オーストラリア政府観光局(以下「TA」)は、オーストラリア政府統計局(ABS)による集計結果から、2016 年の日本人のオーストラリアへの渡航者数が 41 万 3,800 人となり、前年比 22.7%増となったことを発表した。2015 年 9 月から 16 か月連続、対前年比プラス成長で推移しており、年間の日本人渡豪者が 40 万人を超えたのは 2008 年以来 8年ぶり、さらに前年比で 20%を超えたのは、1990 年以来まさに 26 年ぶりのことだ。
人口減少や高齢化などが進み、観光産業全体がより一層のマーケット拡大を課題としている中、オーストラリアは年間を通じてプラス成長が見られた。
中でも 2016 年 1 月以降、年間を通じて日本人によるオーストラリアへの渡航者数は、二桁での増加がみられた。その主な要因としては、2015 年 8 月以降、相次いで就航した直行便の利便性や時差が少なく安心できる旅行先の一つであると認識されたことに加え、昨年 9 月から実施しているオーストラリアの水辺での体験を訴求する「絶景大陸オーストラリア」キャンペーンの積極的なプロモーションなどによりオーストラリアの魅力が再発見されていることが挙げられる。
2017 年も、日本の寒い時期に南半球の温かいオーストラリアが旅行先として徐々に定着してきており、日本人渡豪者数は堅調に推移するとみている。さらに、航空会社によるオーストラリア各都市への新規就航および増便がカギになると考えており、今後の伸びにも期待している。また TA は、昨年、日本旅行業協会と「オーストラリア ツーリズム 2020 プロジェクト」の覚書を締結するなど積極的に活動を続け、中期的な目標として 2020 年までに日本人渡豪者を 70 万人をターゲットに様々な施策に取り組んでいく方針である。