ワイン・インターン生のNZ通信 vol.11

公開:2017-11-30 更新:2018/07/19

日本とは違う!?ニュージーランドの働き方


 

皆さんこんにちは!有泉歩美です。

 

最近は毎日とても暑く、半袖日和が続くニュージーランドです。
日本の夏場のように煮えるような暑さではないものの、紫外線が非常に強いため短時間外に立っているだけでも肌がヒリヒリと痛み、そんな小さなことにも日本との違いを感じては面白いなと思う毎日です。

 
NZの大きなサンタクローズ
街中にそびえ立つ夏のサンタクロース

さて日本との違いといえば、ニュージーランドでインターンを始めてから、日本とニュージーランドの“働き方の違い”を感じることが多々あります。
今回はニュージーランドの働き方と、私が様々な社会人と出会う中で学んだ彼らの考え方についてお話します。

 

私が驚いたニュージーランドの自由な働き方とは?


 

私が最初に衝撃を受けたのは、ホームステイのお父さんでした。
ホストファザーはIT企業に勤めていますが、毎日17時前には必ず帰宅し、夕食の準備をしたり、子どもたちと遊んだりしています。
ふと自分の幼少期を振り返ってみると、共働きの両親は18時-19時頃に帰宅するのが常でしたし、そういった家庭は日本では一般的だと思います。
だからこそ、17時半頃には家族揃って食卓を囲い、今日の出来事を語り合うニュージーランドの家庭の様子に、とても衝撃を受けました。

 

その他にも、驚いたことを挙げはじめるとキリがありません。
朝のカフェでは多くの社会人が朝食会をしていたり、昼下がりに街を歩くとレストランで既にお酒を飲んだいる人をよく見かけたりします。
就業中突然ランニングに出掛ける人も多く(オフィスはシャワー完備)、夕方16時頃には皆が帰路に向かいはじめます。
ある会議で相手の会社に赴いても、「担当は今3週間ホリデーだから、私が代わりに対応しますね」なんていうことも珍しいことではありませんでした。

 

でも、ニュージーランドの人はあまり働かないはウソ!


 

定時に出社・退社し、忙しければ残業もよくある日本の働き方と比較すると、ニュージーランドの働き方はより自由であるのは間違いありません。
しかし、ニュージーランドの人はあまり働いていないのか?と聞かれると、その答えはノーだと思います。

 

実際に、経済協力開発機構(OECD)の発表した2016年の各国の平均年間労働時間(年間実働時間÷年間雇用者の平均人数)を見てみると、日本は1713時間、ニュージーランドは1752時間となっており、相対的に考えるとニュージーランドは日本より年間で39時間長く働いていることが示されています。

 

また、私がニュージーランドで生活してみて自身の経験から感じた以下の2つのことも、ニュージーランドの人々がよく働いているなと感じた根拠としてお伝えしたいと思います。

 

仕事は時間内に効率よく!という姿勢


 

1つ目に、ニュージーランドで働く人々はプライベートな時間を大切にする一方で、限られた時間内でしっかりと成果物を生み出しているということです。

 

私が出向したマヌカハニーを取り扱う現地企業でのミーティングは、いつも段取りよく議論が進行し、短時間でもしっかりと適切な意思決定が行われています。
仕事量は多いものの「時間内にこなして残業をしない」という姿勢が社員から強く感じられ、就業時間中は皆すごい集中力で仕事に取り組んでいます。
私もそういった社風に感化され、自分でもびっくりするくらい生産性の高い日を送ることができ、オン・オフの切り替えをしっかりと持つことの重要性を改めて実感しました。

 

それでももちろん忙しい時には仕事が残ってしまうこともあります。
そのような場合でも定時には必ず切り上げ、家族との時間を過ごした後に自宅で仕事を行うという方が多いようで、家庭を大切にする働き方にはとても感銘を受けました。

 
ホストファミリーと近くの海辺に
平日の仕事終わりにホストファミリーと近くの海辺に行った時の様子

 

専門性(スキル)重視の働き方


2つ目に、ニュージーランドでは専門性を備えている人が多く、それぞれが自分の“時間”ではなく“能力”をベースに働いているということです。

 

ニュージーランドの教育は、個性や専門性を重視した基盤があると教育関係に従事する友人に教えてもらいましたが、まさにその通りだと感じる場面が多々ありました。
例えば、オークランド大学に通う友人と話をしてみても、大体は将来やりたいことが明確で、そのために大学生のうちから個人学習や就業体験に取り組んでいる人が数多くいました。

 

印象的だったのが「そんなに忙しくて大変じゃない?」と私が尋ねると、「忙しいけれど自分が好きなことだから楽しいよ!」と返してくれた友人の言葉です。
自分の強みをしっかりと捉え働く前からスキルを磨いているからこそ、社会に出てもそのスペシャリストとして活躍できている人が多いのではないかと思いました。

 
毎週参加していたオークランド大学のサークルでの様子
毎週参加していたオークランド大学のサークル

 

今回のまとめ


 

今まさに日本でも「働き方改革」と話題になっていますが、私自身海外で働く経験を通してやっと自国の課題についてもしっかりと理解できるようになり、それについての自発的な意見を持てるようになりました。

 

留学は自分の世界を広げ、考え方に新たな視点を与えてくれるのと同時に、自分がこれまで過ごしてきた環境を見つめ返し、そこに疑問や意見を持てるようになる、大きな経験になると思います。

 

次回は、いよいよ最終回です。この半年のインターンで学んだことについてです。

 

この記事を書いた人

大学3年の時に留学を決意。
語学だけでなく海外のビジネス現場で挑戦したい考え、自ら企業へコンタクトを取るなどして、All New Zealand Wines Limitedでインターンシップ生として働くことに。企画や広報の実務経験を積んだ末、帰国後は広告会社へ就職。「海外インターンシップ」という留学のカタチを、是非皆さんにもオススメしたいです!

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