公開:2017-02-24 更新:2019/02/25
皆さんこんにちは。イタリアのトリノに留学中の大学3年、遠藤香織です。 今回はもともと去年から大晦日にかけてのヨーロッパ旅行とトリノで過ごしたニューイヤーパーティーの様子についてお伝えしようと思ったのですが、つい最近ようやく『滞在許可書』なるものを手に入れて、「あ、そういえばトリノに来て最初は滞在許可書の申請で泣いてたな……」と、しみじみ思い返し、これを読んでいる方の中にもきっとイタリアへ留学する事を検討中の方もいらっしゃると思うので、予定を変えて、少し現実的な話になってしまいますが、「イタリアの滞在許可書の申請」についてお話したいと思います。
この記事を書いている3日前に警察署に行ってようやく手に入れた滞在許可書。 では一体これは何なのかというと、「イタリアに3カ月以上滞在する場合に必ず申請しなければならないもの」です。イタリアに一定期間以上住む場合は、どんな理由があろうとも、正規の学生ビザを所有していようとも、滞在許可申請を出していなければ不法滞在となり、最悪警察に逮捕されて母国に強制送還されます。 この滞在許可証の申請が、イタリアに留学する学生にとって一番の難関であると言っても過言ではないでしょう。経験者の先輩もとても大変だったと仰っていました。まず、この申請のポイントは「イタリアに入国してから8日以内に申請しなければならない」という事です。なので、ようやく日本からイタリアにやってきて、これから充実した留学生活が始まるんだとうきうきしていられるのも束の間。到着したらもう翌日から申請に向けて行動を開始しなければなりません。
最初私がトリノに来た時は、周りに知り合いの日本人は一人もおらず、とりあえず自分一人で何とか手続きをしようとインターネットで情報を集めました。 まず大まかな滞在許可書申請の流れとしては、 ①郵便局で『キット(kit)』を手に入れる ②キットに必要事項を書き込み、必要書類を準備する ③キットと必要書類を持って郵便局へ提出する ④指定された日にちに警察署へ行き、指紋採取を行う ⑤カードができた連絡が入り次第、警察署へ行き『滞在許可証』を貰う という感じです。
まず、郵便局でキット(滞在許可証を申請する為の書類)を手に入れるところですが、これは小さい郵便局では手に入りません。なるべく街の中心にあるような、大きな郵便局へ行きましょう。ちなみにキット自体は無料です。 キットを貰ったら、キットに必要事項を書き込みます。これについてはイタリアに来た目的などで必要記入事項などが色々変わってくるのですが、私はこちらのサイトを参考にして何とか書きました滞在許可書申請用紙の記入見本(学生)。そして必要書類の準備ですが、これも人によって変わってくるので、各自ネットを参考に書類を準備しましょう。ちなみに、16?の収入印紙(marca da bollo)も購入しなければなりません。これはタバッキ(タバコ屋のこと。イタリアにはコンビニがない代わりに、このタバッキがどこにでもある。ちなみにタバッキではお菓子やジュース、雑誌も置いてあり、バスのチケットやWi-Fiルーターのチャージなどもできます)で購入しましょう。
まずここまでの段階で、私は6日掛かりました。というのも休日で郵便局がやってなかったり、必要書類を準備するのにもたついてしまったりしたのです。全ての準備を終えたらいざ郵便局へ!この時とても運が良く、知り合いのイタリア人の友人が一緒についてきてくれたので、受付での申請をほとんどやってくれ、とても助かりました。「一人でも全然余裕で申請できるよ!」と言っていましたが、それでも私はあまりイタリア語に自信がなかったので、もし1人だと不安だと思う方は、イタリア人の知り合いの方と一緒に申請するのがベストでしょう。
この郵便局での申請を8日以内に行わなければなりません。それさえすれば、ようやく一息つくことができます。 しかし、それではもう手放しで浮かれていてもいいのかと言うと、そうではありません。
イタリアに留学に来た学生は、滞在許可証の他にも、携帯やWi-Fiルーターや、色んな場面で必要になるコーディチェ・フィスカーレ(個人納税番号)を入手しなければならなかったり、もちろん携帯も必要なら購入するし、学校での手続き、日本の大学との連絡、いろいろとやらなければならない事があります。特にコーディチェ・フィスカーレはイタリアに長く滞在する際には絶対に必要になるものであり、かつ早期に入手しないと不便なものなので、来たらすぐに入手する必要があります。 なので、イタリアについて息つく間もなく滞在許可証の申請やコーディチェ・フィスカーレの申請、Wi-Fiルーターの契約や学校での手続きなどを同時進行で進めました。正直、到着した最初の1~2週間は本当にバタバタとして忙しかったです。更にまったく見知らぬ土地で慣れない言語、慣れない環境という事もあり、精神的に辛くて何度も泣きそうになりました。この滞在許可証の申請が上手くできず、日本と違いすぎる周りの環境に適応できずに、来て早々留学を諦めて日本へ帰国してしまう人も中にはいるそうです。 ……と、さんざん夢のない話をしてしまいましたが、逆に言えば必要な申請や準備を全部終わらせれば、もう後は夢の留学生活を思う存分楽しむだけです!辛さや苦しさを乗り越えた先にピザやパスタが待っています!どうしても自分一人の力じゃ不安、環境に馴染める気がしない、という人はすぐに周りの信頼できる人に相談しましょう。一人でどうしようと抱え込んでも良い方向には向かいません。 滞在許可証申請の続きですが、郵便局までの工程を終わらせれば後は大して難しいことはありません。が、ここでうっかり者の私はまたやらかしてしまいました。 やらかした内容については次回お伝えしたいと思います。お楽しみに!
この記事を書いた人
埼玉大学教養学部グローバルガバナンス専攻在学中の2016年9月~2017年3月までイタリアのトリノ大学にて留学を経験。卒業後、神戸大学大学院国際協力研究科に進学し、2018年12月から2019年4月までフランスのグルノーブル大学に留学中。専攻は国際法。 |
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