世界のお祭り【5月】

公開:2020-05-13 更新:2020/05/13

5月のお祭り トップ画像

2020年5月、世界的にまだまだ新型コロナウィルスの影響でそれまでの生活ができない国がほとんどです。そのため例年多くの人が楽しみにしているお祭りも軒並み中止となっています。早く元の生活を取り戻し、心からお祭りを楽しみたいものですね。本来であれば5月に行われている世界のお祭りをご紹介します。

※2020年に開催されるイベントは延期もしくは中止されることが多いです。事前に確認してください。

たくさんの花で飾られた華やかなパティオ祭り:スペイン

毎年5月にあるパティオ祭り(La Fiesta de los Patios)は、スペインのアンダルシア、世界遺産となっているコルドバ旧市街で開催されます。パティオはスペイン語で中庭を意味し、さまざまな形のものがありますが、基本的にはコの字型やロの字型になった建物に囲まれた中庭となっており、屋根はありません。

スペインの中でもアンダルシア地方には、今もパティオ文化が色濃く残っており、家々の中庭は陶器タイルや植木、噴水などで美しく飾られています。中でもサン・アグスティン、サン・ロレンソ、サン・バシリオ地区、ユダヤ人街などには、特にコルドバ独特の素晴らしいパティオが集中しています。

1918年に始まったこのお祭りでは、開催期間中の2週間でパティオコンクールが行われます。家の窓やベランダ、外壁、パティオは色とりどりのゼラニウムやカーネーション、ジャスミンなどで鮮やかに彩られ、美しい花と緑が白壁によく映えます。コンクールに参加した家々のパティオは一般公開されるので、地元の住民や観光客も自由に見学できます。しかし、多くの家が午後2時から6時までは閉まるので、それ以外の時間で楽しみましょう。コンクールでは、最も美しいパティオを持つ6軒に賞が贈られます。

また、お祭りの期間中には、スペインらしく広場や街角でアマチュアのフラメンコグループが夕方から夜にかけて、歌や踊りを披露します。昼間だけでなく夜も多くの人々の目を楽しませてくれる魅力的なパティオ祭りです。

民族衣装の女性たちが美しいアルルの牧童祭:フランス

アルルの牧童祭

フランスでは、5月1日は「労働者の日」で祝日。そして1年の幸運を祈り大切な人にすずらんの花を送る日です。そんな日に毎年南部のプロバンス地方のアルルで開催されるのが、アルルの牧童祭(Fete des Gardians)です。牧童とは、牧場で家畜の番をする子ども、または牧場で家畜の世話をする人のことで、お祭り当日には民族衣装を着たアルルの女性たちが、牧童の馬に乗り、パレードを行います。馬は全て地元産のカマルグ馬で、牧童の後ろに横座りで乗る女性たちの姿が魅力的です。

3年毎に「アルルの女王」が選ばれます。その条件は、
・18~24才であること
・アルル、またはアルル地方の出身であること
・アルル、またはアルル地方に住んでいること
・独身であり、また女王に選ばれた際には就任中も独身でいることを約束できること
・アルルの伝統的なヘアスタイルや民族衣装の着付けを習得していること
・アルルの歴史や文学、プロヴァンス語、アルル地方のしきたりや民族衣装について深い知識があること
・就任期間は3年。更新は不可であること

独身でいることを約束させられる点は、興味深いですね。伝統を感じます。

500年以上もの長い歴史を持つ牧童祭は、1日を通してさまざまなイベントが行われ、闘牛は人気のイベントの一つです。すずらんの日にちなんで、パレードで街を練り歩く牧童たちの胸ポケットや女性たちの手にはすずらんが握られています。

海外の火渡り祭りアナステナリア祭:ギリシャ

日本でも毎年3月に、東京の八王子市にある高尾山薬王院で火渡りが行われますが、遠く離れたギリシャでも同じようなお祭りが行われています。

南ブルガリアと北ギリシャで行われる火渡り祭り、アナステナリア祭の起源は中世ギリシャ。トラキアの教会が火事になった事に由来します。火事から聖人の肖像を守るために、村民は無我夢中で火の中を走り、イコン(キリスト、聖人、天使、聖書における重要な出来事やたとえ話、教会史上の出来事を画いた画像)は無傷で火から逃れることができたということです。その後このお祭りは他のキリスト教の村へと広がり、後のバルカン戦争時に難民たちによってブルガリアにも伝わりました。

「アナステナリア(Anastenaria)」という名前は、お祭り期間中、常に手に抱えられているイコンを意味する「アナステナリ」からきています。年に2回、聖コンスタンティン(5月21日)と、聖アタナシウス(1月18日)の日に一部の熱心なキリスト教徒たちによって行われます。それぞれ3日間行われ、お祭りの始まりは太鼓と讃美歌の詠唱を伴奏にしたダンスから始まります。火渡りの他にもパレードやダンスなどをして盛り上がります。

ギリシャでは、主にアギアエレナ(Agia Elena)とランガダ(Langadas)という2つの町で行われます。最初の2日間は観光客もお祭りを見物できますが、最終日は住民たちしか参加できません。火渡りをする人は、たき火の残り火に足を踏み出す前に聖水をかけ、聖人たちの加護を願います。

ブロンドヘアーを楽しむブロンド祭り:ラトビア

ブロンド祭り

画像:Flickrより

日本では絶対に始まることのないお祭り、それがラトビアのブロンド祭りです。バルト三国の一つであるラトビア共和国の首都リガが開催地。ラトビアはブロンドヘアー率世界一ともいわれるブロンド大国です。

不況が続いていた時期に、何か活気のあるお祭りをして人々を元気にできないかと始まった当時の参加者は、実際にブロンドヘアーの美女をターゲットとしていたそうですが、地毛がブロンドでなくても、ウィッグなどをかぶって参加ができることで、最近では男性の参加者も増えているそうです。また、ブロンドによく似合う色として、ピンクもテーマカラーとなっていることから、ブロンドヘアーでなくても、ピンクの服装であれば参加が可能となっています。

ブロンド祭りとは基本的に、ブロンド美女が大勢で練り歩くだけのイベントです。経済や生活に活気を、と不況時に始まったイベントですが、その経済効果は如何なのでしょうか。答えは、イベントの知名度が上がることで、見てみたい、参加したい、という国内外からの観光客が増えたので、効果はあったと言えるでしょう。さらに、フェスティバル会場のスポンサー収益などが、地域の児童福祉やリハビリ施設の建築費用などで使われているそうです。人々に活気を戻し、社会貢献もできている素晴らしいお祭りですね。

一人でも友人同士やカップルでも、家族やグループでも、参加形態は自由。お揃いの衣装や帽子などで、仕事やチームの宣伝を兼ねている団体もあり、参加者が本当に楽しんでいるパレードです。

開催日は「ブロンドの日」の5月31日ですが、過去には開催地も開催日も変更されたことがあるので、興味のある人は早めに確認をしておきましょう。

アフリカのリズムを全身で体感するアボアチレ:ガーナ

アフリカ大陸にありながら、野生動物も見れませんので観光資源に乏しいガーナですが、5月に開催されるアフリカらしいお祭りをご紹介します。

ガーナには100を超える民族が暮らすと言われており、地域によってその文化が大きく異なります。アボアチレは、ガーナ南部のセントラル州エフトゥ地域の伝統的なお祭り。「アボアチレ(Aboakyer)」とは、「鹿追い祭り」のことで、毎年5月の第一土曜日に開催されます。

アボアチレの当日、早朝から男たちは鹿狩りにでかけます。見物客はその狩りが戻るのを待つのですが、狩りについて行くこともできます。鹿を獲った男たちが戻るまでの間、狩りへ同行しない人々はチーフ(首長)が会場へ入場するパフォーマンスを見て待ちます。これはガーナの伝統的な文化のひとつで、お祭りの際には必ずあります。

鹿狩りは、お祭りのメイン会場から離れた草むらで行われます。全速力で鹿を追う、ガーナの男たちは気迫に満ちていて、その迫力に圧倒されます。男たちが戻ってくると、メイン会場でチーフや観客、地元住民に鹿がお披露目されます。その後、鹿を捕まえた男たちを先頭に、楽器の演奏にあわせ、踊りながら街を練り歩きます。実はこの踊りながらの練り歩きがお祭りで一番楽しいところ。リズム感抜群のガーナ人と一緒に踊ることでアフリカを思い切り感じることができるでしょう。

そしてこのお祭りは、捕まえた鹿を神社にお供えし終了します。行列についていかないと見逃してしまうので、ぜひ練り歩きに参加してほしいと思います。

この記事を書いた人

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