カナダで働きたい！移住したい人のための基礎知識

自然が豊かで治安もよく、人々はフレンドリー。広大な国土に人口は日本の４分の１。日本よりもゆったりとした生活が送れるカナダ。そんなカナダで働きたい、永住したい！と思う人は少なくありません。どうすればカナダで働けるのか、永住権を得る方法は？をまとめてみました。

1. 就労ビザを獲得する

外国人がカナダで働くためには、原則としてカナダの就労ビザ（ワークパーミット）を取得する必要があります。ステップとしては、まず、雇用主からジョブオファーを取得します。雇用主は、ESDC （カナダ労働省）に対してLMIA （ Labour Market Impact Assessment ）の申請を行います。ESDCがLMIAの内容（会社の規模・雇用状況、申請者の労働条件等）について審査を行い、合格すれば、必要書類と申請料155カナダドルを揃えてカナダ移民局に就労ビザの申請をします。つまり、最初に就職先が決まっていることが大前提です。英語力や特別なスキルがない場合は、かなりハードルが高い方法といえます。

2. カレッジや大学を卒業する

カナダでは公立カレッジ（2年制大学）や4年制大学を卒業するとほぼ無条件で3年間の就労ビザの申請が可能となります。この3年間を利用し就職活動や就労経験を積み、そのまま現地就職というルートは非常に一般的です。特にカレッジや大学で専門技術、知識を身につけた人は、英語も堪能になっているため幅広い就職先にアプローチすることができます。また、州によっては卒業後に永住権申請ができるケースがあるので、永住が目的なら最初からそのつもりで留学先を選ぶことが重要です。

カナダに移住するには？

カナダへの移住を実現するには「永住権」と呼ばれる、その国に永住できる権利を申請することになります。永住権は市民権とは異なり、国籍は日本のままカナダに住む権利のことです。市民権は、カナダ永住権保持者が、過去５年間のうち１０９５日以上をカナダに滞在した場合、申請することができます。市民権を得るということはカナダ国民の一員となること。カナダのパスポートを取得でき、選挙権が持て、かつ国家公務員への就職が可能となります。しかし、日本は二重国籍を認めていないので、日本国籍を同時に持つことはできません。

永住権を得る方法

永住権を取得するためには、さまざまなルートがあります。

1. ポイント制による永住権

「Express Entry 」と呼ばれるシステムがあり、そのリストに自身の情報を登録しておくと、登録された情報がポイント化され、一定のポイントを満たした登録者に申請招待状が届くというシステムがあります。ポイントには、年齢、学歴、職歴、英語やフランス語の語学力、カナダ国内での学歴や職歴などの経験が含まれます。つまり、カナダのカレッジや大学を卒業し、高い語学力を持ち、さらに就労経験がある人は、非常に高いポイントとなります。進学からの就労というルートが永住権につながりやすい点が大きな魅力です。

2. 投資による永住権

企業や政府機関で管理職経験がある方で、最低でも約１億５０００万円（２００万カナダドル）以上の資産を有し、その中から州政府に約１億円（１２０万カナダドル）を無金利で投資するか、 35 万カナダドル程度を支払うことにより、投資永住権の申請が可能となります。申請後はおよそ３年程度で永住権を取得できる可能性があります。

3. 家族移民による永住権

カナダ国籍や永住権保持者と婚姻、または養子縁組をした場合、家族として移民する永住権を申請することができます。カナダ人（または永住権保持者）側に経済的な問題などがないなど一定条件を満たせば誰でも申請可能です。 2は大きな資産が必要ですし、3 は、人生における大きな決断を伴います。これに対し1は、２年以上の高等教育を修了することや、高い英語力＆フランス語力があれば、だれでも永住権への道が開かれていることになります。

永住者受入れは拡大傾向に

カナダは、古くから積極的に移民（永住者）を受け容れてきたことで知られています。２０１７年時点では、約 28 万６千人の新移民を受け入れており、その半数以上が職歴・学歴を使って永住権を取る「Econo mic Class」というカテゴリーで永住権申請をした人です。カナダ政府は、高度な教育を受け、高い職業能力を持ち、カナダの経済に貢献してくれる人の永住を歓迎しているといえます。永住権の審査には、かつて３年かかっていましたが、今は 12 カ月以下に短縮されています。また、カナダ政府は今後も移民受け入れを拡大する方針を発表。海外に住み、働きたいという人にとって、さまざまな永住のチャンスがあるカナダは大変魅力的な国なのです。