アメリカの教育制度を知ろう

公開:2019-01-07 更新:2019/11/20

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  州ごとに教育制度や履修科目などが異なるものの、その概要はわかりやすい。小学校から高校までが義務教育だ。  

中高6年間は学校により異なる教育体制

初等〜中等までの教育制度は、各州、自治体が決めるので、留学先により異なる。義務教育の年数も州によって違い、大半の州では、6〜16歳を義務教育としているが、ワシントンDCやオレゴンでは18歳までと一部例外もある。  

初等教育

アメリカの初等教育イメージ

  小学校への入学年齢は、ほとんどのところで6歳、そこに6年間通うことになる。一部、4年間もしくは5年間で区切り、以降を中等教育とするところもある。  

中等教育

中学校(Middle School、Junior High School)と高校(High School、Senior High School)があり、日本と同様に別々の中学、高校に各3年間ずつ、または中高一貫の学校に6年間通うケースとがある。その他4年制の高校もある。  

 

学年数は、グレード1(小学校1年)〜グレード12(高校3年)まで、通しで表されるのが一般的(下図参照)。この期間が義務教育に当たる。高校への進学だが、入学試験はなく、年齢に達すれば誰もが入学可能。また私立校など一部の進学校を除けば、原則的に落第もなく、多くの高校生はのびのびと学校生活をエンジョイ。しかし、あまりに成績が悪い場合は教育指導を受けることもある。

高校の授業は、単位制で必修科目のほか、将来の方向性に応じて科目を自由に選択することができる。また、各学年において一定以上の単位を習得した学業優秀者は飛び級も可能。6月末から始まるサマースクールで学業の遅れを取り戻すチャンスもある。 アメリカでは新学期は9月に始まり、翌年の6月に修了となる。そのため6月から渡米し、新学期が始まるまでの3カ月を英語習得、また環境に慣れるための準備期間にあてる留学生も多くいる。交換留学生も、その多くは7月頃に出発し、現地で英語学習等のオリエンテーションを受けている。  

アメリカ教育システム

 

アメリカの教育政策の一環としてCCSS(コモン・コア ステート スタンダード)を導入。
数学と英語に重点を置いた制度で、アメリカ国内の生徒が一定の水準の学力を公平に身に付けられるように指導してくもの。

また、世界各国で広がりを見せているサイエンスやテクノロジーの分野で活躍する人材を育てるためのSTEM教育も盛ん。


【STEM】
・サイエンス
・テクノロジー
・エンジニア
・マス

 

 

授業のスタイルも日本とは違う

初等〜中等までの教育制度は、各州、自治体が決めるので、留学先により異なる。義務教育の年数も州によって違い、大半の州では、6〜16歳を義務教育としているが、ワシントンDCやオレゴンでは18歳までと一部例外もある。  

単位制

単位制を採用しているアメリカの高校では、1年間に習得しなければならない最低単位があり、これを満たすことが進級の条件。また、上限の単位も定められている。授業科目は、国語や歴史、保健体育などの必修科目に加え、自由選択科目がある。

 

1年次は主に必修科目中心の授業で、2年次以降より選択科目の授業が増えてくる。カリキュラムは生徒各自によって異なるため、ほとんどの高校で履修登録を指導するアドバイザーがいる。選択科目には、工学やプログラミングといった就職に役立つ専門技術的なものから、デザイン、アートまでと幅広い。またそれぞれの学校によっても特徴が異なっている。  

授業内容

日本の高校とは違い、生徒は科目ごとに別々の教室に移動し、授業を受ける。そのため、授業と授業の合間の廊下は生徒たちの移動でにぎやか。学校の端から端までを移動しなければならないことも。また、アメリカは遅刻にとても厳しく、1分でも遅れるとその授業が受けられないということもある。

 

自主性が重視される授業は、宿題と発表と討論が主となる。個人やグループによる研究発表や討論の機会に加え、先生からも発言が求められる。また、生徒もそれに応えるかのように、自ら挙手して積極的に発言を行う。何よりも自己アピールすることが大事。1日1回必ず発言すると決めている留学生もいるほど。また発表が苦手な分、それを補うため、課題レポートに多くの時間を費やし、そこで挽回する留学生も多いようだ。  

留学生のための英語の授業もあり

「移民の国」アメリカでは、英語を母国語としない人のための英語教育ESL※1(English as a Second Language)プログラムが充実。またTESOL※2(Teaching English to Speakers of Other Languages)という他言語話者への英語教授法による指導者の英語力向上も行われる。 中学、高校、大学に留学する場合はESLプログラムを学校で学ぶことができる。高校留学では、ESLを受けながら、徐々に正規科目を増やしていくケースと、英語を母国語としない人だけを集めたクラスで最初から正規科目を学んでいくケースとに分かれる。またESLを単位として認める学校も。 私費留学では、各校で英語レベル等の入学条件は異なるが、英語に自信がない人でもESLから留学をスタートできる。  

※1 ESL:英語を母国語としない人に英語を教えるプログラム。イギリスではEFL(English as a Foreign Language)とも呼ばれているが同じこと。

※2 TESOL:英語圏の国で、母国語が英語以外の人たちに英語を教える際の教授法のこと。国際的な英語教育資格としても高い評価を受けていて、大学ではTESOLの学位もある。  

アメリカ大学イメージ

 

留学生に必要な英語は?大学入学に必要なものは?

高校留学の場合、学校によっては特定の英語能力テストのスコアを要求される場合がある。 アメリカの大学入学には高校時の学力を平均点数化したGPA、英語能力を判断するTOEFL、総合的学力を見るSAT※3(Scholastic Assessment Test)のスコアが必要となる。 SATは英語と数学の能力を見る基礎学力テストのことで、日本でも受けることができる。留学生の場合、SATのスコア提出不要の場合もあるので事前に調べておこう。 テストのなかでも重視されるのがTOEFLのスコアだ。有名大学への入学にはハイスコアが求められる。  

※3 SAT:アメリカのカレッジボードが実施している大学進学適性テストで大学出願の際にスコア提出を求められることが多い。Reasoning(論理思考テスト)が英語と数学、Subject(科目別テスト)は科目別で専攻に関連する科目を受験する。  

 

アメリカについて知ろう!

気候&風土

日本の約25倍の国土面積を持つアメリカ。西部にロッキー山脈、東部にアパラチア山脈が走り、中央部には大平原が広がっている。気候は地域によってまったく異なる。ニューヨークを中心とした東海岸には四季があり、夏は高温多湿。ロサンゼルスを中心とした西海岸は1年を通して雨が少ない。夏は乾燥し、冬も温暖で過ごしやすい。同じ西海岸でも北部は冬の寒さが厳しくなる。シカゴを中心としたアメリカ北部も夏と冬との温度差は激しい。南部は高温多湿で、特に夏は雨が多い。  

生活習慣

さまざまな人種・民族が集まり、地域によっても特色があるので、アメリカの生活習慣をひとことで言い表すのは難しい。 たとえば、アメリカ人は一般に愛国心が強いが、移民の人たちは祖国の生活習慣や文化も大切にしていることが多い。特に大都市に住む人は、チャレンジ精神をもって常に上を目指すことに価値を置く傾向が強く、小さい町では家族の絆を大切にし、やや保守的な面もある。一般的には、ルールに縛られるより自由を好み、新しいもの好き。  

交通

アメリカイエローキャブ

  都市によって市内の交通手段はいろいろ。ニューヨークは地下鉄とバスがあり、共に24時間運行。地下鉄よりもバスのほうが安全と言われている。イエローキャブと言われるタクシーもたくさん走っている。 ロサンゼルスは基本的に車移動で、市バスも走っている。最近は地下鉄や中距離バスも作られている。小さな町では公共の交通機関はあまり発達していないところも多く、バスがあっても本数が少ないことが多い。移動手段として中古車など、車を購入することをおススメする。  

物価

大都市の物価の高さは世界屈指。滞在スタイルや遊び方などで生活費は大きく変わるので、いろいろ工夫をしてみよう。 食品では肉、野菜、乳製品、ドリンク類は日本より安いので自炊派にはうれしい。店も大手スーパー、マーケット、個人商店など種類が多いので、比較しながら買ってみるといい。エンターテインメントは割引日や学割を要チェック。 またアメリカの学生は、洋服は基本的にカジュアルでシンプル。そういう部分は大いに真似したい。

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