【海外安全コラム】緊急連絡先をメモして携帯しよう

公開:2018-09-27 更新:2018/11/13

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海外安全コラムでは、海外で危険なことに巻き込まれないためにできること、そしてもし万が一が起きた際の対処方など、自分の身を守るためのお役立ち情報をシリーズで発信しています。
 

災害発生時に使える「防災カード」


世界各地で多くの自然災害が起こる近年ですが、日本でも災害が発生すると、日頃「存在することが当たり前」として使ってるさまざまなインフラが使えなくなることがあります。私たち日本人が、なんの不自由なく使えている各種インフラには以下のようなものが挙げられるのではないでしょうか?
 
・電気
・水道
・ガス
・公共交通機関(鉄道・地下鉄・バスなど)
・流通網(スーパーやコンビニの商品供給など)
・通信(固定電話・携帯電話・wi-fiなど)

 
もし災害によって上記インフラが使用できなくなると私たちの生活は大変不便なものになります。台風などの影響を受け停電になると、台風が通過しても多くの家庭で停電が復旧しないともます。普段携帯電話、特にスマートフォンに頼っている生活では、停電によって電池が切れてしまうと、家族や職場への連絡手段に困ります。また、多くの電話番号を携帯電話のメモリに入れている方が多いでしょうから、パートナーやお子さん、業務関連の連絡先すら分からなくなります。
 
そんな時に備え、日本の各自治体では防災パンフレット等で「防災カード」を作ろう!と呼びかけています。例えば次の図は東京都品川区がホームページで公開しているものです。
 
防災カード

 
いざ、というときにもお財布や定期券入れなどに家族や所属先、重要な連絡先を忍ばせておけば、携帯電話の電池切れの場合でも、公衆電話等から安否の連絡ができますね。
 

海外で常時手元に置ける「連絡先カード」を作ろう


品川区のように、日本国内では自然災害に備えてこういったカードを作りましょうと呼びかけられています。各地の自治体もPRしていますし、公立の学校でもこうしたカードを家庭で作成するよう指導されていますので、実際に活用されている方もいるのではないでしょうか?それでは、海外渡航時に同様のカードを作っている方は、どのくらいいるのでしょうか?
 
世界的にも治安のよい日本と違い、予想外のテロや襲撃事件、政変、またくは携帯電話の盗難といったことも起こり得ます。英語や現地の言葉ができる方でもパニックになった時に、日本語で相談できる連絡先を持っていると、安心感が違ってきます。そういう時に、役立つのが海外版の「連絡先カード」です。日本国内と同じように、いざというとき連絡できる人や組織の名前と電話番号、住所などを書いて持っておくと、パニックになった時にもすぐに取り出せるので、海外へ出発される前に準備することをおススメします。例えば財布の中に一枚、パスポートケースに一枚、といった具合に準備しておくと、もし財布を盗られても連絡先だけはわかります。そして連絡先がわかれば、ホテル・レストラン、もしくは民家の電話からでも助けが呼べます。
 
また、海外に多くの関係者を派遣している企業であれば、海外出張/赴任者+家族用に緊急連絡先カードを作るのもよいでしょう。例えば世界銀行(World Bank)グループでは、契約関係にある人にプラスチック製の小さなカードを配布し、鍵と一緒に常時携帯できるようにしています。
緊急カード

 

メモしておくとよい連絡先


日本国内でのために記録しておくべき連絡先は品川区の事例でわかりますが、海外ではどのような連絡先を記載しておけばよいでしょうか?皆様それぞれ海外への渡航目的や関係団体が違いますので一概には言えませんが、共通してメモしておくとよい連絡先、必要に応じてメモしておくとよい連絡先を次にまとめておきます。ぜひご参考になさってください。
 

共通してメモしておくとよい連絡先


・現地日本大使館もしくは総領事館
・滞在先のホテル(自宅)
・現地警察の電話(日本での110)
・現地救急車の電話(日本での119)
・日本国内の家族連絡先
・クレジットカード会社
・海外旅行保険会社
・(パスポート番号と発行年月日)
 

必要に応じて記載しておくとよい連絡先


・現地での事業パートナー関係者
・留学先の学校関係者
・日本国内の所属先緊急時連絡先(海外安全部門や総務部・人事部など)
・日本国内の所属部署連絡先(上司や同僚の直通電話番号など)
・担当旅行会社
・留学斡旋会社
・利用する航空会社
 

緊急連絡先カード

緊急時に使える連絡先カードをダウンロードして、出発前に連絡先を調べておくと便利です。
 
 

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安全はどの留学スタイルで渡航するにも必要なものです。しっかりと準備をして出発しましょう!
 
 

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この記事を書いた人

海外安全.jp 代表
2006年より国際協力機構(JICA)にて勤務。インド、パキスタン、アフガニスタン等南アジアにおける安全対策、開発支援案件の形成、実施を担当。パキスタン駐在中国政選挙や首都における大規模反政府デモ等に対応し、現場での安全管理業務ノウハウを体得。2016年7月に発生したバングラデシュ、ダッカレストラン襲撃事件後に発足した安全管理部の第一期メンバーとしてJICA安全対策制度、仕組みの多くを構築した他、組織内の緊急事態シミュレーション訓練を担当。国連機関及び世界銀行の危険地赴任者向け訓練も受講しており、JICAのみならず国際機関の安全対策研修内容も熟知。2018年より独立し、現職。

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