公開:2017-03-14 更新:2019/02/25
皆さんこんにちは。イタリアのトリノに留学中の大学3年、遠藤香織です。 一つ前で書かせていただいたとおり、今回は私がやってしまった失敗談についてです。 ここからは私個人の失敗談ですので、どうぞ気楽に読んで下さい。
あまり堂々と話せない事ですが、郵便局で指定された指紋採取の日を、すっっっかり忘れてしまっていたのです。2~3日過ぎたくらいならば、良くはありませんが、すぐに警察署に行けば問題にはなりません。 しかし、私は指紋採取日の日から一カ月以上経ってようやく気付いたのです。つまり、9月に申請して11月に気付いたのです。流石にこれを思い出した時、私は冷や汗が止まらず、呼吸も止まりかけました。これは、ヤバい。ヤバすぎる。ヤバいなんてレベルではない。もはや逮捕レベルです。 難民移入が問題となっているヨーロッパの国々は、不法滞在や不法入国の取り締まりに関しては、それはもう厳しいのです。どれくらい厳しいかと言うと、たとえ不法滞在でなかったとしても、書類上の記載に少しでもミスがあれば警察が出動してそのまま逮捕されて強制送還されます。 指紋採取日を忘れていたことに気付いて、すぐに警察署(クエストゥーラ)に向かいました。ちなみに木曜日の夕方六時の事で、しかも警察署自体どこにあるのか知らなかったので、辿り着けませんでした。この日の夜は不安と緊張でろくに食事も喉を通らず、ずっとパソコンで滞在許可証の事について調べていました。その申請を怠った場合、辿る事になるかもしれない悲惨な末路についても調べました。 やはりどんなにインターネット上の情報を集めて考えてみても、「申請を怠るのは、ルール違反。強制送還待ったなし」という結論にしか至らず(というか恐らくそうです)、もう生きた心地がしませんでした。短い留学生活だったな……なんてしみじみ思いながら、明日朝起きたら速攻で警察署に行こう、と、囚人のような気持ちで眠れないまま朝を迎えました。
そして次の日。あちこち警察署のオフィス(トリノにはちゃんと移民警察局があるのですが、はっきりとした場所は調べても分からず、あちこち走り回りました)を尋ねて、ようやく移民警察局へ。逮捕されるのかな、なんて思いながら長蛇の列で待機します。 移民警察局にはたくさんのアジア系や、アフリカ系の人達がいました。永住許可を貰う手続きでしょうか、とても大変そうです。トリノの移民警察局は比較的綺麗で大きく、スタッフの人も優しいです。 そしてようやく自分の番が回ってきて、正直に「指紋採取をしたいのですが、日付をかなり過ぎてしまいました……すみません……」と受付のお姉さんに謝罪。これは駄目ね!強制送還よ!と怒られるとばかり思っていたので、「わかったわ、じゃあ青の窓口で指紋を採取してちょうだい」と言われて、思わずぽかんと口を開けてしまいました。なんと、無事に帰ることができたのです。ずっと最悪のことばかりが頭をぐるぐるしていたので、無事に指紋採取を終えることができた時の喜びはとても大きかったです。 クエストゥーラで指定された指紋採取の日は、必ずその日にちに行きましょう。
少しだけイタリアのニューイヤーパーティーの様子についてお話したいと思います。12月31日に、私はちょうど熱を出して寝込んでしまい、もともとイタリア人の友達とフランスで年越しパーティーをする予定だったのですが、残念ながら行けなかったのです。なので、一人寂しくベッドに潜りながらスマホをいじっていたのですが、突然同じフロアのパキスタン人の友達が「カオリもパーティーに来いよ!」と部屋まで誘いに来たので、このまま一人で新年を迎えるのは嫌だと思い、寮のパーティーに参加することにしました。
寮の談話室で、寮生の人達のパーティーに参加し、スプマンテ(イタリアのお酒。とても甘い)を飲んだり、ラザニアを食べたり、楽しく会話をして、とても賑やかなパーティーでした。新年のカウントダウンが近くなると、みんなでテレビを見ました。 新年の特番みたいな番組がやっており、カウントダウンが近くなるとみんなの興奮もマックスに!10、9、……3、2、1!と、みんなでカウントして、0になった瞬間。 突然街中、いえ、国中、いや、ヨーロッパ中に鼓膜がはちきれんばかりの花火?の音がそこかしこから鳴り響きました。パンパンパンパンというか、みんな最高潮に盛り上がっていたわけですが、正直花火の音が凄まじ過ぎて、第三次世界大戦が勃発したのかと思いました。
そしてしばらくすると、「ダンスパーティーに行くぞ!」と、そのまま無理やり連れられて、トリノの街の中心部にある大きな広場へ皆で行きました。するとそこにはニューイヤーを祝って踊り狂う大勢の人々と、特別に設置された大きな舞台が。トリノ、カポダンノパーティーといって、毎年恒例の行事だそうです。
日本の年越しと言えば、蕎麦を食べて、紅白歌合戦を見て、来年への抱負を胸に抱きつつ静かに新年を迎える……、という感じですが、イタリアの年越しはとても激しい。いつの間にか私は熱を出していたことも忘れてみんなと一緒にそのまま明け方まで踊っていました。結局翌日には熱が悪化して2~3日寝込むことになりましたが。 滞在許可書申請も、トリノで迎えた新年も、全て良い経験になったと前向きに考えて残りの留学生活も頑張ります。それではまた次回お会いしましょう。
この記事を書いた人
埼玉大学教養学部グローバルガバナンス専攻在学中の2016年9月~2017年3月までイタリアのトリノ大学にて留学を経験。卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科に進学し、2018年12月から2019年4月までフランスのグルノーブル大学に留学中。専攻は国際法。 |
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