寒いヨーロッパ諸国では、熱々ワインが屋台にお目見えする季節になりました。
日本ではよく「ホットワイン」という呼び方をしますが、実はこれ和製英語。現地では国によってグリューワイン、グロッグ、ヴァンショー、モルドワインなどの名称で呼ばれます。(以下文中「グリューワイン」)今日は、家でも簡単に作れてほっこりできる冬の風物詩、グリューワインをご紹介しましょう。
何はさておき、作ってみよう。
作り方は簡単。
1.まずは赤ワインをご用意。スーパーで買える安い赤ワインで十分です。
2.お鍋にどばーっと赤ワインをあけたら、空いたボトルで約4分の1のお水を測り、一緒に鍋に加えます。
3.スライスしたオレンジ1~2個ぶん(皮ごと)、クローブ、カルダモン(スーパーで買える手軽なパウダー状のものでOK)、シナモンスティック(なければこれもパウダーで)砂糖2/3~1カップ程度を加えます。分量はすべてお好みで。
4. 火にかけ温めるだけ!レンジでチンもできます。
お砂糖の代わりにはちみつを使ったり、ブランデーやレーズンを加えるのもアリです。アルコール分は熱している間に飛んでしまうので、子供だって問題ありません。ヨーロッパでは小さい子供も“はふはふ”と飲む姿をよく目にします。
一般的には赤ワインが定番となっていますが、白ワインとレモンがあればレモネードアレンジもお試しあれ。
クリスマスマーケットの定番
この時期、ヨーロッパ各地で開かれているクリスマスマーケットへ出かけてみましょう。ツリーの飾りものやお菓子、クリスマスリースを物色しながら次第に足元が冷えてきたころがグリューワインの飲み時です。
ツンとした甘い香りが漂ってきたらそこがグリューワインの屋台。迷わず一杯頼みましょう。曇り空の多いヨーロッパの冬、色鮮やかなワインの赤とオレンジピールが暖かさを増してくれます。
雪とグリューワインの相性は二重丸
スキー場もグリューワインが美味しい場所です。北欧、ドイツ、スイス、フランス、オーストリア、スペイン、と各国が誇るスキーリゾートでは、それぞれの味のグリューワインを発見できます。
有名スキーリゾートではスキーやスノーボードのワールドカップはじめ、大きな国際大会が開催されます。観戦に行くと、お祭りモードのなか大きなグリューワインの鍋を取り囲むようにして人々が集います。
筆者はスキーを国技とするオーストリアのスキー場で、地元名産のリキュール「シュナップス」を飲む直前に注いでいる光景を見かけ、さっそく試してみました。アルコール度数40度のシュナップス。クラクラするのかなと思いきや、氷点下の冷たい空気とシュナップス入りグリューワインの相性はバツグン!酔っぱらうこともなく、だんだんと顔がぽかぽかしてきてとても気持ちの良いものです。
グリューワインは欧州の健康ドリンク
風邪をひくとヨーロッパのお母さんたちが作ってくれるのもグリューワイン。原材料の赤ワインにはポリフェノールが含まれているので抗酸化作用があるし、オレンジには風邪予防にピッタリのビタミンCが豊富です。シナモンなどの香辛料は体を芯から温めてもくれます。
匂い立つ甘い香りと、湯気のもたらす何とも言えない湿度はリラクゼーション効果も高いのだとか。手軽に作れるアロマドリンクといったところかもしれませんね。
日本でも寒い冬の時期に作ってみてはいかがですか?
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