オーストラリアの教育制度を知ろう

公開:2019-01-09 更新:2019/04/15

 
オーストラリアの中学・高校は、私立・公立を問わず、多くの学校で留学生を受け入れる態勢を持っている。そのため留学生には人気の留学先にもなっている。

州ごとに違うオーストラリアの教育制度

初等・前期中等教育

初等教育はイヤー1(小学1年にあたる)〜6または7まで。イヤー7または8(中学1年)から中等教育がスタート。イヤー10 (高校1年)まではJunior Secondaryと呼ばれ、ここまでが義務教育。修了すると、2年制の高校Senior Secondaryもしくは公立の専門学校であるTAFE(Technical and Further Education)に進むことになる。学校は、公立と私立によるものがある。公立校の場合、州の教育省が管轄し、各州がそれぞれに制度を定めている。そのため、5歳から小学校に入学し、イヤー7までを初等教育にする州など、多少の違いが見られる。私立校は、キリスト教系の学校が多く、音楽やスポーツなど専門性の高いコースを持つ学校もある。

※ TAFE【テイフ】:オーストラリアの公立専門学校。各州によって運営されているキャンパスは200以上もあり、「即戦力」としての人材育成点で高い評価を受けている。TAFEで取得できる資格や学位は大学に編入する際に認定されることが多い。

後期中等教育と高等教育

大学進学を目指す学生はSenior Secondaryに進み、そこで2年間、一般教養科目を学ぶ。そして課程が終わる直前には、州共通の統一資格試験を受ける。この試験の名称は、ニュー・サウス・ウェールズ州ではHSC(Higher School Certificate)、ビクトリア州ではVCE(Victorian Certificate of Education)など、州ごとに異なる。この試験結果とそれまでの学校の成績の総合判断で卒業資格が与えられる。この成績はその後の進学に大きな影響を与える重要なものだ。その一方、VET(Vocational Education and Training)と呼ばれる専門高等教育もとても充実している。州立の専門学校TAFEや私立のVETカレッジなど、多数の学校で、観光、コンピューター、医療・福祉…とさまざまな分野の専門教育を提供す。  

学期制

基本的に4学期制がとられている。州により多少違いはあるが、各学期は10週間程度。学期の合間には2〜3週間の休みがあり、通常、夏休みは6週間。1学期は1月末にスタートし、4学期が12月中旬に終了する。  

 

学校は公立が多く日本とは違う授業スタイル

初等〜中等教育、さらには大学・大学院、高等職業専門教育まで、公立校が充実している。オーストラリアの中・高校の約7割が公立(州立)校。また、中等教育以上では留学生を広く受け入れる公立校も多数あり、留学しやすい。一部の州立校も留学生向けに授業料を設定して受け入れを行っている。このとき、留学申請は教育制度などを管轄する州の教育省に行わなければならない。

また、英検を留学時の語学力証明として認定している州立校も多い。学校の授業スタイルだが、1クラスの数は25〜30人ほどが一般的。科目は、英語(国語)、数学、地理、歴史、科学、外国語、美術、音楽、体育、技術家庭などの科目から自由に選択することができる。

外国語では日本語を選択することも可能。授業で使用する教科書は、入学時に貸し出され、コース修了時に返却する仕組み。公立・私立校ともに制服着用の学校がほとんど。水泳、テニス、サッカー、ラグビー、アメリカンフットボール、バスケットボールなどのスポーツがとても盛んで、地域・学校対抗戦が頻繁に開催される。

地域クラブに所属する選抜選手がそれぞれの試合に出場できる。クラブ組織には、留学生も参加可能。美術や新聞・放送など文化系の活動も盛んに行われ、部活動としてではなく、学生たちは主体的に活動を行っている。  

大学入学と連動した中等教育

留学生の受け入れ態勢

オーストラリアの教育制度は、それぞれの個性を尊重した柔軟なカリキュラムが組まれている。これは留学生も同じ。オーストラリアは移民の国でもあり、高校などでは数10カ国の国籍の学生が同じ教室で学んでいることも決して珍しくはない。そのため、多くの学校で留学生向けの英語研修コースが用意される。また、4学期の各学期の開始時期ならいつでも入学することができる。留学生は入学時期のチャンスが1年に4回もあるので、ある程度自由なスケジュールを立てやすい。

イヤー11〜12

イヤー10までの義務教育課程を修了した後、2年制のSenior Secondary、もしくは公立の専門学校TAFEなどに進むことになる。Senior Secondaryに進んだ場合、イヤー11〜12は大学進学の準備に当てられる。学生は、この期間に日本の大学1〜2年次に選択する一般教養科目を学び、最終学年の学期末には、州ごとに行われる統一卒業資格試験を受けることになる。この結果は、テストの得点とそれまでの学業成績により決まる。これにより、進学できる大学学部が決まるため、学生は皆必死に取り組んでいる。また、オーストラリアではAQFと呼ばれる制度により、イヤー11以上のさまざまな教育機関で履修した単位は他の機関でも認定される。そのため、今いる教育機関で学位・資格が習得できれば、さらに上の機関への進学も可能。

※AQF【Australian Qualification Framework】:大学やTAFEなどの各学校における学位や修了資格を全国的に統合するシステムのこと。

留学生の進学

留学生にも適用されるこの制度の大きなメリットは、進路の選択肢が広がるということ。つまり、Senior Secondaryに進み、イヤー12を修了した後、すぐに大学進学するのではなく、TAFEに編入し職業専門的知識を学んでから、その後大学を目指すことも可能になる。  

オーストラリア夏の短期体験留学

日本の夏休みや春休みの時期、オーストラリアは学期中。それを利用して学校訪問体験ができる! 夏休みや春休みに短期の語学留学がおススメ。現地の高校を見学でき、オーストラリアの高校生たちと国際交流がはかれるプログラムが多数用意されている。

語学研修の後半あるいは中間に地元の学校に訪問し、学校ではクラスに飛び入り参加して、一緒に授業を受けたり、日本について紹介したりといった交流をはかる。オーストラリアの中・高校では選択科目に日本語がある学校が多いので、カタコトの日本語での会話をする機会もあるかもしれない。

長期留学を考えている人が親子で参加する場合もあるが、そればかりではなく、高校生ならではの海外体験として提供されているプログラム。こうしたプログラムは、留学サポート会社や旅行会社でツアープログラムとして企画しているもので、1~2日の観光もセットになって、旅行を楽しむ感覚で参加できるものが多い。

 

オーストラリアについて知ろう!

日本の国土面積の約20倍。6つの州とひとつの準州、首都特別地域(ACT)に分かれている。

 

① クイーンズランド州

②ニュー・サウス・ウェールズ州

③ ビクトリア州

④ノーザン・テリトリー準州

⑤ 南オーストラリア州

⑥西オーストラリア州

⑦タスマニア州

⑧キャンベラ(首都特別地域ACT)

 

 

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