「フィレンツェ」の名称の由来の様に中世「ルネッサンス芸術」で花開いた街フィレンツェ。文化芸術の最先端であった当時の華やかな街並みをそのまま残すこの街は、町自体がまるで美術館のよう。そんな街を散歩するのは最高の楽しみです。中世からの美しい建物に囲まれた石畳の道を歩けば、高鳴る靴音、長い歴史を見守ってきた石造りの建物のひんやりと黙した空気、ささやかな裏路地すら、悠久の物語を語るように情緒に溢れています。
市内には100以上の美術館があり見所の多い町ですが、もうひとつ忘れてはならない楽しみが「食」。イタリアにおいて第1のワイン生産地であるキャンティ地方にあり、そのおいしさは格別。それによく合う生ハムや、名物のTボーンステーキなどおいしいものがたくさん。 美しい景色と芸術に心を満たされ、おいしいご飯に身体も満たされる、至福の街。中世から続く町の秘密は、きっとこの幸せなのでしょう。
日本と同じように四季があります。
夏は短く、気温も高く、平均最高気温は28℃ほどです。盆地のため多少湿度があり、蒸し暑く感じます。
冬は長くなり、雨が多くなるため湿度が高くなります。気温はマイナスになることはほとんどなく、日本の冬と比べると
少し過ごしやすさを感じるかもしれません。
イタリアの語学留学の中でもフィレンツェで過ごすのは芸術好きにはたまらない留学と言えるでしょう。
少し歩いただけでもあちこちに歴史ある建造物や芸術品。こんなに身近にあるのがまるで夢の世界のよう。
語学学校はアットホームで少人数のものも多く、初めての語学留学でも安心ですね。
「神曲」のダンテや著名人が講義を受け持っていたと言えるフィレンツェ大学はイタリアでも名門校。
その歴史の古さはなんと中世の時代から!
農学部、建築学部、文哲学部、経済学部、教育学部、工学部、法学部、数学・物理・自然科学部、外科・医学部、薬学政治学部、心理学部など多くの学部があり、現在では約6万人の学生が学んでいます。
美食の街でもあるフィレンツェでは料理などのおけいこ留学も盛ん。
本場のイタリアンを学べる素晴らしい機会になるでしょう。
「シニョリーア広場」はローマ時代のフィレンツェでは「政治」の象徴とされる広場でした。約500年前の1498年5月23日に、この広場でサン・マルコ修道院長であった「ジローラモ・サヴォナローラ」が不公平な裁定により、残酷にも火破りの刑(焼身刑)に処された土地でもあります。毎年5月23日には「インフィオラータ[Infiorata]」と呼ばれる行事が行われ、彼が亡くなった場所に花が手向けられる。彼の死から500年以上もたった今でも市民達が彼を弔い続けているというのは、歴史が受け継がれているフィレンツェ・イタリアだからこそ見られる光景なのかもしれません。是非フィレンツェに訪れた際にはその悲劇の歴史の一部始終を体感してみてください。
「シニョリーア広場」と共に抑えて置きたいのは「ヴェッキオ宮殿」です。この宮殿は、映画「インフェルノ」の舞台として扱われていました。当時、フィレンツェ共和国の政治が行われる政庁舎でしたが、現在はフィレンツェの市庁舎として使われています。その落ち着いた外装とは打って変わり、宮殿内に入ると壁面は色彩豊かなフレスコ画で埋め尽くされており、その美しさと迫力から訪れる人々は息をのむと言われています。「ミケランジェロの勝利の彫刻」、「地図の間」、「五百人広間」など見所は満載です。他にも、映画「インフェルノ」のファンに向けた「インフェルノツアー」があり、普段は見る事ができない展示物も魅せてくれる秘密のツアーに参加する事ができます。是非観察してきてくださいね。
「ダビデ像」は「ミケロランジェロ」(当時26歳)が政府に頼まれて作成した彼の代表作です。ルネサンス期を通した数多くある芸術作品の中でも最も卓越した作品の一つです。彼の彫刻は隅々まで手間をかけて制作されており、肌のシワや髪の毛など、手に浮き出た血管まではっきりと確認することができます。
ダビデとは旧約聖書においてイスラエル王国の二代目の統治者です。5.17mもの高さのこのダビデ像はダビデが巨人「ゴリアテ」との戦いに挑み岩石を投げつけようと狙いを定めているシーンを表現しています。ルネサンス期ならではの表現として瞳が「ハート型」に彫られている様にみえるのが特徴的です。
「アカデミア美術館」で本物のダビデ像を見てみましょう、ネットで事前予約をすれば確実に見る事ができますが、もし予約をしない場合は朝に向かう事をおススメします。
フローレンス美術館より予約できます。(英語)
〜ボティチェッリの「ヴィーナスの誕生」と「春 プリマヴェーラ」〜 Sandro Botticelli -The Birth of Venus- and -Primavera
※「プリマヴェーラ」画像のみイタリア政府観光局より
「ヴィーナスの誕生」と「プリマヴェーラ」は、ルネサンス期のイタリア人の画家である「サンドロ・ボティッチェリ(Sandro Botticelli)」が1482年に「愛」をテーマにして制作した作品です。2つの作品で中心に君臨しているのが女神の「ヴィーナス」です。1つ目がヴィーナスの誕生場面を美しく描いた「ヴィーナスの誕生」で、また2つ目の作品はヴィーナスが女神として自分の国を統治している様子を描いた「春(プリマヴェーラ)」です。フィレンツェを訪れたら必ず見ておきたい、ルネサンス期で最も優れた芸術作品の一つです。
1982年に世界遺産に登録された「ボーボリ庭園」では、ルネサンスの歴史や芸術文化のルーツを見る事ができます。このボーボリ庭園は、ルネサンス期当時の政治・経済を統率していた一家「メディチ家」の邸宅・庭園群で、メディチ家の12個の別荘から構成されています。自然と共存する宮殿建築の先駆けと称され、ボーボリ庭園は建造物だけでなく様々な芸術作品が共生する屋外美術館のようになっています。その今までの概念とはことなるメディチ家の庭園構造はやがて、イタリア庭園のモデルとなるまで人々の心を掴み浸透しました。「ボーボリ庭園」はフィレンツェの華やかな街並や、文化、人々を魅了し続ける芸術の発祥地で、昔からフィレンツィェ市民には掛け替えのない重要文化財となっています。フィレンツェのルネサンス期の文化を肌で体感したい方におススメなスポットです。
「フィレンツェ音楽祭」は毎年5月から約2ヶ月間開催されるオペラ音楽祭です。
1933年に有名指揮者の「ヴィットリオ・グイ」により開催され、それ以来長く続いているイタリアの格式あるイベントの一つです。オペラ部門では「カルメンCarmen」ペローの童話でシンデレラを題材とする「チェネレントラLa Cenerentola—悲しみと涙のうちに生まれて−」「椿姫La traviata」など多くの有名作品が披露されます。他にもイタリアの有名な指揮者が率いる音楽団のコンサートやダンスコンサートなども見ることができます。音楽シーズンは チケットを購入して参加してみてください。