スペイン第二の都市バルセロナ。カタルーニャ州の州都でもあります。ここ数年、独立問題がニュース等でとりあげられていますが、依然として、留学先として人気の都市です。 地中海に面した国際色豊かな港湾都市で、アントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアやカサ・ミラを始めとするモデルニスモ建築、有名ブランド店が立ち並ぶパセオ・デ・グラシア、ピカソ美術館があるボルン地区など、散策していてとても楽しい街です。
また、日産やフォルクスワーゲン傘下のセアトの本社があるなど、工業都市としての一面も持っています。 フランコ政権下では、カタルーニャ語やカタルーニャのアイデンティティに対して厳しい弾圧が行われていましたが、1975年にフランコの死により独裁政権が崩壊、カタルーニャは1977年に自治権を獲得しました。 そういった歴史的背景や、経済的背景(経済力が強いカタルーニャ州の税金が、他の州のために使われている)などから、近年、独立をめぐる活動が高まり、2017年に当時の州首相が独立宣言に署名したため、中央政府との対立状態が続いています。
しかしながら、一般市民の生活に大きな変化は無く、治安が悪化しているという状況ではありません。ただ、今後の状況については注意が必要です。
バルセロナではカタルーニャ語とスペイン語が公用語ですが、街中の標識や広告等はカタルーニャ語で、人々の会話もカタルーニャ語です。 語学学校では、もちろんスペイン語を勉強しますが、初心者の方は混乱しないように注意が必要です。上級レベルまでいけば、カタルーニャ語もマスターできるチャンスがあります。
バルセロナは地中海性気候のため、年間を通して温暖な気候です。また、雨が少ないのも特徴の一つです。夏は30℃以上となる場合もありますが、湿度が低いため、東京の夏のように不快なかんじではありません。冬の平均気温は10℃位です。
2017年には多くの観光客が集まるランブラス通りでのテロや、独立をめぐるデモや政治的混乱などがありました。しかしながら、市民生活レベルでは、特に治安が悪化しているというような状況ではありません。 ただ治安面ではマドリード同様、人が多く集まる場所では、スリ、ひったくり等に注意が必要です。
情報提供:インタースペイン
バルセロナは伝説の建築家「アントニオ・ガウディー」の芸術的建造物が多く並ぶ「ガウディーの街」です。バルセロナに訪れた際には必ず、見たいガウディーの建築作品を3つご紹介します。 その他にも公園や美術館も魅力的な場所があ多くあります。
■サグラダ・ファミリア Sagrada Familia
世界一有名なアントニオ・ガウディーの建造物のひとつ「サグラダ・ファミリア」は建築開始から130年以上たった今でも建設が続けられている未完成の教会です。ユネスコの世界遺産に登録された「生誕のファサードと地下聖堂」と、その未完成な建築を見ようと、世界中から多くの観光客が毎年訪れています。ガウディーがサグラダ・ファミリアの建設を着工したのは1882年で、現在はガウディーが没した1926年の100周年に向けて2026年の完成を目処に建築が進められています。100年以上たった現在でもガウディーの設計は受け継がれ、尊重されて工事が進んでいます。完成が楽しみですね。
■カサ・ミラ Casa・Mila
ガウディーが54歳の時1905年から2年間の工事を経て完成した。実業家「ペレ・ミラ」と妻の「ルゼー・セギモン」の邸宅兼集合住宅として建設されました。通常の建物の概念とはかけ離れた、なんとも曲がった建物です。当時のバルセロナ市民からは「なんと醜い建物だ」と罵られ「石切場(ラ・ペドレラLa Pedrera)」という名前がつけられるほど不評でした。しかし、その独自性と芸術性の高さから1984年にはユネスコ世界遺産に登録され、バルセロナを代表する建築のひとつとなっています。
■カサ・バトリョ Casa Batlló
海をイメージしたガウディーの作品 1877年Emilio Sala Cortésによって建てられてから1903年から所有者がD.Josepに変わり、1904年から1906年にかけて「ガウディー」によって改装されました。その不思議な外観からバルセロナの市民からは「骨の家」や「あくびの家」と呼ばれていました。長い間個人の所有物で未公開でしたが、ガウディー生誕150年を記念して2002年から公開されています。2005年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
■グエル公園
グエル公園は当時、ガウディーとその良き理解者であった「グエル伯爵」が計画していた庭園式邸宅の跡地です。しかしながら、せっかく建てた住居も交通手段がないなど、色々な規制が原因で住宅が全く売れず、予定されていた敷地面生の半分以下で建設が中止になりました。1922年以降にバルセロナ市の管理下に置かれ、庭園式邸宅の跡地として1984年にユネスコ世界遺産に登録されました。
■ダリ美術館
20世紀のスペインを代表する画家「サルバトール・ダリ」の美術館も、バルセロナ近隣の観光名所の一つです。フィゲラスという街にある「ダリ劇場美術館」はその外観からダリの不思議でシュールな世界を汲み取ることができます。まるでおとぎ話の世界のようなカラフルな建物と、卵が乗っている屋根、唇の形をしたソファーがある部屋など、美術館内はダリの世界が一色です。ダリ劇場美術館は「世界最大のシュールレアリズムのオブジェ」と称されおり、ユニークで不思議なダリの芸術世界が最大限に表現されています。バルセロナから電車1時間ほどで向かう事ができますので、現地ダリの世界を体験してみてください。