公開:2019-07-11 更新:2019/07/30
2014年の日本eLearning大賞 経済産業大臣賞の受賞を皮切りに、数々のアワード受賞し、昨年”Global EdTech Startup Award 2017”の世界大会で優勝したノート共有アプリClear。日本発のサービスが世界で認められているのだ。
破竹の勢いで海外展開を進めているClearを開発・運営しているアルクテラス株式会社の新井豪一郎社長に話を伺いました。
天野:2018年にロンドンで開催されたGlobal EdTech Startup Award 2017で見事に優勝し、注目を集めているClearですが、まずはClearとはどのようなサービスなのでしょうか?
新井:個人の学習ノートを共有するサービスです。プロが作った参考書や教科書ではなく、素人が作ったノートを見て学ぶことができるサービスです。一人ひとりに合った学習方法なども異なるので、自分に合ったわかりやすいノートを見つけて学ぶことができたり、同じ悩みを持った人と一緒に学ぶことで、自発的に学べる環境を提供しています。
天野:ノート共有アプリを開発しようとしたキッカケは?
新井:私自身子供の頃勉強が苦手だったこともあり、学校の勉強についていけずに落ちこぼれになってしまう子がいるのをなんとか解決できないかと考えていました。
2010年にアルクテラスを創業し、当初は塾向けのITサービスを提供しながら、自社でも個別指導の学習塾の運営をしていました。塾を運営していて気付いたのは、自宅で宿題をできない子が多いということ。できないというのは、途中でつまずいてしまって、だれにも聞けずにそこで止まってしまうことです。
自宅学習でつまずく子を何とかしてあげたいと考えていたあるとき、たまたま乗っていた電車の中で、自分のノートを友達に自慢している女の子を見たのです。その時「綺麗なノートは友達に自慢したいんだ!」と気付いたのです。
天野:そういわれると、昔からノートをとるのが上手な子って必ずクラスにいて、その子のノートを見せてもらうというのはありましたよね。
新井:Clearをリリースしたのは2014年なのですが、当時すでにYoutubeやクックパッドなど、素人が自分の動画やレシピなどを投稿・共有するサービスが流行っていましたが、勉強でも同じ現象が当てはまると気付いたのです。
学生同士で教え合うだけでなく、励まし合ったり、目標を宣言したりすることで楽しく学べる環境を作ることができるのです。
※ユーザ同士でノートを共有し、学び合いができる
天野:Clearにノートを投稿していたユーザの中から、書籍出版に至ったカリスマも生まれたと聞きました。
新井:みいこさんという人気ユーザのノートが以前たまたま出版社の方の目にとまり、書籍化されることになりました。同世代の学習者目線で分かりやすく解説したノートが評価されたというのは凄いことだと思います。
また、塾などに行かずにClearだけを使って大学受験を乗り切るユーザも多く出てきています。その中には台湾人でClearのノートで勉強して東大に合格した子もいます。
天野:言語の壁も乗り越えて東大に合格するというのは凄いことですね!成功する子たちに共通する特徴や傾向などはありますか?
新井:Clearの中にはQ&Aコーナーがあるのですが、そこで質問にどんどん答えてくれるユーザー達はトップスクールに合格する子が多いです。質問者にわかりやすく解説することで、自分自身の勉強にもなり、理解も深まるので、参考書の問題を解くよりも質問にたくさん答えるほうが効率の良い学習方法なのかもしれません。
※教科毎のノートやQ&Aなど、学習者のニーズに合った学び方を選べる
天野:綺麗にノートをとるというのは、板書を書き写す古い日本型の学びのスタイルのように思っていたのですが、他国でもClearが受け入れられているという背景には、各国の学び方のスタイルや、時代背景など何があるのでしょうか?
新井:たしかに、比較的日本に文化の近いアジア圏の方がClearのサービスが受け入れられやすいと思いますが、Clearが目指しているのはただキレイなノートを見せるサービスではなく、学習者同士が教え・学び合う”場づくり”です。
これからの時代は国に関係なく、学びの個別化(Personalization)が進み、個々にあった学び方、スピード、内容で学んでいくことになります。その際に気を付けなければいけないのが、AIに提案されるままにしていると、自分の頭で考えない主体性の無い人間になってしまう恐れがあるということです。
Clearは自分が学びたいこと、学びたい方法などを主体的に選びます。
様々な選択をAIに任せるのではなく、自分のことは自分で選ぶ。という当たり前のことができる主体性を育む学びを提供しないといけないと思っています。
天野:なるほど。たしかに最近では知識を常こまなくてもネットで調べたほうが速く正確な情報が手に入るので、学び方そのものを変えていかなければいけないという議論がありますよね。英語学習に関しても、自動翻訳機が発展したら言語を学ぶ必要が無い。というような考えも最近よく耳にします。
新井:私は親の仕事の関係で幼稚園から中学校までをロンドンとシドニーで過ごし、その後米国の大学院で学びました。英語が話せるおかげで、アルクテラスは創業初期の段階から海外展開を進めてきました。これはものすごいアドバンテージだと感じています。
英語圏だけでなく、アジア圏でもビジネスの場では英語で会話をします。打合せ参加者の全員が非ネイティブなので、完璧な英語をしゃべれるわけではないですが、英語でキチンとビジネスができています。
自動翻訳機も良いですが、英語はあくまでツールであって、本質は人と人とのコミュニケーションです。片言の英語であっても、自分の言葉で意思疎通ができることが重要だと思います。日本人は優秀な人が多いですから、怖がらずにどんどんコミュニケーションをとれば、世界とつながっていけますよ!
私自身、小さい会社ながらグローバルにビジネスを広げています。そんな私を見て「自分にもできるかも」と思ってもらえれば嬉しいです。
取材:2019年7月3日
Clearは毎月190万人以上のユーザーが利用する学習ノート共有アプリ。Global EdTech Startup Awards 2017世界大会(英国ロンドン)優勝、日本eLearning大賞 2014年 経済産業大臣賞受賞。学び合いを通して、Clearを使う全ての人の「自らを導く」姿勢を引き出すことを目指しています。
価格:無料
提供地域/対応言語: 日本/日本語、タイ/タイ語、台湾/繁体中国語、香港/繁体中国語
ご利用可能なプラットフォーム: iPhone、iPad、Androidアプリ、Webブラウザ
<ダウンロードURL>
iOS、Android共通 :