の生徒は8割が男子です。

留学後の進路について教えてください。

北米のボーディングスクールに留学した生徒の場合、圧倒的に多い進学先は北米の大学です。イギリスの場合はイギリスの大学進学、スイスの場合は北米、ヨーロッパ、自国の大学と進学先も多岐に渡っています。

実際のところ、小学校から留学しているお子さんの場合、大学で日本に戻る方はほとんどいません。大学で日本に戻ると、逆カルチャーショックを受けるかもしれませんね。中には留学前から高校は海外でもいいけれど、大学は日本でと保護者の方が希望する場合もあるようです。また金銭的にもかなり負担が大きいので、その点からも大学は日本で、というケースもたまにあります。

いかがだったでしょうか。早いうちから海外に留学。幼いうちから英語を学べば発音もネイティブ並みになるし、親元から離れることで自立もできるでしょう。しかし日本語力の低下が起きる可能性があるなどのデメリットもあります。一概に早ければいいというわけでもない低年齢での留学は、成長してから行く場合よりもより慎重に決める必要がありそうですね。

お話をうかがった人

アルク留学センター  相島晃子さん
20年以上に渡り未成年の留学の手続きや渡航後のサポートを担当。
低年齢で留学した生徒たちが年々逞しく、そして心身ともに成長していく姿を
見ることができるのがこの仕事の醍醐味だと思います!

 

この記事を書いた人

「あの国で留学」の編集チームは全員が留学経験者。留学会社に勤務し実際に留学を希望する人のカウンセリングを行ったメンバーもいます。留学へ行きたいと希望する人の気持ちもわかり、実際に行った経験からどんな情報があったらいいかも熟知しています。留学を希望するすべての方に役立つ情報を発信していきます!

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