国によって違うお正月の過ごし方

公開:2020-01-09 更新:2020/01/15

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日本人にとってお正月とは、家族や友人で集まり新しい年を迎えたお祝いをするものです。おせち料理を食べ、神社に初詣へ行ったり、お正月番組を見たりして過ごします。時差があるので世界中が一度に「happy new year!」とはいきませんが、その国ごとで新年を迎える瞬間は花火が打ち上げられたりして、盛大に祝われます。他の国の新年の迎え方をご紹介しましょう。

イタリアでは老いも若きも赤い下着で年越し!

日本のお正月は家族と一緒に過ごすことが多いですが、イタリアでは違うようです。
イタリアにはこんなことわざがあります:「Natale con i tuoi, Capodanno con chi vuoi」。日本語では「クリスマスには家族と、大晦日(年末)には友人と」という意味です。イタリアはキリスト教国ですので、年末年始には宗教的なお祝いがあります。そのため、イタリア人はクリスマスを家族と一緒に祝い、年末年始は友達とパーティーなどをして過ごすのです。

イタリアでは年越しの際に花火を上げることが多く、人々に人気です。年末から友人と集まり食事をしながら新しい年を迎えます。日本では除夜の鐘が鳴らされ、静かに新しい年を迎えることが多いですが、イタリアは違います。陽気な国民性のイタリアでは、食べて飲んで、大いに騒ぎながら年越しをするのです。大晦日には豚肉のソーセージとレンズ豆そして付け合わせのとうもろこしの粉を練ったものが定番料理です。茹でたレンジ豆は、食べれば食べるほどお金持ちになると言われている縁起物の食べ物です。
また、大晦日の夜には赤い下着を身に着けるという習慣があります。赤い下着が幸運を呼ぶとされており、多くのイタリア人が赤い下着を身につけるのです。

デンマークでは新年にお皿を投げる!

デンマークにも、お正月の独特な過ごし方があります。

新年を迎えると、デンマークの人たちは椅子やソファーからジャンプします。子供たちがよくやることですが、そこには新年を歓迎するという意味があります。他にも、お皿を投げたりします。友人宅などののドアへ向け、お皿やカップを投げるのです。その意味は、その友人を大切にしているという証で、自分の家のドアで多くのお皿やカップが破られていると、それはたくさん友人がいることを意味します。そしてそれらが多ければ、その年は良いことがあるとされています。

ぶどうを口いっぱい頬張るスペインとポルトガル

新年スペイン

 

日本で年越しそばにあたるのが、スペインとポルトガルのぶどうです。
お正月の時にスペインとポルトガルの人たちはぶどうを食べます。新年を迎えるとテレビは教会で鳴らされる12回の鐘の音が放送されます。この12回の音は1年の12ヵ月を意味し、その鐘が1回鳴らされるごとにぶどうを1粒を食べます。鐘のチャイムと同時にぶどうを食べることができると、その月は良いことがあると考えられています。

この鐘の音と同時に食べるということは両国ではとても楽しいイベントの一つとなっており、友人や家族の中で、誰か一番早くぶどうを食べられるかを競争しながら、楽しく年を越すのです。

毎年変わる中国のお正月

新年中国

 

ほとんどの国では1月1日が新年ですが、中国は違います。3,500年前方続く中国の新年は「春節」と呼ばれ、旧暦で数えられるため毎年変わります。今年は1月25日が中国の春節にあたり、日本でいう年末年始休暇は、今年の場合1月17日〜2月8日くらいまでにあたります。
次の年に良いことがたくさんあるように、春節前には日本と同じように大掃除が行われ、年末の買い出しも行います。
大晦日に当たる春節前日には、家族が集まり食事を共にします。
多くの人が里帰りをして家族で新年をお祝いします。農村から都市へ出稼ぎで来ている国民が一斉に帰省するため、日本でもその帰省ラッシュがニュースで報道されたりします。

多くの国に存在する中国人が多く住む地域であるチャイナタウンでも、本国と同じように春節がお祝いされます。また、旧正月を祝日とする国は意外と多く、香港・台湾・韓国・北朝鮮・シンガポール・インドネシア・ベトナム・マレーシア・モンゴル・ブルネイと10カ国もあります。
中国での旧正月の過ごし方は広い国土なので地域によって違いますが、日本のお年玉のような習慣もあります。結婚している夫婦から若者や子供たちに、赤い封筒に入ったお金をあげます。最近では職場でも上司から部下へ同じように赤い封筒に入れたお金をあげたりします。赤色は中国では幸運の色とされているので、赤い服を着たり身に着けたりします。

春節の準備は大体1週間前くらいから始まり、期間中にはさまざまな伝統行事が行われます。新しい年になるとその年の運勢はどうなのか気になりますよね。中国では「Feng Shui」が広く国民から信じられています。読んでみると、なんとなくわかりますよね。「風水」のことです。日本でもよく知られていますが、その年のラッキーカラー、運気の上がる食べ物、身につけると良いものや運気の上がる方角などを知ることで、それに習った生活を送るよう心がけるのです。

旧正月の最後の日は「元宵節(げんしょうせつ)」といい、春節から数えて15日目のことです。新年を迎えて最初の満月であるこの祭日には、家ごとに赤い提灯(ランタン)を提げ、家族揃ってご馳走や“元宵”というお団子を食べます。各地でランタンフェスティバルが行われ、花火が盛大に打ち上がることもあり人気の祭日となっています。

年始には白い服で決まり。ブラジルの新年の迎え方

新年ブラジル

 

中国では春節に赤い服を着る伝統がありますが、ブラジルでは白い服を着て年越しをします。
新年が幸せな1年になるよう、白い服を着るそうです。白は「平和」と「幸せ」の色とされ、そのため年末には多くのお店で白い服が店頭に並びます。

女性は下着の色も特別なものを選びます。それは、選んだ色にはそれぞれ意味があるからです。白には平和、青には繁栄、ピンクには恋愛、金色にはお金、などで18色あります。それぞれ自分が来年うまくいってほしい願いを込めて色を選ぶのです。何枚も重ね履きをする欲張りな人もいるようです。気持ちはわかりますよね。

他の多くの国と同じように、ブラジルでも盛大に花火が打ち上げられ新年を祝うので、ビーチに集まりその花火を鑑賞します。日本は真冬の年末年始ですが、暖かい国では屋外で過ごすことができるのが少し羨ましいですね。

危ない!南アフリカでは家具が飛んでくる?

南アフリカでも1月1日に新年をお祝いしますが、キリスト教徒が多い国なのでクリスマスの方を盛大にお祝いします。南半球にあるため年末年始は真夏にあたり、新年は友人や家族とバーベキューをして過ごすことが多いのですが、そのバーベキューでは牛肉に豚肉、ソーセージなど。年始からがっつり食べるようですね。

南アフリカの首都ヨハネスブルグでは、新しい年には古いものは新しくするという伝統があります。そのため、古いものを外に投げ捨てるということがおきます。しかし、この窓から投げ捨てる行為は伝統ではなく1990年頃から始まったものらしく、全ての人が行うことではありません。しかし行う人もいるのは事実で、道を歩いていたら急に窓から大きなものが捨てられる、なんてこともあるかもしれません。事実、これによって、お正月のヨハネスブルクでは事故が頻繁におきます。そのため警察も警戒をしているそうです。

フィリピンの新年は「○」がたくさん!

多くの国で新年に行われる花火大会が人気ですが、フィリピンではとにかく大きな音を立てて騒ぎます。爆竹や花火などが多いですが、個人個人で行うのでいたるところでそれが聞こえてきます。大きな音で悪運を払うと信じられているからです。

また、フィリピンのお正月にはとにかくたくさんの「○」を準備します。年末から水玉模様の服を着て、12個の「まるい」形をした果物を準備します。この習慣は中国からやってきたもので、まるいものを着たり準備することで新しい年が幸福なものになると信じられているからです。

クリスマスイブのディナーはNoche Buenaと呼ばれますが、大晦日の夕食はBuena Nocheと言います。クリスマスと同じようにたくさんの食事が準備され、家族と一緒に食べます。Buena Nocheには必ず麺料理が出ます。「麺」を食べると長生きできると信じられているからです。

いかがでしたか?「今年は年末年始は海外で過ごそう!」と考えた場合、渡航先ではどのような過ごし方が行われているのかを確認してから出発した方がよさそうですね。日本ではまさか家からものが投げらられることが起きようとは思いませんよね。

この記事を書いた人

「あの国で留学」の編集チームは全員が留学経験者。留学会社に勤務し実際に留学を希望する人のカウンセリングを行ったメンバーもいます。留学へ行きたいと希望する人の気持ちもわかり、実際に行った経験からどんな情報があったらいいかも熟知しています。留学を希望するすべての方に役立つ情報を発信していきます!

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