公開:2019-04-18 更新:2019/04/18
ハワイはアメリカの50番目の州です。そのため、教育制度もアメリカに準じています。
しかし、教育制度は各州で異なり、ハワイも独自の教育制度があります。そんなハワイの教育制度をご紹介します。
ハワイと日本では義務教育の期間が異なります。
日本では7~15歳までの9年間が義務教育となりますが、ハワイでは7~17歳までの12年間が義務教育となります。
1年生から12年生という呼び方をするので、日本での中学3年生は9年生と同じ年代になります。
キンダーガーテン(幼稚園):小学校入学前の1年間を過ごします。
エレメンタリースクール(小学校):5年制、6年制とあり、公立の場合は授業料は無料です。
ミドルスクール(中学校):2年制、3年制があります。単位制になり、このあたりから落第や留年ということが出てきます。
ハイスクール:(高校):4年制に統一されています。単位制で9年生の受け入れを行います。10年生以上は入学できません。
ハイスクールで義務業育を終えると、大学や専門学校などに入学します。
ハワイ州ではアメリカの教育政策の一環としてCCSS(コモン・コア ステート スタンダード)を導入しています。
数学と英語に重点を置いた制度で、アメリカ国内の生徒が一定の水準の学力を公平に身に付けられるように指導してくものです。
また、世界各国で広がりを見せているサイエンスやテクノロジーの分野で活躍する人材を育てるためのSTEM教育にも力を入れています。
【STEM】
・サイエンス
・テクノロジー
・エンジニア
・マス
ハワイにおいてもアメリカ国内と同様の政策でしっかりと着実に学力向上の実績を積み上げつつあります。
このような政策により、名門校はもちろん公立校でも安心して教育を受けさせる環境が揃っています。
アメリカ国内においても屈指の2校、プナホウスクールとイオラニスクール。
ほとんどの生徒が大学進学をし、アメリカ本土のアイビーリーグへの進学率も高いため、入学するのはかなり大変です。
9年生以降の入学が欠員補充ような形でしか受入れがなく、狭き門となっています。
そのため、日本からはまだ比較的入学しやすい低学年のうちから入学するために、教育移住をする家族も増えています。
プナホウスクール
1841年設立。歴史が古く、東京ドーム7個分にも相当する広大な敷地で34の校舎を持っています。
オバマ前大統領の出身校としても知られ、スポーツプログラムにもかなり力を入れています。オリンピック選手を何人も輩出していることでも知られています。
イオラニスクール
1863年設立。ハワイの中心地ワイキキに位置するイオラニスクール。さまざなスポーツを中心に少人数制でのきめ細やかな指導が評判です。アメリカのアイビーリーグに進学する生徒は多く、大学の進学率は100%ともいわれています。
いずれの2校でも毎年「サマースクール」が実施されています。
在校生はもちろん、転入を考えている生徒は必ずサマースクールに参加してるようで、大変な人気ですぐに定員が埋まります。転入はハードルが高いなという方にとっても名門校でのサマースクールはぜひ参加してみたいですね。
ハワイでは、約80%の子どもが公立校へ通っており、住んでいる地域の学校に進学するのが通常です。
地域によっても教育方針が違うので、越境させて別の地域の学校に通わせたい場合は、申請が必要ですが、必ずしも受け入れられるわけではありません。
観光業が主な産業のハワイでは共働き家庭がかなりの数を占めています。
学校への送迎がつきもののハワイでは、親の就業時間に合わせて、朝は7:30開始、夕方は17:00くらいまで預かっていてくれるなど、工夫がなされている学校もあります。
ハワイには各国から留学生が訪れている大学が多くあります。多様な文化交流ができ、温暖な気候の中で学ぶことができるハワイの大学は留学先として人気が高いです。アメリカ同様、コミュニティカレッジから大学への編入も多く行われています。
州内居住者、非居住者で学費が変わります。
ハワイ大学マノア校(州立)
ハワイ大学ウエストオアフ校(州立)
ハワイ大学ヒロ校(州立)
ハワイパシフィック大学(私立)
シャミナード大学(私立)
カピオラニコミュニティカレッジ
リーワードコミュニティカレッジ
カウアイコミュニティカレッジ
ハワイコミュニティカレッジ
ハワイでは、英語を母国語としない人のための英語教育ESL※1(English as a Second Language)プログラムが充実しており、またTESOL※2(Teaching English to Speakers of Other Languages)という他言語話者への英語教授法による指導者の英語力向上も行われています。 中学、高校、大学に留学する場合はESLプログラムを学校で学ぶことができ、高校留学では、ESLを受けながら、徐々に正規科目を増やしていくケースと、英語を母国語としない人だけを集めたクラスで最初から正規科目を学んでいくケースとに分かれます。またESLを単位として認める学校も。 私費留学では、各校で英語レベル等の入学条件は異なるが、英語に自信がない人でもESLから留学をスタートできます。
※1 ESL:英語を母国語としない人に英語を教えるプログラム。イギリスではEFL(English as a Foreign Language)とも呼ばれているが同じこと。
※2 TESOL:英語圏の国で、母国語が英語以外の人たちに英語を教える際の教授法のこと。国際的な英語教育資格としても高い評価を受けていて、大学ではTESOLの学位もある。
高校留学の場合、学校によっては特定の英語能力テストのスコアを要求される場合があります。 ハワイの大学入学には高校時の学力を平均点数化したGPA、英語能力を判断するTOEFL、総合的学力を見るSAT※3(Scholastic Assessment Test)のスコアが必要です。 SATは英語と数学の能力を見る基礎学力テストのことで、日本でも受けることができます。留学生の場合、SATのスコア提出不要の場合もあるので事前に調べておきましょう。 テストのなかでも重視されるのがTOEFLのスコアです。有名大学への入学にはハイスコアが求められます。
※3 SAT:アメリカのカレッジボードが実施している大学進学適性テストで大学出願の際にスコア提出を求められることが多い。Reasoning(論理思考テスト)が英語と数学、Subject(科目別テスト)は科目別で専攻に関連する科目を受験する。
美しいビーチリゾートのハワイ。日本からの観光地としても人気がまだまだ高い場所です。近年は教育移住する日本人家族も多く、その魅力はやはりその大自然と高水準の教育にあるようです。
勉強とともに、心の成長もさせてくれるハワイの教育に共感する世界各国の家族が訪れています。また、大学留学でも人気のハワイ。入学のハードルは高いですが、チャレンジする価値はありそうですね!
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