公開:2018-10-02 更新:2018/12/04
なぜ、近年エストニアがIT先進国と言われるようになったのか、それは電子居住権であるe-residency制度の普及がきっかけなのかもしれません。e-residency制度とは、エストニア人以外の外国籍の方が、電子上のエストニア国民になれる制度で、e-residencyを取得すると、自分自身がエストニアにいなくても、エストニアにユーロのBank accountを持てたり、エストニアに法人を作ることができたりします。もちろん確定申告も電子上で行えます。
エストニア政府は2025年までにこの仮想国民を2,000万人にする予定らしいです。ちなみに、日本の首相、安倍晋三氏も既にこのe-residencyを持っているらしいです。日本もどうやらこのエストニアの電子政府から学び、日本に生かしたいと考えているみたいですね。 その背景にはエストニアの歴史にあります。エストニアは立地上、大国ロシアやスウェーデンに囲まれていて、何度も侵略・支配されてきたらしく、独立後もいつまた支配されるかわからないという危機感を持っているらしいのです。故に、実体として国を持っているよりも、電子上に国がある方が安全っというふうに考えたわけですね。小国で危機感を持っているからこその知恵っという訳ですね~。
そんな最先端な風景が見られると思って実際に来てみると、全然想像とは違う景色が待っていました。タリン市内のほぼ真ん中に旧市街と呼ばれる世界遺産はまさにヨーロッパを感じさせる建造物ばかり。
その一方で、旧市街から出ると、周りは近代ビルが並ぶ新しい街並み、かつ昔の建造物を生かしたリノベイトされた建物がたくさん。そして、建設ラッシュ!新旧が入り交ざっている不思議な街です。ちなみに治安は夜一人で歩いていても大丈夫なくらい。もちろん用心は必要ですが、決して危険な感じはしませんでした。私が感じた限り、エストニア人はとっても親切。一見不愛想に見えたりもするのですが、質問には丁寧に答えてくれますし、基本優しいです。 そして、何と言っても美男美女が多い!!聞いた話だと、モデル排出率が世界でNo1らしいですよ。街並み歩いていても、モデル級の長身ですらっとしたエストニア人を何度も見てます。笑
そして、タリンの旧市街近くにあるスタートアップ企業が集まるエリア、その中にあるCo-Working Spaceの「LIFT99」にお邪魔させていただきました。
説明を受けて感じたことは、やはりエストニアが産んだスタートアップ企業「Skype」に誇りを持っていること、そして、そのSkypeで培ったビジネス立ち上げの経験値やノウハウを次のスタートアップへ受け継ぎたいという思い、民間だけでなく、エストニア国全体でスタートアップ企業を盛り上げていきたいという思いでした。
このCo-Working Spaceはただのシェアオフィスではなく、Skypeが培ったノウハウの伝授、ビジネスのコラボやイノベーションを産み出す場、アメリカを含めた投資家とのマッチングを仕掛ける場にもなっていて、スタートアップを育てる風土を感じました。 更に、このLIFT99はウクライナのキエフにもSecond spaceを展開し始めたばかりらしく、近隣国の優秀なエンジニアとビジネスのアイデアをマッチングさせる場を仕掛けています。 私はエストニアに来るまでは「IT先進国」というイメージがものすごく強かったのですが、来てみたら「IT先進国」なのではなく、“今まさに進化を遂げている真っ最中である”っということでした。やはり実際に来てみないとわからないことばかりですよね。
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この記事を書いた人
大学卒業後、上場企業にて法人営業・人事採用・教育分野でキャリアを積む。 |