公開:2017-05-18 更新:2019/02/25
皆さんこんにちは。大学四年生の遠藤香織です。今回はイタリア留学中にナポリを旅行した時のお話をしたいと思います。ナポリはイタリアでも有名な観光地なので、ご存知の方も多いでしょう。せっかくイタリアにいるんだし、”Vedi Napoli e poi muori!” 「ナポリを見て死ね」の名言もある事ですので、ナポリを観光してきました。その様子をお伝えしたいと思います。
まずは旅行前の準備から。ヨーロッパにはバックパッカーの人達が使うような格安航空、格安バスがたくさんあります。日本からヨーロッパへ旅行に行く際は、恐らく格安バスや航空などは時間が遅れたり、安全面が心配だったりと、あまり多くの人は使わない交通手段だと思います。 しかし格安バスや航空の魅力は何といってもその破格の値段!今回のナポリへの旅行計画も、ナポリへ行く一週間前に「最後に行っておかなくちゃ!」と軽い気持ちで立てたものです。ですが、何とトリノからナポリまでの飛行機が日本円にしておよそ2000円という驚きの低価格で難なく予約ができたのです。ヨーロッパで節約しながら現地の交通手段で旅行したい方は、以前にもご紹介したかもしれませんが、GOEUROというサイトがとても役に立ちます。日本語には対応していませんが、ヨーロッパの飛行機、バス、列車の時間の検索や予約ができます。 もちろん低コストには、ドリンクやフードサービスがない、荷物制限が厳しいなどのさまざまな理由があります。特に私が今回使ったEasy Jetという会社の飛行機は機内預け入れ荷物が予約に含まれておらず、機内に預け入れするにはプラス3000円などの条件がありました。しかも機内に持ち込める手荷物は重量、大きさ制限付きの一人一個まで!それでも背に腹は代えられません。事前に情報は調べていたので、大きめのバックパック一個に荷物を詰め込んで、準備完了です。(検査場を通る時に、化粧水や制汗スプレーなどはバンバン捨てられてしまいました。無念です)
飛行機でナポリに到着し、その日はもう夜の8時を回っていたので予約しているホステルに向かい、空いているスーパーに駆け込んで食パンを購入。食事を済ませてドミトリールームで就寝しました(複数名の宿泊者が一つの部屋になっているドミトリールーム。ホステルは一泊2000円程度で泊まれるが、シャワーやトイレ、キッチンなどは全て共同。Wi-Fiは込みのところがほとんど)。 翌日、朝早く起きてホステルの無料の朝食をキッチンで他の宿泊者の人達と一緒に取りつつ、日本から持ってきたイタリアガイドブックを眺めながら今日一日の行動プランを立てます。ゆっくりと支度を済ませて、いざナポリの街へ繰り出します。 天気は快晴。北イタリアのトリノはフランスに面しており、建物や人々の文化、風習もフランス色の混ざった部分が多いですが、ナポリは本当にイタリアという国の特色がぎっしり詰まった街だと感じました。 最初は世界でも屈指のギリシア・ローマ美術を収集した博物館、国立考古学博物館へ。
どこかへ旅行する時には必ずその土地の博物館や美術館を一つは訪れるのが私なりの旅行の楽しみ方です。考古学博物館にはギリシア時代の彫刻や、他の国から寄贈された絵画など、たくさんの展示物がありました。所要時間を2時間に決めて、速足で館内を見て回ります(考古学博物館はかなりの広さがあるので、訪れる際は足が疲れにくいスニーカーが良いでしょう)。この日は平日の午前中ということもあり、人はまばらだったので、ゆっくり見て回ることができました。
次に、ナポリの下町、スパッカ・ナポリへ。ここは昔ながらのナポリの情緒の残る、活気に溢れた古い町です。思わず足を止めて眺めてしまうような職人の工芸品店や、見てるだけでお腹が空く、美味しそうな手作りピッツァのお店など、たくさんのお店や市場、ナポリっ子の居住地などが集まる場所です。
恐らく、このスパッカ・ナポリにナポリの全てが凝縮されていると言っても過言ではないでしょう。時間があまりとれず、長くは滞在できなかったのですが、次にナポリに来る事があれば、一日中ここで、ぶらぶらと街を歩いて過ごしてみたいと思いました。 次に、スパッカ・ナポリから歩いて五分ほどのところにある、14世紀に建てられたゴシックの教会、サンタ・キアーラ教会に行きました。
この建物の内部にある、修道院回廊Chiostro(キオストロ)はとても有名です。
陶板タイルで装飾された柱廊に、まるでパラディソ(楽園)のような内部の庭は、本当に美しいの一言に尽きます。まるでここだけ世界から切り離されたような、天国にいるような、何とも言えないふわふわとした感覚に包まれました。
ナポリにはおすすめスポットが本当にたくさんあるのですが、時間がない人にも最低限これだけは勧めたい、必見スポットです。
ナポリと言ったら、ピッツァは絶対に欠かせません!ピッツァはナポリ発祥とも言われているくらい、ナポリのピッツェリアのピッツァは本当にどこも美味しいです(ナポリ滞在中に4回ピッツァを食しました)。ですが、私がお勧めしたい店はここ、Gino Sorbillo(ジーノ・ソルビッロ)。スパッカ・ナポリにあるこのお店は、いつ来ても長蛇の列が並んでいる超有名な老舗ピッツェリアです。1時間待ちは普通。ひどい時は2時間近く待つそうな。大家族ソルビッロ一族が代々経営しており、息子全員がピッツァ職人らしいです。 そんなに人気なピッツェリアなら1時間以上待たされるんだろうなぁと覚悟を決めて向かうと、なんと、午後2時近くだった為か、奇跡的に行列はなく、店に入るとすぐに席に着くことができました!内心かなり興奮しながら店員さんに定番メニューのピッツァとイタリアビールを注文。それから10分と掛からずテーブルにピッツァとビールが運ばれてきました。 何と……今更驚くことではありませんが、このピッツァ、3.8?。日本円にしておよそ500円弱だというのに、皿からはみ出そうなボリューム。緊張しながら最初の一口を頂きます。
生地が薄い。なのにもちもちしている。オリーブオイルとチーズ、ポモドーロの酸味が複雑に絡み合い、バジルの風味がこの上なく素敵でした。感想は、涙が出そうなくらい、美味しかったです。今まで食べてきたピッツァは一体何だったの!?というくらい、ピッツァという概念がひっくり返されるような感動的な美味しさでした。しかし文字でいくら書いてもこの感動は伝わらないと思うので、やっぱり私からは実際に食べてみてくださいとしか言えません。ぜひ、ナポリへ行って、ピッツァを食べてください。そして思い切り感動してください。
夕方近くなってきて、ナポリといったら世界三大夜景の一つ。夜景も見ておきたいと思い、あらかじめナポリの夜景がよく見渡せる絶景スポットを調べておき、サンタ・ルチア地区の海岸沿いにある卵城(カステル・デッローヴォ)へ。入場料は無料です。12世紀に建てられた古城で、夜間は散歩を楽しむカップルで溢れています。
中へ入り、城の一番上まで上ると、眼前には息を飲むほどの絶景が広がっていました。高性能なカメラを持っていなかったことが悔やまれるくらい、一生忘れられないような、素敵な夜景でした。私自身、元世界三大夜景の一つであった北海道の函館出身なのですが、これは確かに世界に誇れる夜景だなと感じました。しばらく時間を忘れて、私はずっと夜景を見てました。
最終日の早朝、空港へ向かう為にバス停でバスを待っていると、タクシーの運転手のお兄さんに声を掛けられ、「乗っていかないかい?どうせ空港へ行くんだろう?8ユーロにまけてやろう!」と言われ、バスを十数分待ってても良かったのですが、お兄さんの素敵な笑顔に負けて、乗ってしまいました。半年間勉強したイタリア語を駆使しながら空港に着くまでの間、お兄さんと会話しました。とても楽しかったです。ナポリは一部悪質なタクシーを除けばほとんど良心的なタクシーです(値段もそれほど高くない)。そしてドライバーさん達はみんな根っからのナポリっ子なので、お話がとても上手で、陽気で、笑顔が素敵です。 最後、空港に到着してタクシー料金を払うと、「やったね、これで朝ごはんのカプチーノとドーナツが食べられるよ!じゃあね!」と満足そうに笑って運転手さんは去っていきました。私もお兄さんの朝ごはん代を払えて満足です。 本当に素晴らしいナポリ旅行になりました。 いかがでしたでしょうか。イタリアはその土地ごとに特色が異なるのですが、ナポリは私が一番イタリアという国を感じた土地でした。ぜひ皆さんも、ナポリへ旅行してみてください。
この記事を書いた人
埼玉大学教養学部グローバルガバナンス専攻在学中の2016年9月~2017年3月までイタリアのトリノ大学にて留学を経験。卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科に進学し、2018年12月から2019年4月までフランスのグルノーブル大学に留学中。専攻は国際法。 |
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