日本と似ている?韓国の賃貸事情は?

公開:2020-04-02 更新:2020/04/02

どこの国に留学しても、必ず心配になるのが住むところの問題です。どのエリアに住むのか、どんな部屋なのか、周りの環境は?など、住む場所というのは生活に大きな影響を与える重要なことです。部屋を選ぶときは、その国の住宅事情を知っておく必要がありますね。

ワンルーム、戸建て、マンション。どんなタイプの部屋がある?

日本にも同じ呼び方をするものがありますね。韓国でも日本と同じようなお部屋なのでしょうか?

・アパート
・ヴィラ
・単独住宅、住宅
・ワンルーム
・オフィステル
・コシウォン(考試院)
・コシテル

アパート

日本でのアパートは、戸数が少ない低層の集合住宅を指すことが多いですが、韓国ではアパート=マンションの事を指し、高層のもの言います。また、韓国では日本のような富裕層が高級な戸建てに住む高級住宅街より、アパートに住んでいるということがステータスになっています。警備員、管理人の常駐でセキュリティ面や建物内の施設の充実度を重視している韓国では、戸建ての家よりも資産価値が高く、こういったアパートの方が圧倒的に人気があります。高級住宅街の代わりに、こういった高層アパートは一カ所に集中して建設されることが多く、さながら日本の団地を思わせる、平均800~1000世帯が暮らす大規模なものなのです。1階部分が保育園になっていたり、公園があったりと子育て世代には特に人気が高くなっています。最近では日本のタワーマンションのように下層階が店舗になっているタイプも増えてきました。

ヴィラ

なんだか高級リゾートを思わせるイメージですが、韓国で「ヴィラ」は日本でいう低層のマンションの事を指します。高層アパートに比べると人気は落ちますが、低層でも豪華な造りのヴィラは多くあります。地域差もありますが、高級な造りのヴィラであれば、アパートよりも価値が高い場合もあります。アパートのように警備員・管理人などが常駐していない場合がほとんどです。

単独住宅、住宅

戸建て住宅を韓国ではこのように言います。一般的に、2~3階建て構造で、家主が使用していないフロアを貸し出していることが多くあります。都市部ではアパートやヴィラの建設が進み、あまり見られなくなってきていますが、昔ながらの韓国の一般的な住宅の形です。以前は結婚して夫婦だけで独立して住むということは少なかったため、家族大勢で住むことができる家が一般的でした。古い建物が多くなりますが、都心のアパートやヴィラよりも広くても控えめな家賃で住むことができるという利点があります。

ワンルーム

日本のワンルームとほぼ同じ意味です。高層から低層までさまざまなタイプがあります。アパートやヴィラに比べると家賃は安く抑えられるので、若い世代や留学生、韓国で仕事をしているという層に人気があります。また、生活に必要最低限の家電や家具なども揃っている物件もあるので、最初にあわてて揃える必要がないのはありがたいですね。ただ、韓国の物件には浴槽がないものがほとんどで、基本的にシャワーとトイレが一緒になったバスルームとなります。シャワーとトイレの仕切りがあるか、距離があってトイレがびしょぬれにならないか、なんていうことを考えながら物件選びをする人が多いようです。

オフィステル

オフィス兼用のワンルームタイプを指します。きれいな外観で比較的都市部に多いこのタイプは、ほとんどの場合が家電、家具備え付けです。セキュリティ面もしっかりとした物件が多く、繁華街にあっても安心して暮らせるワンルームと言った感じです。特にオフィスとして借りる必要はなく、ほとんどの場合が普通の住居として借りています。ここ15年ほどで急速に広まったタイプのため、築年数が浅いきれいな物件が多くあるという特徴があります。

コシウォン(考試院)

考試=試験にために勉強する部屋という意味のコシウォン。勉強するスペースと寝るスペースで部屋がほとんど埋まってしまう小さな3畳ほどの部屋です。シャワーやトイレは共同ですが、ラーメンや卵、キムチ、ごはんがいつでも食べられるようになっています。光熱費やネット利用費は含まれていることがほとんどで、学業に集中したい人にはおススメです。

コシテル

コシウォン+ホテルの略語でコシウォンよりは少し部屋が広く、シャワーやトイレが個室についています。こちらもやはり食事には困らないようにラーメンやキムチが常備されています。最近ではコシウォンを改装し、コシテルにしている物件が増えてきています。初めての留学や、少しでも費用を抑えたい人には人気の物件です。都心部にある場合は、騒音や治安を考慮して探しましょう。

ハスク(下宿)

こちらは一般の家庭のお部屋を間借りするタイプで、日本と意味は同じです。アジュンマと呼ばれる大家さんが食事を提供してくれるというのが、一番の特徴ですね。気になる点としては、コシウォンのようにトイレやシャワーは共同の場合がほとんど。アジュンマが一緒に住んでいるので、困ったときに相談できることがとても心強いですね。朝晩にはしっかりごはんが用意されているので食事の心配もいりません。また、現地の韓国人学生、社会人が住んでいることも多く、韓国語の練習にもなります。文化交流の場として、韓国にリアルな生活を体験できるハスクは留学中、韓国にいち早く慣れることができる場所かもしれません。

韓国の賃貸事情はどんな感じ?

留学中には長期の滞在が必要になり、期間が長くなれば留学中に引っ越しということも出てくるかもしれません。韓国では日本の不動産屋さんのように契約をすることができるのでしょうか?以下のように、韓国には主に3つの契約形態があります。

・チョンセ(伝貰契約)
・ウォルセ(月貰契約)
・サグォルセ(朔月貰)

チョンセ(伝貰契約)

「一度払えば家賃がなくなる」と言われたりしているチョンセですが、韓国に古くからあり、現在しっかり確立されている保証金先払い契約です。なぜ、家賃がなくなると言われるかというと、退去時にこの保証金が戻ってくるからなんです。なぜ?保証金が戻ってくるってどういうこと?と疑問に思いますよね。この一見不思議な契約で支払うのはまとまった額でかなり高額で、物件の資産価値の50~80%程の金額をまず支払います。一般的に賃貸の契約は2年の場合がほとんどで、例えば2,000万ウォンの保証金を払えば、家賃がかからず2年間住むことができ、退去時にこの2,000万ウォンを返してもらうというものです。大家さんは一時的に2,000万ウォンを預かっているだけで、家賃分を損しているのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはないのです。大家さんが保証金を返してくれるのは、預かっている期間に資産運用をしているからです。これは韓国の銀行の金利が良かった時代に多くあった契約形態で、今では考えられない5~10%も金利が付いていたため、家賃分はすぐに資産となって戻っていた訳です。現在、ぐっと金利が下がってしまった韓国では大家さんも厳しい時代になりました。低金利の影響で保証金そのものの値段がぐっと上がってしまい、そのため韓国の住宅は近年上昇傾向にあるのです。まだまだこの契約形態自体はありますが、少なくなってきているのが現状です。

ウォルセ(月貰契約)

チョンセに代わってメジャーになってきている、ウォルセ。この契約は日本の敷金のようなイメージです。保証金を支払いますが、チョンセに比べるとぐっと控えめです。しかし、加えて家賃を毎月払うことになります。保証金は戻ってきますが、契約中、家賃が払えなかった月があると、保証金から家賃に充てられます。ウォルセの保証金は家賃と共にその割合を相談することができる場合があるので、保証金を下げて月々の家賃を上げる、保証金を上げて月々の家賃を下げるなどの交渉をしてみるのも手です。チョンセは売買価格を元にした保証金なので、日本円で数千万を用意しなければならず、簡単ではありません。部屋を借りるのに多少のまとまったお金は必要ですが、準備する金額が少なくてすむので、ウォルセ契約をする人が増えています。

サグォルセ(朔月貰)

保証金を預けないタイプの契約になります。その代わり、1年間の家賃を一括で支払うというものです。月々、日本円で10万円の家賃であれば、最初に120万円を支払うということですね。学生や、これから仕事を始めるという人にとってもなかなかハードルが高いものですが、親に出してもらう・借りる、ローンを組むなどして、住宅の資金を工面しているようです。

チョンセ(伝貰契約)、ウォルセ(月貰契約)、サグォルセ(朔月貰)どれをとっても、最初はお金がかかってしまいます。コシウォンやコシテル、ハスクなどでは、高額の保証金を取ることはなく、保証金自体が要らない場合もあります。留学生にとってはありがたいですね。留学も長期になると、引越しを考えることがあるかもしれません。また、就職をして韓国で暮らすという人も。契約の形態はさまざまですが、チョンセが高額なのでウォルセにしたが、結果的にはチョンセの方がお得だったなんてこともあります。しっかり計画して損なく部屋を借りましょう。

保証金のトラブルには注意が必要

高額な保証金は必ず返してもらえるものではありますが、大家さんの経済状況によっては全額帰ってこない、一部しか返ってこないというトラブルも増加しています。大家さんが破産してしまうことも稀にあります。こういったことにならないのが一番ですが、韓国の法律では貸借者を守る法律があるので、事前に調べて手続きをしておくことも必要です。現地の不動産屋さんでしっかり話を聞いておきましょう。

また、保証金が返ってこない理由のひとつとしてあるのは、契約期間を満了していない場合が原因です。通常2年の契約を1年に繰り上げる事情ができた場合は速やかに次の借り手を探す必要があります。その場合、入居者自らがやらなければならず非常に面倒です。以前ほど景気の良くない韓国では、大家さんも大変です。次の入居者からの保証金を使って前の入居者に返すということもあるので、保証金がすんなり返ってくることが普通ではなくなってきているのかもしれませんね。

 

住宅の情報はどこにある?

韓国で部屋を探すにはどうすればいいでしょうか。インターネットで楽に物件を探せる時代なので、日本にいながら探すことがもちろんできます。

しかし、現地にしかない情報は手に入れておいて損はありません。ネットに出さずに募集している人気アパートやヴィラ。評判のいい、コシウォンやハスク。こういったリアルな情報や掘り出し物的物件が見つかるのも現地リサーチならではです。

・街の不動産屋
・街中の新聞や、張り紙(建物自体に募集のチラシがある場合があります)

ネット検索は第一の手段として、こうした場所をまわってみるのもいいですね。
お隣の国だからこそできる事前リサーチはとても有効ですよ!

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