イギリスの教育制度を知ろう

公開:2019-04-10 更新:2019/07/11

 

イギリス教育制度

イギリスでは子供のうちから音楽、美術などを学ばせる伝統があったため、文化や芸術面での教育水準が高く留学生にも人気の国です。

「卒業」という考え方がないイギリスの教育制度

中等教育

通常イギリスの義務教育は5歳で小学校に入学し、中等教育期間の16歳までです。また、「卒業」という考え方がありませんので、イギリスでは学年数をイヤー(Year)で表わしますが、義務教育期間の最後の学年に当たるイヤー11の最終学期末に全国統一テストGCSEが行われます。この結果は進学や就職の判断材料になる大事なものです。

イヤー11修了後の二年間は、進学コースか就職コースのどちらかに進みます。大学進学希望者は、18歳までのイヤー12~13の間にGCE-ASレベルとGCE-Aレベルという2つの全国統一テストなど、大学入学に必要なテストを受験します。自分の必要な科目だけの受験ですが、この結果が志望大学入学に大きく影響します。

高等教育  

イギリスの大学をはじめとした高等教育機関は、4校を除く他は全て国立。そのため、どの大学に進んでも、教育の質については均衡が保たれています。学士号は、通常3年でUniversity, University College, College of Higher Education などの多くの高等教育機関の学部課程で取得することができます。  

9割以上が公立。留学生は私立へ

中等教育  

公立校が主流となっているイギリスの学校ですが、残念ながらそこでは通常留学生を受け入れていません。そのため、留学生のほとんどは、私立校へ入学することになります。

公立校の場合、イヤー7(11歳)から、中等教育過程に入ります。私立校の場合男子校と共学校は13歳から、女子校は11歳からと、それぞれの学校によって進学年齢が異なります。そのため、留学を考えている人は、男子だと13歳、女子だと11歳のタイミングで行うのがベター。

また、留学時期の学年が、前出のGCSEの試験課程であるイヤー10~11にあたる場合は、1つ下の学年に入って、準備期間を設けるのがベストでしょう。  

 試験はほとんど記述式。日本とは違う授業スタイル

  イヤー11~13の間は、中等教育の統一試験GCSEにはじまり、最終的にはGCE-ASレベルとGCE-Aレベルという2つの全国統一試験が控えているため、イギリスの学生は勉強に大忙しです。しかし、学校での授業は、決して詰め込み教育ではありません。

中等教育へ進むと、初等教育に比べて科目数は増え学生は大変ですが、全ての授業で、基本的には「得た知識で物事を考える」ということに重点が置かれています。これは、問題の答えを1つに限定せず、正解に至るまでのプロセスを大切にし、個人の能力を最大限に引き出すことが教育最大の目的と考えられているからです。

また、試験のほとんども選択式ではなく、自分で考えをまとめる記述式でその考え方は試験でも同じです。さらに、授業でも積極的に発言することが求められるので、英語力に自信がない留学生は慣れるまで大変です。しかし、学生たちは勉強ばかりでなく、課外活動にも熱心に取り組んでいます。

スポーツ・芸術などのクラブ活動や地域活動は学校教育の一環で、みんな積極的に参加しています。クラブ活動では、対外試合やコンクールも頻繁に行われます。  

 

イギリス教育制度

卒業の代わりになるのが全国規模の統一試験

GCSE課程

イギリスでは、中等教育課程最後の学年イヤー11の学期末に全国統一テストGCSEが行われます。そのため、イヤー10~11の期間は、試験に備えた準備課程となります。授業に特別な変化はありませんが、学生は約20科目の中から、各自の授業科目になる10科目の程度を選択して学びます。その中には必修科目もあり、学校によって異なりますが、英語(国語)、数学、外国語、理科などが主なもの。

GCSEの評価方法は、最終的に行うペーパーテストの結果だけではなく、過去2年間の授業時の評価(小テストやレポート)も考慮されます。総合的な評価で決まるため、2年間の授業は決して疎かにできません。

1科目ごとにA~Gまでの7段階で評価され、その成績が義務教育修了の証となります。また、この成績は、その後の進学・就職に大きく影響するため学生はみんな真剣に取り組んでいます。  

GCSE-Aレベル(AS)課程  

大学進学を目指す学生は、GCSE課程修了後、全国統一テストのGCE-Aレベル(AS)受験の準備課程に2年間進みます。この時に進学先として、6th Form、Tutorial College、College of Further Education などいくつかの教育機関があります。そのいずれかで、専門の勉強をするイヤー12~13の2年間に、志望大学で専攻に必要な科目の受験を行っていきます。

成績はA~Eランクで評価され合格が判断されます。この受験終了後に学生はようやく志望大学に出願できます。ちなみに、イギリスの大学の総数は約120校で、4大学を除いては全ては国立となっています。多くの場合GCSE(C以上)とGCE-Aレベルの成績が必要となります。大学学部は通常3年で修了します。   

 

留学生の進学  

中学生以下の留学の場合は、初等教育・中等教育課程を経て、GCSEを受験し、さらにGCE-Aレベル(AS)受験の準備課程に進むのが一般的なルートです。高校生で留学した場合は、いきなりGCE-Aレベル(AS)受験の準備課程に入ることになります。英語力に自信があっても、2年の準備期間で受験は無理だと判断した場合、3年計画で受験することも可能です。また、日本の高校卒業資格があれば、ファウンデーションコースへの進学もあります。これは、イギリスの大学進学を希望する留学生が大学レベルの英語力と基礎科目を学ぶことができる教育課程で、そこで1年間学び、大学に入学するというルートもあり、こちらの方が一般的な道すじといえます。  

有名なパブリックスクール  

イギリスでは古くからある伝統のある私立校を、通称パブリックスクールと呼びます。アメリカやカナダでパブリックスクールと言えば文字通り公立校を意味するのですが、イギリスの場合は違います。私立の小・中・高一貫校のなかでも、パブリックスクールと呼ばれるのは一部 だけ。貴族たちが、それまでは各家庭で行なっていた教育を、子弟を集めてみんなで教育する学校にしたことから、この名がつきました。今でも王子が入学すると話題になります。

留学生はEFLで英語力を付ける

アメリカでいう ESL はイギリスでは EFL (English as a Foreign Language)と呼ばれます。高校留学の場合、留学生がいきなりイギリス人と一緒に授業を受けるのは難しいので、多くの場合、まず英語学校で特訓を受けることになります。

私立の英語学校のなかには、ジュニア専用のクラスを設けているところもあるので、そこで勉強し英語力をアップさせます。外国人のために英語を教える専門教員の中でも、子どもや中高生を教える経験を積んだ先生たちが、クラスを受け持ってくれることが多いです。また、私立小中学校の中に留学センターのあるところでは、そこで英語の研修を行っています。夏季には、こうした先生によるインターナショナルジュニアサマープログラムも各地の学校で開校されています。2~6週間の短期プログラムなので、日本の中高生も、個人で参加が可能です。

 

イギリス教育制度

統一試験種類

■GCSE General Certificate of Secondary Education

イギリスの義務教育(5~16 歳)を受け、相応の学力を得たことを表す資格試験。学科試験は1科目ずつ受験します。日本の中3・高1で学ぶ知識と同程度の内容ですが試験はすべて、知識とともに自分の考察をまとめる記述式です。

■GCE-Aレベル General Certificate of Education, Advanced Level

高等レベルの学力を証明してくれる資格試験。1年目はAS レベル、2年目はA2レベルを受験。イギリス大学出願にはGCSE5科目以上とGSE・Aレベル各2~3科目の成績が必要です。ただしGCE-Aレベルのみの成績でも可。

 

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