カナダの大学留学 【完全ガイド】 メリット・費用・資料

公開:2018-12-20 更新:2019/06/05

カナダの大学留学 カナダ
カナダで 大学留学

質の高い教育~カナダの高等教育の特徴

 

カナダは教育水準が高く、多くの学校が世界的に評価されている。さらに、治安の良い地域が多いため、留学にも適している国と言える。また、なまりのないきれいな英語が学べることも嬉しいポイントだ。

多民族国家であるカナダは、人種や宗教の違いを超えて、幅広い友人関係を築くことができる。カナダの公用語はフランス語と英語。そのため二か国語を同時に勉強することができる点も、カナダに留学することの大きなメリットだ。

 

カナダには4年制の大学と2年制のカレッジがあり、大学教育がよりアカデミックなのに対し、カレッジの教育は職業に直結する実践的なものであることが多い。カナダの大学で取得した学位は、米国や英連邦諸国の学位と同等に世界中で認められている。学士号は4年間で取得できる。取得できる学位や資格は、州によって異なるので事前によく調べること。 カナダでカレッジ(短大)といえば、主にコミュニティカレッジを指す。ほとんどが州立で、規定の単位を修得すると、修了証書のサーティフィケート(Certificate)やディプロマ(Diploma)が取得できる。カレッジの名は州によって異なり、その内容もまちまちだ。 例えば、ブリティッシュ・コロンビア州のコミュニティカレッジでは、2年間で必要単位を修得すると準学士号が取得できる。また、オンタリオ州には、College of Applied Arts & Technology、またはCollege/Institute of Technology & Advanced Learningと呼ばれるカレッジがあり、学士号を出す学校も増えている。 コミュニティカレッジには、大学編入を目的とした「ユニバーシティ・トランスファー・プログラム」と、就職を目的とした「職業訓練コース」があり、少人数クラスで対話方式の授業を行っている点が特徴だ。入学基準が大学より低いので、ここを足掛かりに、難関といわれるカナダの大学を目指す留学生も多い。 全てのカレッジがこの両コースを持つわけではないが、進学を考える人、手に職をつけたい人、どちらにも適した留学先といえる。

 

 

カナダの大学留学の特徴

カナダの大学のほとんどが公立校だ

カナダは、10の州(プロビンス province)と3つの準州(テリトリー territory 政府直轄だが自治が認められている地域)で構成されている。カナダの州は自治力が強く、教育の権限も州ごとの教育省に委ねられており、独自のシステムで運営している。特にフランス語圏であるケベック州は、固有の教育制度をもっている。 大学は93校あり、大学(ユニバーシティ)と学位授与権のあるカレッジに分かれている。大学のほとんどが公立校で州立。ユニバーシティカレッジは数が少なく、小規模な学校が多い。2学期制(9月、1月)が大半で、3学期制(9月、1月、5月)の大学もあり、学部課程は3年から5年で学士号を取得できる。5月から8月の夏休み期間には、夏季プログラムを実施する大学が多い。  

 

フレキシブルな授業選択が可能なカナダの大学は、自分の学科に合わせて好きな授業を取ることができる。一学期中に取る授業の数も人それぞれ。2~6クラスの中で自分のペースに合わせてクラスを選択する。生徒一人ひとり受ける講義の数が違うため、卒業時期も人によって異なる。

また、Minor(副専攻)のクラスや Double Major (二つの専攻を持つこと)もできるので、勉強したい分野を徹底的に極めることができる。カナダにある約90の大学の中では、そのほぼ全てが州立の学校である。数はあまり多くないが、教育の質や規模に大きな差はない。しかし、大学によって重点を置いている分野が異なるので、自分の学びたいことを明確にしてから決めよう。カナダの大学は一般的には、4年間で卒業になる。

選択するコースや専攻によって異なるが、卒業までに120~130単位を取得する必要があり、一年間で約30単位を取得していく計算になる。国として統一された教育方針はなく、州ごとに教育の狙いや特色が異なる。そのため、州によって大学編入ができなかったり、条件によっては可能だったりする州もあるので注意が必要だ。留学エージェントを通して、自分の行く予定の場所の教育システムを知ると良いかもしれない。

しかし基礎英語力がないと入学は厳しく、IELTS6.5〜7のスコアが必要条件になる。4年制大学進学に英語力が足りない場合は、コミュニティーカレッジ(短期大学)の大学編入コースを卒業してから編入することも可能。先ほども書いたが、州によっては出来ないところもあるので要注意。短期大学は、他に職業訓練コースも備わっているので、社会に出てから役に立つ実践的なことを学ぶこともできる。

カナダは、4年制を出たから就職に有利なのではなく、専門性やコミュニケーション力の高さが就職で重要視される。カナダの大学・短期大学に通う場合は、自分が何を勉強したいのか、将来的にどんな仕事がしたいのか、決めておくと就職活動時に有利だ。

 

大学間の差はなく比較的難易度は高い

カナダの大学は、研究機関としても教育機関としての学生指導の質の高さにおいても、世界的に見て高いレベルにある。カナダ人の大学進学率は急上昇しているが、アメリカやイギリスほど高くはない。大学学部から大学院への進学率は高く、このことは、それだけ大学がアカデミックで学位取得者のレベルがとても高いことの証しともいえる。 カナダの公用語は、英語とフランス語。大学生はどちらかを第2言語として学び、その上で3つ目の言語を外国語として勉強することが多い。 大学は小規模校で1,000人未満、大規模校になると3〜4万人、平均すると3,000人程度。カナダ全体の大学生数は50万人といわれている。人文科学系、自然科学系とも学術レベルが高いカナダは、ユニバーシティの入学難易度もとても高い。高校生の学力も高い水準にあり、ユネスコが実施する世界の高校学力検査でも、3〜4位にランキングするほど。大学の授業はとても厳しく、カナダの大学生は熱心に勉強に励む。 カナダは、大学進学希望者のステップは州によって異なる。オンタリオ州はイギリス型。高校11・12年制に大学進学コース(academic program)を選択し、6科目以上の単位を取得しなくてはいけない。一方、ブリティッシュ・コロンビア州はアメリカ型。7年間の初等教育、5年間の中等教育を受けた後、大学へと進学する。 法学や医学、歯科医学などアメリカのプロフェッショナルスクールに相当する学科は、カナダ社会のニーズに応える実践的学問と位置づけられているため、留学生の受け入れを制限している大学もある。 授業料(留学生対象)は年間CA$5,000~15,000程度と大学によって異なる。ブリティッシュ・コロンビア大学とトロント大学は高め。

 

カナダ大学留学

 

どんなタイプがある?カナダの大学

カナダの大学には州立と私立があり、学位を取得できるのは総合大学と学位授与権のあるカレッジの約90校。大学への入学資格は一般に高校卒だが、ケベック州のように高校卒業後、CEGEPという短大で2年間勉強しなければ、大学への進学ができないところもある。 カナダの大学は、プログラムの規模や取得できる学位から見て、大きく次の3つのタイプに分けられる。

 

1.大学院博士課程のある大学

大規模な総合大学で、大学院、医学部、工学部をもっている。修士課程だけでなく、ほとんどの大学で博士課程が備わっている点が特徴。高度な研究活動を中心とした環境で学びたい人向けの大学。

2.大学院レベルの学部大学

1.のタイプ同様、高度の研究や大学院でのプログラムを重視しているが、ほとんどのところが医学部をおいていない。学部・大学院レベルのクラスで、MBAなどの学位を含む幅広いプログラムをもつ。1.より規模が小さいので留学生にも親しみやすいといえる。

3.学部教育を重視する大学

学部を特定のものに限定して集中的に教育する大学。全学生数3,000人程度の規模で、人文系学部が充実しているのが特徴。20〜30人程度の少人数クラスが多いので、行き届いた指導が期待できる。質の高い学部教育を受けたい人に適している。  

 

ユニバーシティカレッジ

ユニバーシティカレッジ(University College)とは、文字どおり大学とカレッジ(短大)の両方の性格を備えている教育機関。ここで学士課程の教科を修得すると、学位がそのカレッジまたは提携大学から授与される。2年間で準学士号を取得することも可能で、大学進学過程を終了した学生は、大学の2年または3年に編入できる。また、職業訓練コースが豊富で、技術専門の学科を修了すると、技術習得証明書・修了証書・卒業証書が取得できる。ほとんどが地方都市にあり、大学より小規模で親しみやすい点も特徴だ。教授を身近に感じながら専門知識と技術を習得したい人向けといえる。 カナダは、世界的にも教育先進国として知られている国。平均的に教育水準が高く、じっくり勉強したい人に向いている。

 

コミュニティカレッジの目的は職業訓練と大学編入準備、コミュニティカレッジの勉強には次の2つの方向がある。

①専門教育や職業訓練のコース。

ビジネス、コンピュータ、芸術、福祉など幅広い分野の専門技術が学べる。

②大学進学準備コース。

教養科目や専門基礎、カレッジスキルを学ぶ。学部3年次編入のためのアカデミックコースと予備コース(プレパレーションプログラム)がある。

  1.専門教育や職業訓練コース

ビジネス、会計、コンピュータといった経済界で働くスキル、調理、美容、機械整備など実務で役立つ技術を学ぶことがメインだが、ファインアートや心理学などを教養として学ぶコースも開講されている。また、教師や看護師など3年間の職業専門資格コースも設置されている。 どのカレッジも1〜2年で履修するディプロマ取得コースが中心だが、6カ月〜1年のサーティフィケート取得コースや2年間のアソシエイトディグリー取得コースを開講している学校もある。

  2.大学編入/アカデミックコース

このコースは、ユニバーシティ・トランスファー・コースともいい、4年制大学専門課程へ編入するため、1〜2年次に相当する教養科目を履修する。また、中等教育を12年生(18歳)まで受けなかったために大学進学資格がないカナダ人や、留学生のための進学準備プログラムであるカレッジ・プレバレーション・プログラムも開講されている。留学生がこのコースに進むには、TOEFL500(173)が必要となる。 コミュニティカレッジはカナダ全土に200校近くあり、ユニバーシティより授業料がリーズナブル。  

職業につなげる勉強は私立専門学校でもできる

私立の専門学校は、トラベル・ツーリズム、コンピュータグラフィックス、ゲームソフトクリエイター、ファッションモデル、バーテンダーなど、バラエティ豊かなコースをラインナップしている。時代をリードする人気ジャンルが揃っているのがカナダの専門学校の特徴でもある。 カナダの私立専門学校は、企業が運営している。学校法人としての制約や規定がないため、業界の動きに合わせてプログラムやカリキュラムを自由に組めるので、各学校がそれぞれ特色を打ち出している。ワーキングホリデービザで渡航した場合は、専門分野の勉強と就労体験を同時にできるので、こうした専門学校をぜひ活用したいものだ。

 

大学で取得できる学位は?

大学学部修了で学士号、大学院前期課程修了で修士号、後期課程修了で博士号が授与される。また学部にディプロマやサーティフィケートの修了資格を与える1〜3年コースを開講している大学もある。単位制をとっているが、履修すべき単位数は州、大学、学部によってまちまち。一般に学士号取得課程は3年間。さらに1年の課程を経てオナーズ(Honour’s Degree)の修了資格を授与する大学もある。学士号取得後、さらに2年間の修士課程を学んで修士号を取得する。修士号取得後は、産業界など各界で活躍する人が大半。研究職を目指す人だけがさらに博士課程に進学する。博士課程は3〜5年かける人が多い。

学士号

Bachelor’s Degree 学部の専攻に合わせた必修科目、選択科目を履修して卒業に必要な単位を取り、レポート提出や定期試験に十分な成績をあげて、取得する大学卒業資格。

修士号

Master’s Degree 学士号またはオナーズディグリーを取得したあと、大学院の修士課程(前期課程)に進学し、修士論文提出ならびに面接試験による審査を受けて、授与される。1〜2年。

博士号

Ph.D. 博士号はドクター・オブ・フィロソフィ(Doctor of Philosophy)の略で、ピーエイチディーと呼ばれる。博士課程に在学中は“Ph.D.candidate”と名乗ったりする。

 

カナダ大学留学

 

入学条件や出願時期について

カナダの大学に直接入学するには高い英語力が必要。英語力に自信がない人は、大学より入学基準の低いカレッジで、1~2年学んだ後大学の2~3年に編入する方法がある。編入のシステムは州ごとに異なるので要確認。

カレッジ

●高等学校卒業証明書(卒業前の人は、卒業見込みの資料を高校から出してもらう。すでに卒業している人は、学校公式の成績を証明できるもの)

●英語技能試験結果 : IELTS6.0~6.5以上、 TOEFLiBT71~80点以上

大学

●高校の学業成績(基準は大学ごとに異なる)

●英語技能試験結果: IELTS6.5~7.0以上、TOEFLiBT88~100点以上

 

必要な英語力

IELTS 6.5〜7 

TOEFL iBT 88~100

※学科や大学によって条件が異なる場合もある。大学の公式ウェブサイトに載っていない場合は、学校かエージェントに問い合わせることをおススメする。

 

カレッジに入学する

スコア不足などによって4年制大学の入学が難しい人は、2年制のコミュニティーカレッジに入学し、単位を取り4年制大学に編入することが可能。カレッジは大学よりも入学条件が低く、高校を出ていない生徒も入学が可能。学科や学校によって条件が異なるので、事前に調べよう。

カレッジの理系やテクノロジー関係の学科を考えている人は、高校の成績や英語技能試験の成績も必要になる。一般教養の授業やアカデミックライティングの授業に集中する人は、卒業証明書だけで入れる学校もある。

出願時期

カナダの多くの大学は2学期制で秋学期(9月半ばから10月)から始まる。出願時期と日程は大学によって違うが、前年の冬(12月から1月の半ば)が出願期限の大学が多い。次の年の秋学期から大学に通いたい場合は、その年の秋学期中に出願を完了させなければいけない。

ビザについて

カナダ留学には、6ヶ月以上の場合には学生ビザの申請が必要になる。

カナダの学生ビザは、正式には就学許可証(Study Permit)のこと。この許可証は、語学学校を除く留学生は、就労許可がなくても週20時間以内の就労(アルバイト)ができるという嬉しいもの。

学生ビザがあれば就労ビザがなくても働くことができる場合がある。卒業後は、最長3年間、カナダ国内のどこでも働ける就労許可証(就労ビザ)が申請できる。

 

どれくらいかかる?学費の目安

※1ドル(C$)=86円で換算

カレッジ:年間1,032,000~1,548,000円

大学(文・理系) :年間1,118,000~3,096,000円

※別途生活費。
※学校や学部によって上記の費用と異なる。

 

参照サイト:カナダ大使館

ホームステイ?寮?気になる滞在先

大学の授業料と別に、生活費にも費用が掛かる。滞在先を慎重に選ぶことによって、生活費を抑えることができる。主な滞在先としては、ホームステイ、寮、シェアハウスなどだ。

 

ホームステイ

カナダの多くの家庭が留学生の受け入れをしている。生活を一緒にするので、生徒の英語の伸びも早い。食事や洗濯などもしてくれるため、勉強で忙しくても安心して過ごすことができる。学校がホームステイ先を探してくれることが多いが、エージェントを通して探すことも可能。

1ヶ月:CA$700~750(一日三食付き) 

※Wi-Fiの使用料など、別で請求されることもある。

 

多くの大学が、学校の敷地内か付近に寮を持っている。一人部屋、二人部屋など、部屋の種類によって値段が変わってくる。学校の友達と生活を共にするので、毎日楽しく過ごせ、コミュニケーション力UPも期待できる。

 

シェアハウス

現地の学生の多くもシェアハウスをしていることが多い。何人かで一つのアパートに住むと、コストも抑えられる。しかしその反面で、食事や家賃の管理も自分たちで全てこなす必要がある。トラブルにならないようにしっかりとルールを守ることも大切だ。

1ヶ月:CA$250〜700

 

自然豊かで治安のよいカナダで、英語と自分の学びたい分野を最高水準で学べる。ぜひしっかりと準備をしてカナダの大学留学に挑戦して欲しい。

 

 

 

 

 

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