公開:2016-11-15 更新:2019/02/25
初めまして。埼玉大学教養学部3年の遠藤香織と申します。大学での専攻は国際法学で、 現在はイタリアのトリノ大学へ半年間留学に来ています。 イタリアに来て2カ月。現在はイタリア語の授業や、他にもいくつか授業を取りつつ、イタリアの友人達とアペリティーボ(ミラノ発祥の習慣で、食事前にお酒などドリンクを飲みながら軽食を食べること。もともとは、食前酒という意味。)を楽しんだり旅行をしたりと、毎日忙しい日々を送っています。 これから留学を考えている方に、少しでも私の留学体験が役に立つことを願います。
ずいぶん前の話になってしまいますが、もちろん留学前の準備はかなりの時間がかかりましたし、様々な困難がありました。 私の場合、留学を考え始めたのは大学1年生の頃で、埼玉大学は留学を希望する生徒の為の支援制度が充実しており、留学希望者説明会なども頻繁に開かれていたので、そういったものに足を運んで、まずは情報と知識を蓄えました。 2年生の段階で本格的に留学に向けて行動し始めました。まずは大学の留学プログラムに参加する為には既定の英語スコアに達していなければならない為、夏休みに大学で無料で開かれていたIELTS特別講習に参加し、ひたすら英語を勉強しました。 (ヨーロッパの大学に留学を希望する場合、英語能力としてIELTS、TOEICが用いられることが多いです。英語圏、アメリカやカナダ、オーストラリアの大学の場合はTOEFL) そしてIELTSを受験して何とか目標スコアを獲得した後は、大学の授業や部活動も懸命に取り組みつつ、書類の作成や奨学金説明会に参加したりと、忙しかったです。
ここで奨学金のお話を少ししたいのですが、留学となると多大なお金が掛かるのが常です。自費で賄える余裕のある方は大丈夫ですが、自費だけでは少しキツイ……という方は留学用の奨学金に応募します。 私はあまり家庭が裕福とは言えず、北海道の片田舎出身で、片親で収入も少なく、現在は国の奨学金を貰いつつバイトでお金を稼ぎ、更に大学の授業料すら全額免除を貰っている状態です。留学を希望するにしてはあまりにも経済状況が……と一時期諦めかけていましたが、それでも留学の夢を諦めきれなかった私は、とにかく色んな奨学金団体のHPを見たり、説明会に足を運びました。 イタリアへ留学するためにかかるおよその費用はいくらか?親が負担してくれるお金に加えて、あとどれくらいの奨学金があれば足りるのか?など、学校の国際室や、大学に留学に来ているイタリア人の友人にも助けてもらいながら必死に費用を計算し、最終的には何とか2つの団体から奨学金を貰うことができて、イタリア留学にかかる金銭面の問題をクリアすることができました。 なので、留学はしてみたいけどお金が……、という方はどうか簡単に諦めないでください。留学を希望する学生の為の奨学金説明会も頻繁に開かれています。
次に、ビザについてです。このビザ申請が、留学直前までずっと私を苦しめました。就学ビザは基本的に90日以上滞在する場合は必ず取得しなければなりません。 ですが、この就学ビザ、かなり書類を必要とします。書類一覧についてはこちらのサイトが為になるのでぜひ参考にしてみてください。(→http://www.adomani-italia.com/ryugaku-info/visa/)これらの書類を揃える為に、授業の合間を縫って足繁く市役所へ通い、地元の市役所から書類を取り寄せたり、確認の為にイタリア大使館に何度も電話したり、本当に大変でした。 このビザ申請は申請者本人が直接イタリア大使館(東京か大阪)に行かなければなりません。なので私はイタリア大使館へ行ったのですが、まず、不注意でした。私が行った日は日本では平日だけど、イタリアでは祝日に当たる日で、大使館はイタリアとまったく同じ文化で業務などを行っているので、当然休みでした。 そして2回目、書類を揃えて今度こそは!と意気込んで行くも、3時間以上も待たされた挙句にようやく受付に辿り着くも、「この書類が無いよ、バイバイ」と一分足らずで不愛想に追い返されてしまう始末。それから3回目、4回目、5回目は同じような感じで、「この書類はあなたの滞在証明にはならないわ」、「この書類、記載が間違っている」、「あ、この書類も次持ってきて」といった風に、書類不足、記載ミスなどで何度も門前払いを食らいました。 毎朝眠い目をこすって長いこと電車に乗り、イタリア大使館まで行っては門前払いを食らってとぼとぼ涙目になりながら帰る。これを計5回繰り返しました。そしてようやく6回目に、仕方が無いなぁといった様子の大使館の人が、ようやくビザ申請が受理されました。本当に長い闘いでした。 留学準備の中で個人的に一番大変だったのは、このビザ申請でした。もちろん、事前に情報を集め、きちんと不備なく記載ミスなく書類を揃えていけば、1回で申請が受理される可能性も大いにあります。 ですが、ビザ申請に必要な書類は人によっては変わる場合などもあり、必ずしも申請は受理されるとも言い切れません。なのでビザ申請をする際には、時間に余裕を持ち、事前の下調べをきちんとして、「1回で申請通ればラッキー!」ぐらいの心持で行った方がいいでしょう。と、個人的に思います。
留学前の準備が完了したら、後はもうスーツケースに荷物を詰めて旅立つだけ。 留学って何を持っていけばいいんだろうと思いつつも、最低限の洋服(一週間分程度。向こうで冬服は買えるだろうと見込んでの事)、変換プラグ(イタリアはCタイプ)、身の回りの細かな生活用品と、長時間のフライトが初めてで怖かったので、冷えピタと蒸気アイマスク、愛用しているもこもこ靴下と好きな作家の本、友達から貰った思い出アルバム(私の為に作ってくれました)を持って、私は旅立ちました。
フライトはおよそ17時間(イタリアと日本の時差7時間を含めるとそれ以上)。大学の友人に見送られ、成田空港からまずはロシアへ向かって出発しました。
アエロフロート(ロシアの航空会社)の飛行機に乗った時から、もう留学は始まっていました。客室乗務員の人が外人だ!と感動しながら飛行機に乗り、日本の航空会社とは違う外国の飛行機の中を色々観察したり、座席前にあるテレビモニターを眺めたり。そう、飛行機に乗り込んだ瞬間から、もう景色の中に日本語は消えていました。 今まで日常的に使用している日本語が、目にも耳にも慣れ親しんだ日本語が消える事で、私はいよいよ自分はこれから留学するのだと心の底から実感して、飛行機が離陸する時にはお気に入りのアーティストの音楽を聴きながら寂しくて泣いてしまいました。 長い旅の始まりでした。期待よりも不安の方が実は勝っていましたが、それでも自分の留学を応援してくれた親や友人、学校の先生方の為にも精一杯頑張ろう。広い世界を見てこよう!と決意を新たに、海の外へ旅立ちました。 今回はここまでで、次は日本を出発してからトリノに着くまでについてご報告できたらと思います。
この記事を書いた人
埼玉大学教養学部グローバルガバナンス専攻在学中の2016年9月~2017年3月までイタリアのトリノ大学にて留学を経験。卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科に進学し、2018年12月から2019年4月までフランスのグルノーブル大学に留学中。専攻は国際法。 |
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