独創的な留学プランで勝負!日本中の学生にチャンスがある文科省の奨学金

公開:2014-09-24 更新:2018/07/11

「奨学金」というと「むずかしそう」「大学院に行かなきゃいけない」「成績優秀じゃないともらえない」そんなイメージがつきまといがち。でも、いま文科省が進めている海外留学促進プロジェクト『トビタテ!留学JAPAN」で実施中の奨学金プログラムなら、クリエイティブで実践的な留学も選考の対象になるそうです。

 

9月5日と9日の2日間にわたって開催された 『トビタテ!留活フェア』 では、その奨学金プログラム『トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム』の説明会が行われました。この記事では、当日来場していた学生たちの声を踏まえて、この奨学金プログラムが日本の学生の味方になってくれるのかどうかを独断で検証していきたいと思います。

 

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『トビタテ!留学JAPAN』とは?


まず「トビタテ!留学JAPANN」の概要について触れておきましょう。

 

「トビタテ!留学JAPAN」 公式ホームページではこの施策を、日本と世界で活躍できるような日本の若者を育てるべく、官民協働のもと社会総掛かりで取り組むプロジェクトであると説明しています。支援団体として名乗りを上げている民間企業はソフトバンク、三菱商事、TOYOTA、東進ハイスクール、NTTグループなど87社(2014年7月31日現在、公式HPに記載の企業)。『トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム』は、これらの企業・団体からの支援で奨学金が支給されます。すでに、その第一期生323名はこの夏に日本を飛び立っています。

 

私が参加した9日/東京会場での第二期生募集説明会にも多数の学生が参加し、およそ200名~300名ほど座れる会場はほぼ満席。 説明会は同日2回行われたので、この日一日で500名ほどは参加していたものと思われます。

 

 

留学は学位だけじゃない!インターンも、ワーホリも。


最初に述べたとおり、この奨学金の最大の特徴は、学位にこだわらなくてもよいこと。インターンシップや新興国での実践的トライアルなど、フィールドワークを伴う海外活動も「留学」と認め、研修費用を支給しています。これ、実はとても画期的なことです。

 

話が横にそれますが、文科省は毎年、「日本から海外への留学者数の推移」を発表しており、平成26年の同資料では平成11年の留学渡航者数は57,501人。この5万人とは、学生ビザを保有し高等教育機関に在籍する日本国籍保有者の集計です。学生ビザを持たずに渡航する短期の語学留学生や、インターンシップ、ワーキングホリデー、海外での経験的ボランティア、などは含まれていません。そう、文科省における「留学生」とは、「学生ビザ」をとって大学・大学院・高等職業訓練機関へ進学する人というのがその確固たる定義であったのです。

 

しかし、ワーホリや短期留学などを含めた留学生の「実態の数字」は5万人をはるかに超えています。ビザ発給数で単純に計測できないのでその総数を不確かですが、いくつかの機関が2011年1年間でおおよそ18万人~20万人と推計しています。

 

とうとう文科省も、このプロジェクトで従来の掟を破り、大学・大学院進学者以外も留学生と認識。 「奨学金の対象者にしようじゃないか」という大きな一歩を踏み出したのです。

 

留学生を「倍増」させるには?


さて、『トビタテ!留活フェア』に話を戻します。同説明会で、国はプロジェクトを通じて「留学生を倍増させる」と、はっきりと述べています。大きな課題はここからです。

 

会場内で私が話を聞いた多くの学生は、全員がすばらしく優秀で意欲にあふれていました。将来を真剣に悩み、そのために今、一生懸命に動きたいのだと。そして、一部の経済的課題を抱える学生を除いて「この奨学金プログラムがなくても留学するつもりだった。奨学金選考から漏れても留学する。」とも言っていました。

 

そうなのです。彼らはこのプロジェクトがあろうとなかろうと、もともと留学する気でいたのです。つまり、この奨学金があるから留学生が増えるという図式にはならなそうなのです。

 

留学生を倍増させたいのなら、留学する気のなかった学生に火をつけなければなりません。しかし、このプロジェクトは今のところ、もともと優秀な学生をさらにエリートにしているという側面があります。もちろん、私が話を聞いた学生の意見=来場者全員の意見ではありませんから、 私の雑感が、全体を表しているとは断言できません。 しかし、私以外の留学カウンセリングスタッフ数名も、それぞれの相談内容を通じて類似の感想を持ったようでした。

 

ある都内大学の国際交流部門関係者はこう話してくれました。

 

「留学に興味があるだけでは、学生は国際交流課まで足を運びません。ドアを叩くまでには、大きなハードルがあるんです。友達の目も気になるから、学内で私と顔を合わせても敢えて知らないフリをする学生もいるんです。」

 

夏期休暇中にも関わらず留学フェア会場を訪れる学生というのは、熱心な学生さんなのはもちろんのこと、そのなかでもさらにほんの一握りだということに、私たちは改めて気が付かされました。

 

せっかく、学位取得以外の留学も、留学と認め、奨学金対象にしようというこのプログラム。このままでは留学生「倍増」とはならないかもしれません。学生のみなさん、もし、ほかの人と違った留学を考えついて、それができるのは自分だけだ!と思ったら、この奨学金にチャレンジしてみるのも一つの手です。それが、日本中のいろんなタイプの学生さんを奮い立たせるきっかけになるかもしれませんよ!

 

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この記事を書いた人

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