イタリア留学体験記6~ローマへの旅行について~

公開:2017-02-01 更新:2019/02/25

みなさんこんにちは。イタリアのトリノに留学中の大学3年生、遠藤香織です。 イタリアでの学生生活やその他イタリアについて色々とお伝えしていますが、6回目の今回からこちらに 引っ越してきました。 1回目~5回目まではこちらのリンク「1, 2, 3, 4, 5」でご覧ください。   さて。今回は前回のミラノ旅行に引き続き、ローマを旅行した時のことについてお話したいと思います。   皆さんご存知の通り、イタリアの首都であり、『全ての道はローマに通ず』ということわざもあるくらいの大きな都、ローマ。「Roma」は逆から読むとイタリア語で「愛」と読めます。そう、愛の街なのです。 前置きはこれくらいで、早速ローマ旅行についてお話していきたいと思います。今回のローマ旅行は、私の他に同じく日本からトリノへ留学に来ている友達と3人で行きました。朝早くの列車に乗り、トリノから5時間ほどかけてローマへ向かいました。

ローマ行きの列車の車内の様子。イタリアの有名な列車の会社、『.ltalo』(イタロ)の列車。 お値段はあまり安くはない。(イタリア国内を移動する際、列車よりも飛行機の方が断然安い場合がある)

 

まずはスペイン広場周辺から

ローマのテルミニ駅に着くと、すぐに予約してある近くの宿に荷物を置いて、早速ローマ観光に向かいました。その日は運よく雲一つない快晴で、気温もそれほど寒くはありませんでした。ローマのメトロを使って、まず最初に向かったのはスペイン広場!

ローマのスペイン広場。映画『ローマの休日』で有名になった場所の一つ。 階段を上り切ったところから見下ろす景色は絶景。サン・ピエトロ大聖堂も見える。

観光客だけじゃなくて地元の人達の憩いの場ともなっているスペイン広場周辺には、たくさんのお店がありました。日本から持ってきたガイドブックを参考に、スペイン広場周辺の気になるお店をチェック。その中の一つ、Fabriano Boutique(ファブリアーノ・ブティック)のお店の紙は、なんとユーロ紙幣に使われているとか!高級感溢れる可愛らしいデザインの文房具がたくさんありました。   その日はスペイン広場だけで疲れていたので、近くのレストランで美味しいパスタを食べて、ホテルへ帰宅。翌日からの旅行に備えてゆっくり休みました。(実はこの日、ちょうど有名なオペラの公演日だったらしく、夜に全交通機関の『ストライキ』が行われ、メトロではなくタクシーで帰りました)

いよいよ『アテネの学堂』とご対面!

ローマ2日目。この日は私がどうしても見たい絵、ラファエッロ作の『アテネの学堂』を見る為にヴァチカン博物館へ向かいました。高校生の時倫理の教科書でこの作品に出会って以来、ずっと生で拝みたいと思っていた『アテネの学堂』がついに見れるということで、この日は朝からずっと興奮していました。   メトロを使ってヴァチカン市国へ向かいます。駅を出て地図とにらめっこしながら、人に道を尋ねながら、何とかヴァチカン市国入口へ辿り着きました。予め予約しておいた入場券コピーをもっていざヴァチカン市国へ!

ヴァチカン市国の外の壁。 この周りにたくさんの怪しげなお店や怪しげな客引きの人達がいたので、観光客は要注意。

 

市国内はたくさんの観光客がいたが、何故か静かだった。ヴァチカン市国内全体にどこか神聖で 厳かな雰囲気が漂う。

 

カトリックの総本山、ヴァチカン市国の様子。日曜日にはあのローマ法王のお姿を見る事ができるとか。

ヴァチカン博物館はヴァチカン市国の中にあります。カトリックの大本山であるヴァチカン市国なので、もちろん博物館にはカトリックに関する宗教画が大量に貯蔵されてあります。全てを見て回ると余裕で一日が終わってしまうので、これまた予め絶対に見たいものをリストアップした紙を見ながらヴァチカン博物館を回りました。

ヴァチカン博物館の様子。博物館への入場は事前のチケット予約がおススメ。 また、本当に作品の貯蔵量が膨大なので、見たいものを絞って効率的に館内を回った方がいい。 また、有名な作品が何でもないところにちょこんと置かれていたりするので、見逃しには注意。 そして観光客を狙うスリにも注意。

有名どころで言えば、ミケランジェロ作『最後の審判』、ラファエッロ作『聖母戴冠』などでしょうか。あまりこういった知識に詳しく無いのですが、そんな私でも「あ、これは知ってる!」と思うような作品がたくさん展示されていました。   そしてついに!迷宮のような博物館の中を二時間ほど歩いたところでラファエッロの『アテネの学堂』とご対面しました!壁の高い位置に飾られているアテネの学堂を見た瞬間、思わず感極まって泣きそうになってしまいました。この作品の中には、プラトンとアリストテレスが描かれており、2人の学者の哲学的考察の様子が描かれています。プラトンは理論的哲学なので上を指さし、アリストテレスは自然哲学なので下を指さしています。高校の倫理の授業で友達とふざけ合ってプラトンとアリストテレスの真似をしていた懐かしい記憶が蘇りました。   かくしてヴァチカン博物館を見終えた後、世界最小国家、ヴァチカン市国内をぶらぶらと歩いてから帰りました。人生の思い出に残る素晴らしい一日でした。

ラファエッロ作『アテネの学堂』。写真からは伝わりにくいが、言い表し難いほどの圧倒的な 存在感と神々しさに満ち溢れていた。ぜひ、その目で実際に見て欲しい。

 

カルボナーラ発祥のお店

2日目の夜、かねてから行こうと思っていた、カルボナーラ発祥のお店に行きました。このお店、駅から少し離れた寂しい住宅街の中にぽつんと立っているのですが、開店前から人がたくさん並んでいました。   ここで私たちはもちろんカルボナーラ(6ユーロ!安い!)とスタッフの方お勧めのワインと生ハムを食べました。この日、ここで食べたカルボナーラが今までの短い人生で食べてきたどんなカルボナーラよりも美味しかったと記憶しております。お勧めですので、ぜひローマを訪れる際は行ってみてください。隠れた名店「La Carbonara」です。

少し時間を置いて旨みを凝縮させたハム(おそらくパンチェッタの部分)とトスカーナ地方の白ワイン。 店員さんが皆美男美女。話も面白い。イタリア語でお店の人に話しかけると、とても仲良くなれる。

 

カルボナーラ発祥の店のカルボナーラ。本場のカルボナーラは生クリームを使わない!! なのにとてもクリーミーで濃厚で、パスタももっちもち。食後に、「さて、お腹いっぱいになったところで、 ティラミスもいけるよね?レディー達?」とイケメンの店員さんに言われてしまったので、 もちろんティラミスも追加で注文して頂きました。美味しかったです。

 

一気にローマ観光!そして・・・(汗)

ローマ3日目。この日は帰りの列車が夜なので、一気にローマの有名な観光スポットを急いで見て回りました。トレビの泉、コロッセオ、パンテオン、真実の口、フォロ・ロマーノなど。とにかくひたすら歩き回っていたので、とても疲れましたが、やっぱり有名な観光スポットは一見の価値があるところなのだと思いました。

映画『ローマの休日』で有名になった観光スポットの一つ、『トレビの泉』。 ここでコインを一枚投げると「ローマへの再訪祈願」、二枚投げると「恋愛成就」、 三枚投げると「離婚、縁を切る」というおまじない?があるので、一枚投げておきました。

 

皆さんご存知のコロッセオ。ちなみにここで初めて知ったのは、親指だけを立ててグーの手の形。 あれはかつてコロッセオが闘技場として使われていた際に、勝負に負けた戦士を観客が許す際に サインとして使われていたそうです。つまり親指を逆さに立てて突き出すのは……

 

ミケランジェロが『天使の設計』と呼んだ、古代ローマの遺構『パンテオン』。 ここにはあのラファエッロのお墓があります。

 

これまた有名な観光スポット『真実の口』。フォロ・ロマーノから少し歩いたところにあります。 かなりの行列ができており、口に手を入れるまでに一時間以上待機しました。

 

フォロ・ロマーノ。古代ローマ時代に市民の集会や裁判などの広場として使われました。 フォロ・ロマーノはとても広大で、また足場も少し悪くなっています。観光の際は歩きやすいスニーカーで!

全てを見終わった後、事件は起こりました。 財布やパスポートを盗まれたとかではないのですが、この日は列車でローマからトリノまで帰る予定だったのですが、その列車を目前で乗り逃してしまったのです。 何故乗り逃したのかと言うと、もちろん観光スポットを一気に見て回って時間が押し迫っていることに気付かなかったからに他なりません。 息を切らして駅へダッシュするも虚しく、目の前でトリノ行きの列車は発車してしまいました。あまりの絶望にそのまま倒れこみそうでしたが、このまま駅で寝泊まりするのは避けたかったので、他の列車は無いかと探しました。 しかしどの列車の会社に聞いて回っても、答えはノー。もう路上のベンチで寝るのを半分覚悟しつつ、涙目になりながら格安バス会社へ。すると、なんとバスがあるじゃないですか!しかも日本円にして2000円ちょっと!その分8時間くらい時間がかかるわけですが、もうそんなの気にしません。即座にチケットを購入して、トリノへ帰りました。   全体的に、ローマは本当に素晴らしい場所でした。いくつもの世界遺産がローマに集結しているので、もし友達がイタリアへ観光に来るなら私は真っ先にローマをお勧めします。が、計画には余裕を持つべきですね。   次回はクリスマスからニューイヤーパーティーまでの出来事についてお話したいと思います。   >>イタリア留学体験記7

この記事を書いた人

埼玉大学教養学部グローバルガバナンス専攻在学中の2016年9月~2017年3月までイタリアのトリノ大学にて留学を経験。卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科に進学し、2018年12月から2019年4月までフランスのグルノーブル大学に留学中。専攻は国際法。

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